いよいよ 11 月中旬となり、ネットフォーラムで聞き込んだ情報を基に、のっこみのレイクホワイトフィッシュを狙うためにオカナガンレイクに当時架かっていたオカナガンブリッジへ向かった。

現地に着いてみると、すぐ横に新しい橋の工事がかなり進んでおり全ての橋桁の基礎は出来上がっていたが、幸い進入禁止ではなく、工事関係者も皆無だったので好き勝手に歩き回れた。

釣り始める前に水温を岸辺で計ってみた。8.5 度。一応ホワイトフィッシュが産卵場へ集まり出す8度付近である。ちなみに気温は5度くらいだった。

さてまずはグラスミノー SS オリーブのキャロライナリグで一通り底を通したが反応なし。西側へ移動しながら探るが同じだったのでヌードルロッドにドレナンフロートのエサ釣り仕掛けに替えた。

エサはまずはサーモンローを1個ないし2個刺した。ウキはぴくりとも動かない。行ける所まで西へ行った後で戻りながらエサもミミズやガルプマゴットの3個刺しなどを試した。そしてあるスポットで水中を偏光眼鏡で見ていたところ、数尾の魚の群れが岸に近い砂底の上を通り過ぎた。ホワイトフィッシュに見えた。ここでかなり粘ったがアタリはなかった。

そして岸よりの橋脚管群とその左の少し高い管の間に投入した時いきなりウキが消し込まれた。とっさにアワせたがエサがそのまま浮き上がって来ただけだった。

すぐに同じ場所に投入せずに少し手前に入れてみた。反応なし。そしてしばらくしてさっきのスポットに投入したところ、ぴくっ、ぴくっとウキが動いた後で横に移動し始めたので思い切ってアワセたところ、グンと重み。やったと思いドラグを緩めながら慎重にファイトしたが、浮いて来た魚影を見てひょっとしてニジマスかと思った。案の定取り込んだ魚はニジマスだった。約 30 センチ。エサはガルプマゴットの3個付け。

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オカナガンレイク初のニジマス。リリース。規則でもキープできない。このスポットではこれだけだった。


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この工事用足場を何度往復しただろう。日本では考えられないことだ。


この後角の所でもホワイトフィッシュの群れを見た。そして同じ場所で 50 センチはあるサッカーを数尾見た。体側に黒いストライプがあり、ロングノーズサッカーの可能性があったがラージスケールサッカーかもしれなかった。底をあさりながらゆっくり泳いでおり、ペアで岸近くにいた個体のすぐ脇にミミズの頭を落としてみたが、見落とされたか無視された。残念。

その後深場の底が見えない場所もブッコミで狙ってみたがアタリはなかった。橋の南側でも帰り道にサッカーが2尾見えたのでかなりの数がいると思われた。後で調べたらロングノーズもラージスケールもオカナガンレイクにいることがわかった。低温指向性が強いロングノーズの可能性が高いと思うのだが。

アタリもないので橋周りを引き揚げ、ログブームへ行ってみた。赤いスポーツカーが停まっており、中には誰も乗っていないのでブームの中を探したらかなり沖合の北よりの所に二人組がおり、そのうちの一人はファイト中だった。双眼鏡で覗いたが取り込んだ魚の種類まではわからなかった。おそらくバーボットだと思うのだが。岸よりの浅場を偏光グラスで覗いたがホワイトフィッシュの群れは見えなかった。

ここでは岸からグラスミノーのスーパーホログラム夜光ピンクをログの間のV字状のポイントへキャストしたところ、何投目かでヒット!何だろうと思いながら寄せてみると、ニジマスだった。約 30 センチ。

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その後同じ場所でキャストしているとまた何かがヒット。寄せてみるとパイクミノーでびっくりした。さすがにもう岸辺にはいないと思っていたのに。すごい生命力である。

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この日はこれで終わり、ログブームの横で車中泊をした。スキーパンツをジーパンの上に履き、厚手の靴下、上は防寒用長袖シャツの上にフリース、その上に黒のスキーウエアのアンダージャンパーを着て、寝袋を上からかけて寝たが途中寒さで目が覚めた。

翌日、オカナガンブリッジに戻り、いろいろ考えた末、マッチザベイトがいいと言う結論に達し、ストーンフライニンフを使うことにした。深いのでシンキングラインにゴールドビーズヘッドを使った。

背後が斜面だったのでウエットフライキャスティングで 10 メートルほど投げて十分に沈むまで待ってから縦のターンでリトリーブした。そして岸近くで最後の縦のターンをした時、ヒット! が、すぐに痛恨のバラシ。翻ったシルエットはニジマスではなく、マウンテンホワイトフィッシュのそれに似ている感じがした。サイズもそれに近かった。

これで俄然やる気が出て来た。残念ながらビーズヘッドは1個しか持ち合わせがなく、それもすぐに根がかりで失ってしまったのでスピニングタックルに切り替え、シンカーでノーシンカーフライを沈めることにした。

そして場所を移動しながら探っているうちにまた岸近くで一尾の魚がフライを喰わえた。が、フライロッドと違って硬いのと、風が強かったのでヒットに気づかず、気づいた時にはバレていた。この時のシルエットもマウンテンホワイトフィッシュに酷似していた。

そしてさらに続けてキャストしていると、岸のすぐ近くで一度フッキングせずにフライをかじっただけのアタリがあったので同じ場所に同じように流したところ、今度はフッキングに成功。とうとうやったと思い、ネットを取り出そうとしたがスキーウエアの下になっていたのでなかなか取り出せず、やっと出してさあ取り込もうと魚を掬いに行った。

ネットに入ったと思ったのだがなぜか魚はネットの下におり、フックが外れていてそのまま逃げてしまった。痛恨の失敗!と書くところだが、この時ばかりははっきりと魚が見えた。なんとマウンテンホワイトフィッシュだった! オンラインフォーラムでの情報を頼りにずっとレイクホワイトフィッシュだと信じて何度か足を運んでいたのが実はマウンテンホワイトフィッシュだったというオチだった。まるで喜劇のようだった。もっともレイクホワイトフィッシュもいるにはいるだろうが、岸から狙って釣れるようなポイントはないということがはっきりした。

このことがあってレイクホワイトフィッシュの初物は結局ロッキー山脈を越えて隣のアルバータ州で釣ることとなった。