日本でサケと言えばシャケ、つまりシロザケのことを一般的に指す。シロザケが属する太平洋サケの仲間には他にキングサーモン (マスノスケ)、コーホーサーモン (ギンザケ)、ソッカイサーモン (ベニザケ)、ピンクサーモン (カラフトマス)、スチールヘッド (降海型ニジマス) がいて、日本ではこの他にサクラマスやサツキマスが含まれるが、シロザケが圧倒的に多く食べられている。

一方カナダ西海岸では、シロザケつまりチャムサーモンは日本への輸出用にイクラ目的で獲られることはあるものの、ほとんどの人は食べない。また食べるとしても薫製にしてである。なので専門に釣る人も少ないのでチャムしかいないポイントはあまり混まない。またこのようにあまり人気のないチャムだが、その体重当たりのファイトという点で言うとシヌックサーモン (キングサーモン) よりも力強いと思う。こういう理由で私はもっぱら秋のサケ釣りシーズンはチャムばかりを狙っている。

タックルはシマノのコンバージェンスという3メートル強のサーモン用ロッドにオクマのインスティンクト 400LX というベイトリール(半日トゥイッチし続けるには重すぎるので、オクマのトーメンタ266WLXを経て、最終的にシマノのシティカ201G6に替えた)。仕掛けは 20 lb の PE ライン (パワープロサフィックス832がおすすめ) に遊動式のウキ、ラバー付きシンカー、大型スイベル、マキシマというメーカーのウルトラグリーンというリーダーの 8-10 lb を約 60 センチほど、それに1/0 サイズのフックに巻いたフライである。つまりウキルアーならぬウキフライタックルだ。

サケ釣りを始めた4年ほど前は、北海道の釣り方をまねてタコベイト付きのスプーンを使ったウキルアーを試してみたのだが、全く釣れなかった。北海道では港や海岸の、つまり海水か汽水域でうろうろしているサケを狙うには効果的だろうが、カナダではもっぱら遡上途中か遡上を終えたチャムを狙うので、もはやタコベイトで食性にアピールしても効果がないようだ。一方フライならリアクションバイトを誘えるというわけだ。

ウキは発泡材のものが安価で使用に何も支障はないのだが、私はトップが蛍光色でボディが透明のドレナンフロートという少し高価なものを好んで使っている。ラバー付きシンカーを使う理由はラインを傷つけないためと、フライをたとえばスプーンに替えた時にシンカーの重さを調整できるからだ。フライは初期の頃はマラブーを使っていたが、空気中での見た目ほど水中ではボワッボワッとしてくれないので、最近はもっぱらクロスカットラビットを使って巻いている。これはウサギを立てた場合、横方向にカットした毛なので皮に対して立っており、水中でもよくボワッボワッと動いてくれる。

うまっこのブログ
一応テールとボディに分け、ボディは2色に分けてウエイトを巻いたシャンクにハックル巻きしただけ

うまっこのブログ
BC州フレイザーリバー支流でウキフライで仕留めたオスのチャム。右端がドレナンフロート


2010年代にアーミー&ネイビーで5.99カナダドルで買った透明タイプのドレナンフロートと、ボディが緑がかったタイプ。いずれも6gシンカー用。