アメリカはウィスコンシン州北部のスペリオール湖へ流れ込む某川へ行って来た。狙いは、スペリオール湖から産卵遡上しているロングノーズサッカーと、その卵を狙って後を追って遡上しているらしいラウンドホワイトフィッシュだった。

ここを訪れるのは二年ぶりだが、前回は季節はずれの大雪のせいで増水して釣りにならなかった。今回は幸い増水もなくウェーディングできたので、下流から釣り上ることができた。

ホリデー小継18尺に袖バリ5号の長さサイズにカットしたキヂをエサにしたフカセ仕掛けで早朝から釣り上がり始め、コモンシャイナー 、ニジマス、小ぶりなスチールヘッド がポツポツ釣れたものの、本命はなかなか現れなかった。

9時半を過ぎた頃、ある瀬の脇のたるみを流していた時、ウキがピクッピクッとアタった。アワセると確かな手ごたえ。

と同時にローリングを始める魚の姿が目に映った。反射的に竿を上流側へ寝かして魚が水面へ出ないようにし、慎重態勢に入った。茶色い魚体だ。ということはサッカーだろう。問題は何サッカーかだ。ホワイトサッカー ではないことを祈った。

魚のサイズはなかなかのものだったが、その割にはファイトは弱く、重くローリングするばかりでまるでナマズ のようだった。竿を寝かしているだけで十分耐えられる強さだった。

そうしているうちにとうとう魚は弱ってきたので、姿が確認できた。やった!ロングノーズサッカーだ!

自分から浅場に後ずさりし、そこでランディングを試みたが失敗。さらに竿先が木に絡んでしまうハプニングにも見舞われたが、最後は道糸を手で手繰ってなんとかランディングした。

ついにロングノーズサッカーを釣った!!
 

初めて釣ったロングノーズサッカー婚姻色が出ている。

 


サイズはこのくらい。41センチ。

 

 


初ロングノーズサッカーの顔。このスノビッシュな高い鼻にとうとう出会えた。

 

 


初ロングノーズサッカーの俯瞰。横からの見た目からはなかなか想像できないが、かなり横幅があって立派な体躯だ。だがその割にはファイトは弱かった。

 

 


初ロングノーズサッカーの腹側

 

 


初ロングノーズサッカーの口。口の前に吻が長く突き出ている。

 

 


下唇はこのようにひらひら動くようになっていた

 

 


前から見るとこんな感じ。やはり突き出た鼻が特徴的だ。

 

 

この角度から見て、西岸良平氏の描くキャラを思い出すのは私だけだろうか(笑)?


コイ目サッカー科サッカー属。最大全長64センチ。湖の水が澄んだ深場(最大55メートル)やその支流に棲み、時には汽水域にも見られる。8度から17度の冷水を好み、27度を超えると死に至る。サッカーの仲間の中では最も分布域が広い種類で、アラスカとカナダの大部分、五大湖、アメリカ北部などに分布している。底棲無脊椎動物食性。産卵期は春。

 

ロングノーズサッカーが遡上する川


ロングノーズサッカーはブリティッシュコロンビア州に引っ越し てから狙い始め、棲息情報のある小さな湖を探索して回ったが徒労に終わっていた。そうして産卵期ののっこみ時期しか実質狙えない魚種だということがわかった。ところが春のこの時期はカナダの西側の州では禁漁期になっている所が多いので、なかなか遡上とタイミングが合わなかった。

そこで情報の多い、五大湖の一番西側のスペリオール湖のアメリカ側の支流に産卵遡上する群れを狙うことにし、二年前に試みたものの、上記のように大雪という不運に見舞われて叶わず、直後にカナダ国内のアルバータ州のボウリバーで探した が失敗。その一年後も同じ川で失敗 。そして再びウィスコンシン州の同じ川で再挑戦し、ようやく手にすることができた。これだけ分布も広く数も多いのに、なんとも皮肉な話だ。もし今年もダメなら、アラスカの小さな公園池へ行くところだった。

さて、この初ロングノーズサッカーを釣った後も初ラウンドホワイトフィッシュを求めて釣り上がったが、出会うことはなかった。またミシガン州のスペリオール湖支流へも行ってみたが、コンパクトカーをレンタルしていたため、砂道に阻まれて川へたどり着けなかった。

というわけで、この遠征ではアメリカ第97種目どまりという結果に終わった。