ホワイトサッカーを初めて釣ったのは、2002 年の夏で、グランドリバーの支流にある堰堤の下流だった。タックルはホリデー白糸にウキ仕掛けで、エサはデューワーム (ワームサイズのドバミミズ) だった。狙っていたわけではなく、新しいポイントの開拓の一環として竿を出していてのことだった。


初めて釣ったホワイトサッカー


コイ目サッカー科サッカー属の代表的な種である。北米に広く分布し、カナダでは全ての州および準州に分布している。 最大全長は 63.5 センチに達する。底質内の無脊椎動物やデトリタスを食べているので、ミミズが底に着くようにして釣る。日本で言えばマブナ釣りくらいの難易度か。

ホワイトサッカーという名が付いているが、その名は偽りかと思ってしまうほど白くはない。強いて言えば、幼魚期に白っぽいか、成魚の腹部が白いくらいか。

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ホワイトサッカーの幼魚。2005 年7月グランドリバーにて。


サッカーは sucker と書き、口で石などに吸い付いて流されないようにすることから付いた名らしい。その真偽のほどはともかく、底からエサを吸い上げるのに適した口の構造をしているのは確かだ。その口は分厚い唇でできていて、さらにその表面には味覚センサーとなるたくさんのブツブツがあって、ちょっとグロテスクではある。


ホワイトサッカーの口


ホワイトサッカーは春になると湖から支流へ、あるいは河川の深場から浅場へ産卵のため移動を開始する。こののっこみ行動をサッカーランと呼んでいる。グランドリバーでもエリー湖から大群が遡上を開始する。グランドリバー河口から上流へ向かって最初の堰があるダンヴィルという町で、4月の終わりに堰の下流でぶっ込み釣りをしていて入れ食いになったことがあった。またグランドリバー中流域でもサッカーランは見られ、この時期食欲おう盛なのでよく釣れる。

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2005 年9月にオンタリオ州テムズ川で釣ったホワイトサッカー


なかなかのファイトはするものの、スポーツフィッシングの対象魚とは見なされていない。スチールヘッドの外道として釣れた時など、ビューグル (らっぱ) トラウトが釣れた、などと揶揄されたりする。

私は食べたことはないが、フィレーにした後で、小骨対策としてミンチにしてからフライで食べると大変おいしいらしい。

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2005 年6月にグランドリバーで釣ったホワイトサッカー


2012 年5月にアルバータ州で釣ったホワイトサッカー


2012 年5月にアルバータ州で釣った小振りなホワイトサッカー


2012 年5月にマニトバ州で釣った婚姻色の出たホワイトサッカー


2012 年6月にニューブランズウィック州で釣ったホワイトサッカー


2014 年5月にアルバータ州のボウリバー支流でD-リブ・ソフトシェル・ゴールデンストーンフライ・ニンフで釣ったホワイトサッカー


ホワイトサッカーの近影。2012年5月、アルバータ州南部のクリークにて。


ホワイトサッカーのハビタット