2001年にカナダでの釣りを始めてから2015年にカナダにおさらばするまでの15年間に、カナダとアメリカで狙ったもののどうしても釣れなかった魚たちをまとめてみた。

 

ギザードシャッド

 

2012年3月にテキサス州でスレで釣れた良型のギザードシャッド

 

2014年10月にイリノイ州でスレで釣れたギザードシャッド

 

カナダで釣りを始めた頃から最後までずっと狙っていた魚。プランクトンフィーダーなので、時にはヘラブナスタイルで、時にはブラインシュリンプで、またある時はウキフカセのプランクトンフライやニンフで、さらにはサビキでも狙ったものの、結局全くかすりもしなかった。ただ、時には浮いているプラグや、フカセているニンフにもヒットすることもあるので、あのままオンタリオにいたなら、いつかは釣れていただろう。西海岸へ引っ越してからはアメリカ遠征でしか狙えなくなってしまったので、深く掘り下げて色々試すことができず、最も身近な魚だっただけに、無念で心残りだ。

 

マスケランジェ(マスキー)

 

2012年8月に釣友ケンが釣ったマスキー

 

2015年5月にインディアナ州で見かけた、ノーザンパイクとマスキーの禁断のペア。生まれてくる子はタイガーマスケランジェ(タイガーマスキー)で、生殖能力を持たない。

 

オンタリオにいた頃は、どうせ出会うこともないだろう(1000回キャストしないと釣れないと言われていた)と思って狙わなかった。初めて狙ったのは、2012年の夏にカナダ横断釣りすごろくを敢行した時で、終盤のオンタリオ再訪時にケンたちとカヌーに同乗させてもらって、コテージカントリーと呼ばれる別荘地を流れるやたらと深い川で挑んだ。その川のあるワンドでとうとうカヌー際でスピナベにヒットさせたのだが、バーブレスにしておいたこともあってすぐにバレてしまい、万事休す。アメリカのイリノイ州でも狙ったが、ノーヒットに終わった。

 

ブラックバッファロー

 

インディアナ州のバスプロショップスで見かけたブラックバッファロー

 

カナダではオンタリオ州内にいることはいるが、とても少ないので狙わなかった。アメリカ遠征時にイリノイ州で狙ったものの、アメリカ人アングラーでさえ滅多に釣れない魚なので、全く姿さえ見ずに終わった。バッファローの他の二種は釣っていたので、ぜひ三種制覇と行きたかったのだが。

 

ラウンドホワイトフィッシュ

 

オンタリオ州で釣り始めた初期に買った釣り雑誌に、本種が同州の北部の川で釣れるという記事があった。その後十年ほど経った2012年の釣りすごろくでのオンタリオ再訪時に、わざわざトロントの図書館二つを回ってその雑誌を見つけ、場所を確認。いざ赴いたものの、産卵期を外れていたので川にはいなかった。その後、ウィスコンシン州やミシガン州のスペリオール湖支流でも狙ったものの、叶わなかった。マウンテンホワイトフィッシュの近縁種。メノミニーとも呼ばれる。

 

2001年のオンタリオ・アウト・オブ・ドアーズに載っていたラウンドホワイトフィッシュの記事

 

ブラッシーミノー

 

ブラッシーとは銅色のという意味で、その体色から来ている。この魚はとても分布が広く、カナダのほとんどの州をカバーしている。にもかかわらず、オンタリオにいた頃には姿さえ見たことがなかった。と言うのも、植物食性なので普通のエサ釣りでは釣れないからだ。そこで熱帯魚のプレコの餌を砕いたものに、日本から取り寄せたおかゆ粉を混ぜてやってみたりしたが、ダメだった。最後はアルバータ州北部のレイクであらゆるエサを試したものの、完全にスルーされ、諦めるに至った。ただ姿だけは見られたのでよかった。

 

ブラッシーミノーのハビタット、アルバータ州。

 

バンディドダーター

 

バンディドダーターはカナダにはいないダーターで、アメリカのテネシー州で最初に出くわした。その名の通りバンド模様が特徴で、清流の浅場で容易に見つかる魚だ。ところがこの魚、水生昆虫を主に食べているくせに、ミミズに全く反応しなかったのだ。この時は産卵期で繁殖に忙しいせいだと思ったが、その後アラバマ州で秋に狙った時も、キヂに喰いつきはしたが一瞬でタナゴバリを察知して吐き出してしまい、お手上げで終わってしまった。

 

バンディドダーターのハビタット、アラバマ州北部

 

レイクチャブサッカー

 

この魚はサッカーの一種で、オンタリオ州南部にもいるにはいるものの、とてもレアなので狙わなかった。アメリカではミズーリ州内でのピンポイントの情報が得られたので、二回通って挑んだ。透明度が2メートル半以上ある所だったので、魚は見つけられた。上から見るとフナのようだった。回遊ルートに置いていたキヂに一度だけアタり、掛かったのだが、キラッと体側を見せたと同時にバレてしまった。約一年後に再チャレンジし、この時は浅場の水生植物の中にいる小さな個体を狙った。そして偶然目印のチャートリュースのヤーンに反応することを見つけ、喰わせることに成功したのだが、痛恨のバラシで終わってしまった。

 

ブリッジリップサッカー

 

この魚もサッカーの仲間で、北米の西海岸のフレイザーリバー水系とコロンビアリバー水系に分布している。ブリティッシュコロンビア州に引っ越してから狙い始めたのだが、釣れるのはもう一つのサッカー、ラージスケールサッカーばかりで、十年後にようやく実物に出会ったが、それは死体だった。

 

2015年8月に見つけた、死んだブリッジリップサッカー

 

アメリカのアイダホ州ワシントン州にも遠征したものの、やはり釣れるのはラージスケールの方ばかりで、幻のまま終わってしまった。ただ釣友ケンが今年の6月にブリティッシュコロンビア州内で私がかつて挑んだポイントで偶然一尾釣り上げたので、あのままカナダにいれば釣れたかもしれない。

 

セイルフィンモーリー

 

これは2011年に初めてフロリダに入った時に、レイクパナソフキーの流出河川の岸辺で見つけた。釣りを試みたものの、全くエサに反応せず、むしろ逃げられてしまった。その後2013年に再訪してヤマベチューブハエで挑んだが、完敗。同じ旅のテキサス州南部でまた出会ったので、試しに食パンを浮かべたところ、それには食いつくことまではわかったが、釣ることは叶わなかった。実際、釣れた人はメジナのように撒き餌の中に食わせエサを紛らせて釣っている、警戒心の強い魚だ。あのオスの豪華な背びれを写したかったのだが。

 

セイルフィンモーリーのハビタット、フロリダ州