このブログを書いている 2010 年 10 月現在でもまだ釣れていないのだが、ブラッシーミノーという魚は、オンタリオ州にいた頃からかれこれ5年越しにずっと狙っている魚である。

決してレアな魚ではなく、分布図を見てもオンタリオ中に広く分布している。にもかかわらず一度も釣れなかったのは、おそらくこの魚が植物食性だからだろう。

水中カメラでも導入しない限り、そのポイントに目的の魚がいるかどうかはなかなか確信が持てないものだが、その上さらに使用しているエサに食い付くかどうかもわからないとなると、やはりゲットできる確率はかなり低くなる。

この日 (2005 年9月上旬) もブラッシーミノーを求めて私はヒューロン湖の支流の一つであるメイトランドリバーにいた。植物食性だと言われているブラッシーミノー攻略のために、この日私が用意したものは、100%植物性のエサだった。中身は、日本から取り寄せたオカユ粉と、苔を食べる熱帯魚用の餌であるスピルリナを粉末にしたものを混ぜて練ったものだった。これを3ミリリットルの注射器に入れ、押し出してハリ先に付けた。使用したタックルはホリデー白糸の穂先2本に、自作コマウキ・タナゴバリ極小仕掛けだった。

ポイントは非常に透明度が高く、浅かったので、おのずとサイトフィッシング (見釣り) になった。はたして自作の練り餌に食って来るだろうかと半信半疑だったが、ハリ先の緑色の練り餌を凝視していると、フッと視界から消えた。アワセると何かがかかっていた、上げてみるとそれは残念ながらブラッシーミノーではなかった。だが、かといって今まで釣った魚でもなかった。とにかく新たな目 (もく) であることは確かだったので、撮影して帰ってから同定した。結論はブラックノーズシャイナーだった。その日は同じポイントでもう一尾釣れた。

うまっこのブログ
初めて釣ったブラックノーズシャイナー


コイ目コイ科 Notropis 属。水が澄み水生植物の生えた湖や、クリークや小河川の砂底のプールに棲む。最大全長 10 センチ強。雑食性。カナダではノバスコシア州からサスカチェワン州にかけて広く分布している。


ブラックノーズシャイナーのハビタット。オンタリオ州南部。