2005 年の中旬頃までは、コマウキ仕掛けでのハリは赤虫バリか秋田キツネを使っていた。理由は日本からの釣具の入手がオンライン通販に限られていたため、あまり選択の幅がなかったからである。しかしだんだん通販も品揃えが豊富になって来て、ついにタナゴバリもオーナーばり製のものが手に入るようになった。そこでタナゴバリの極小をカナダに取り寄せた。

これでもう超小物釣りには鬼に金棒と言った気分だった。早速私はクリークで未開拓の場所をチェックして回った。住んでいたキッチナー市の東にはグエルフという市があり、その郊外には畑が広がっていた。畑の間にはクリークが自然のまま蛇行して流れていた。その一カ所は道路と交差している場所で、水深が 1.5 メートルほどあり、キンギョモが繁茂していた。また亀がとても多い場所でもあった。

クリークの上の道路の路肩には亀の卵があちこちに埋められていたが、そのほとんどがラクーン (アライグマ) によって掘り出されて食べられてしまっていた。何もあんな見つかりやすいところに産まなくてもと思ったが、あんなに高くて固い場所でも亀にとってはきっと産卵に適した場所なのだろう。ほかの場所でもよく路肩に産んであった。そのラクーンも動きがとてものろいので、100 キロを超すスピードの車にはなすすべがないようで、よく夜中に一家ごと轢かれているのを見たものだ。あわれだった。

さて、そのポイントでガーデンワームをエサに竿を出すと、タナゴバリの効果で、クリークチャブの他にノーザンパールデースノーザンレッドベリーデースが難なく釣れた。そしてそろそろ終わりにしようと思い、最後に岸のすぐ近くの藻穴に仕掛けを入れてみた。岸に近いので少し浅く、ウキは初めは寝ていたが、すぐに引っ張られるような感じで半立ちになった。少し待ったがそれ以上動きがないので上げてみると、何やら茶色い寸詰まりのキュートな魚が釣れて来た。それが本種、セントラルマッドミノーだった。幸いハリは呑んではいなかった。


初めて釣ったセントラルマッドミノー


カワカマス目ウンブラ科ウンブラ属。パイクの仲間である。たしかにひれの位置などに共通点がある。最大全長 15 センチ。水生植物が厚く繁茂した池、湿地、沼、または小さなクリークのプール、および湖の水深 0.5 メートルほどの静かで浅い場所で、底に泥や有機物が堆積している場所を好む。低酸素、低 pH、および 29°C までの高水温に耐えられ、濁りにも比較的耐性がある。よくブルックスティックルバックと同じ場所にいる。無脊椎動物食性。カナダではケベック州、オンタリオ州、マニトバ州に分布している。

うまっこのブログ
2005 年9月にオンタリオ州キャショアクリークで釣ったセントラルマッドミノー