こんにちはー。
いつもはexciteで軽めの話題とか出してこちらは小説系がおおいのですが、聴覚に障害をおもちのフォロワーさんもいらっしゃいますのでこちらで話題を展開することにしました。
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目次 1.CM「比嘉の沖縄手話日記」 2.「わたまわ」サーコとトモはどうして別れてしまったのか |
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1.CM「比嘉の沖縄手話日記」
こちらCMです(笑)。沖縄を舞台に手話を主体としたYouTubeを配信されている方です。沖縄へ旅行に行きたいけど行けない!というみなさま、こんな動画をまずリンクしてみました。ちゃんと音声もあって見やすいです。比嘉さんはアメリカンビレッジだけでなく、沖縄のあちこちにお出かけなさってます。チャンネル登録して是非いろいろ動画をクリックしてみて下さいね。
2.「わたまわ」サーコとトモはどうして別れてしまったのか
ここらで、うちで展開している小説「わたしの周りの人々」に登場するヒロイン・サーコと彼氏である韓国人宣教師・トモの話を。
トモ(本名はキム・ジング)は韓国で従軍中に負傷し聴覚障害者になってしまいましたが、二人の気持ちは変わらず、トモの就職先である大阪で暮らすことになります。
……が。二人の生活はうまく行きませんでした。最初のうちは和気あいあいやっているんですけど、季節が夏から秋へ移り変わるとともにサーコは大阪の気候になじめず病気がちに、トモは再びPTSD症状に悩まされるようになります。こちらがその場面。
二人がうまく行かなくなってゆくシーン描写で、トモが週末に井上陽水の「いつのまにか少女は」(リンククリックで歌詞出ます)を頻繁に聴く過程を描きました。陽水さんの動画でサーコが変化する様子を暗示したつもりです。くるみさんはトモの変化についてはPTSDの症状描写に重きを置いてますが、ここでトモ自身の別の変化について補足説明をしておきます。
聴覚障害を負って左耳で物音を聞き取りづらくなってから、トモは音楽志向が変わったのです。もともと彼がクラシック音楽好きだというのは書いていました。リャオの前でショパンを弾くシーンもあります(excite)。どちらかというとピアノ曲が好きだったトモですが、聴覚障害を負ってからは別のジャンルを、正確にはワーグナーを聴くようになりました。
当時のトモ君は軍隊での事故に傷ついた心をサーコとの生活で癒そうとしました。ですが、彼には様々な困難が付きまといました。聴覚障害者だということ。韓国人であるがゆえに日本では何度も差別されたこと。PTSDで不眠症を起こしたこと。そして、クリスチャンで宣教師を目指しているのに彼女とは同棲状態のままということ。彼の韓国の両親は二人の結婚には大反対でした。
八方ふさがりな彼はサーコとのセックスと、音楽と、ロバート・キャパの写真集に逃げた。
もともとトモは井上陽水さんのある種独特な世界観が好きで、聴覚障害がそれに拍車をかけました。一般的なことではないかもしれませんが聴覚障害を負うとシンフォニーのようなある種重い、迫力ある曲を聴くようになるらしい。振動が全身に伝わるからでしょうか。
ワーグナーについてはさだまさしさんの「交響楽(シンフォニー)」(クリックでYouTubed動画出ます)という歌があって、そちらにヒントを得ています。(「交響楽(シンフォニー)」歌詞はこちら。もっともワーグナーは交響曲ほとんど書いてないというツッコミも読者各位はおもちでしょうし、さださん自身のコメントもWikipediaにのってます)。ワーグナーの音楽も一種独特で毒とも評されるくらいアクが強いです。
ロバート・キャパについては超有名な戦場カメラマンですからこちらで言及するまでもないでしょう。自らのトラウマの元である戦争関連の写真を、トモは何度も眺めています。心理学専攻だったトモのこと、自分のPTSD治療に良くないとわかっているはずなのに。
あまり詳しく書きませんでしたが、サーコはトモから性暴力まがいのことまでされてます。この事件が大阪での同棲生活に終止符を打つきっかけとなったのはほぼ間違いない。それ以前からリャオは何度もサーコに「沖縄へ帰っておいで」と揺さぶりをかけていました。体調不良ぎみなサーコが沖縄への帰郷を決断するのは、もはや時間の問題だったといえるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。「わたまわ」は貧困女子問題、韓国人中国人への差別や障害者差別、LGBT差別などへの抗議表明がぐちゃぐちゃに入り込んでいますが、沖縄・那覇を舞台にできるだけノリを軽くしたラブコメディーです。この機会にぜひ読んでみてください。
画像はクリスマスなアメリカンビレッジの様子です。
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小説「わたまわ」を書いています。あらすじなどはこちらのリンクから: exblogへ飛びます。
当小説ナナメ読みのススメ(1) ×LGBT(あらすじなど) /当小説ナナメ読みのススメ(2) ×the Rolling Stones, and more/当小説ナナメ読みのススメ(3)×キジムナー(?)