花組をナマで観るのは久しぶりな気がする。
新トップゆきちゃん(仙名彩世)と 『MY HERO』でハマッた キキちな(芹香斗亜、鳳月杏) の並びを観たくて行ってきました。


『邪馬台国の風』@宝塚大劇場
(2017. 6.17(土) 11:00~) 1階21列

私にしては珍しく、友会抽選にてGET。友会の準優先公演ということで取りやすかったみたい。
通路側だったので、客席降り 嬉しかった♪

【作・演出】中村 暁

【主な配役】※ / 新人公演
タケヒコ
(邪馬台国の戦士)  明日海 りお/飛龍 つかさ

ヒミコ(マナ)
(邪馬台国の女王)  仙名 彩世/華 優希

クコチヒコ
(狗奴国の将)          芹香 斗亜/聖乃 あすか

《巫女》
大巫女           美穂 圭子/音 くり寿

ヒビカ        芽吹 幸奈/雛 リリカ
サオト        白姫 あかり/若草 萌香
イズ            鞠花 ゆめ/凛乃 しづか
イトセ        菜那 くらら/夏葉 ことり
ヒイラギ    美花 梨乃/凜香 百音
チヌ            新菜 かほ/鈴美梛 なつ紀
ウツツ        紗愛 せいら/ *
カグラ        真鳳 つぐみ/ *
イサラギ    乙羽 映見/*

《邪馬台国》
李淵(タケヒコの師匠)     高翔 みず希/峰果 とわ

アケヒ(ヤマタイ王の娘) 花野 じゅりあ/春妃 うらら
ヤマタイ王                     羽立 光来/翼 杏寿
ナシメ(邪馬台の臣)      天真 みちる/澄月 菜音
カヌハ(アケヒの侍女) 梅咲 衣舞/茉玲 さや那
イヨ (ヒミコの侍女)     音 くり寿/三空 凜花

アシラ (兵の長)     鳳月 杏/亜蓮 冬馬
ツブラメ (兵士)     水美 舞斗/紅羽 真希
フルドリ (兵士)     柚香 光/帆純 まひろ
ユズリハ (兵士)     優波 慧/一之瀬 航季
サザレ (兵士)         矢吹 世奈/和 礼彩
イサカ (女兵士)     城妃 美伶/舞空 瞳
イヤサコ (兵士)     紅羽 真希/侑輝 大弥
カムイ (兵士)         綺城 ひか理/愛乃 一真

少年タケヒコ         華 優希/咲乃 深音

《狗奴国》
ヒミクコ(狗奴王)   星条 海斗/矢吹 世奈

イスルギ (兵士)      飛龍 つかさ/高峰 潤
タタラ (兵士)          亜蓮 冬馬/泉 まいら
スサリ (兵士)          帆純 まひろ/芹尚 英

《倭国連合の王ズ》
伊都王           夕霧 らい/碧宮 るか
奴王               瀬戸 かずや/綺城 ひか理
一支王           冴月 瑠那/春矢 祐璃
不弥王           航琉 ひびき/龍季 澪
末盧王           舞月 なぎさ/涼香 希南
投馬王           和海 しょう/侑輝 大弥

《村の娘》
フルヒ        桜咲 彩花/城妃 美伶
ハナヒ        華雅 りりか/若草 萌香
トヨ            朝月 希和/糸月 雪羽
ウズメ        更紗 那知/凛乃 しづか
カナ            春妃 うらら/咲乃 深音


《ストーリー》
数多くの小国が乱立していた古代日本。
中でも、勢力拡大していた倭国(ワコク)連合の中心・邪馬台国と、対立する狗奴国(クナコク)は幾度となく戦を繰り返していた。
幼い頃に両親を狗奴国の兵に殺され、李淵の元で闘う術を身に着けたタケヒコは、ある時、狗奴の兵に襲われていたマナという娘を助ける。神の声を聞くというマナは “私達は遠い昔に出逢い、もう一度めぐり逢うと誓った” と告げる。
平和を守る為に邪馬台国の巫女になるというマナの言葉を受け、タケヒコも邪馬台国の兵士となる決意をするのだった。
やがて大巫女の位を受けたマナは、邪馬台国の女王ヒミコとなる。手の届かぬ存在となったマナに思いを馳せるタケヒコ。
ある出来事をきっかけに、二人は再び相見えることとなる……。
(公式をちょっと加工)



物語の舞台は、古代日本。
なので、"みずら" という髪型を想像していたのだけど さすがに違ってて、皆さんロングヘアーをなびかせ、美しかった。
天真みちるくんがロングヘアーの耳元に小っちゃく みずらっぽいの結ってたかな。

ちなみに↓左の髪型が "みずら"。

可愛いけど、カッコつかんわなw
(画像は『あらしのよるに』お借りしました。 めい:尾上松也くん、がぶ:中村獅童さん)

そして お衣装キラッキラで、兵士は超絶イケメン揃い、巫女は美女揃いという、ビジュアル最強レベルの古代日本。
ロマンス、友情、陰謀が入り乱れつつもストーリーは わかりやすかった。

けど、わかりやす過ぎて、最後はタケヒコ大陸行くんだろうな、とか、兵士みんな死んじゃうんだろうな、とか。いろいろ先読めちゃう感じ。
更にタケヒコとヒミコがそれほど燃え上がってる様子も無くて、イマイチ盛り上がりに欠けるような気がする。

ヒミコの予言どおり「全てが闇に包まれる」場面 (日食?)、客席までも神秘的な照明で スペクタクル。壮大で、とても綺麗だった。
太鼓、笛など和楽器を使った曲もあり、巫女や兵士のダンスシーンも多くて、全体的に ちょっとショー的な印象も。
あ、ショーだと思えば すごい見応えです。


タケヒコの みりおちゃん(明日海りお)。
山奥育ちのはずなのに もっさり感は皆無。強くて優しくて美しくて、とにかく一目惚れされるモテ男w
棒術で戦う時、長い棒を持ってるのに とてもスムーズな動きで見惚れた。
でも、ヒミコを思い続ける過程も、ラストの別れも、イマイチ切なさ感じられず。
どことなくサラリとした雰囲気が みりおちゃんらしいと言えば そうなんだけど、何かこう、熱っぽさみたいなのが物足りない。
ま、みりおちゃんに関しては いつもそう思うので、これが みりおちゃんの持ち味なんだろね。(私の好みの問題でもあり)
少年時代 (華優希)から みりおちゃんに変わる場面、『ベルばら』みたいでw笑いが起きてましたw
「アッという間に大きくなったのぅ」という師匠のセリフも笑わせ効果絶大。


ヒミコ(マナ)は、新トップとなった ゆきちゃん こと仙名彩世ちゃん。
ヒミコは、凛とした女王ではなくて フツーの女の子っぽい。にしても「何を、どうしたい」という意志があるのか無いのか?何もかもが中途半端な印象のキャラクター。これは役作りと言うよりは、脚本の書き込み方が足りないのかな?
ゆきちゃん本人に関しては、歌が上手くて可愛くて実力派という印象があり、なんならもっと早くヒロインしても良かったのに、と。
新公では一花ちゃん(桜一花)の役をよくやってた(ような気がする)し、研9? 遅咲きのトップ就任だけあって
さすがに落ち着きあるし (ちょっとアニメ声だけどw)、みりおちゃんとの並びも良いし(少なくとも花乃ちゃんよりは)、オトナの花組を作っていけるのではないかな。
学年的に短期と予想するので、良い作品に恵まれると良いなぁと思います。


狗奴国の将クコチヒコは、お目当ての キキちゃん(芹香斗亜)。
登場場面で名乗る「クナコクのヒミクコ様にお仕えするクコチヒコだ」←よくぞ噛まずにw
黒髪なびかせ、長ランか特攻服のようなズドンとした黒い衣装も、長身に映えて お似合い。ホント、カッコいいー!
主人公の敵ではあるけれど、単なる悪役ではないよね? あくまでも国の為、王の為、という硬派なキャラ設定で、しっかりと「己の正義」を感じるあたり、ホレるわ。
こんな役が映えるなんて、キキちゃん、すごくスケールがデカくなったような。
オンナをめぐる三角関係とかいう わかりやすい悪役設定にしなかった中村センセイ、グッジョブです。


そんなクコチヒコが仕える 狗奴王ヒミクコ は、専科から参加のマギー (星条海斗)。
専科に異動してから、圧を感じさせる役柄が板についてきたと言うか、存在感が際立ってきたと言うか。
ヒトが喋ってても前を見据えて 冷静に命令を下すとか、狗奴国の為に、と常に頭の中で計算してそうで
もうね、ヒミコ絶対に負けるから!邪馬台国、侵略されるから!と思っちゃったよねw
マギーの あのグレーがかった瞳の色、反則だなぁ~


で、悪役っつったらコイツ→ 奴王、あきら (瀬戸かずや)。
王ズ の中でも 金ピカ衣装で ひときわゴージャス。だけど、腹黒感ダダ漏れ。 何故 周りのヒトがコイツの本心に気付かないのか不思議なほどw
一緒に陰謀企てる じゅりあ演じるアケヒとの並びも綺麗で、た、たまらん。


こうやって見ると、この作品は 敵役、悪役が けっこう充実している。
悪役好きなワタシ的には、それだけで好きになりそう。


そして邪馬台国の兵士ズは、
兵士長の ちなっちゃん(鳳月杏)、ちょっとモッタイナイ使われ方じゃないですか? これといった見せ場も無いし……
ただ、兵士たちの長という統率力ありそうなキャラは、ちなっちゃんに合っているとは思う。
個人的には キキちゃんとの並びを見れなくて (対立国だなんて(涙)) サビシかった。

その他の邪馬台国兵士たち、マイティー(水美舞斗)、れいちゃん(柚香光)、それに紅一点の美伶ちゃん。
兵士とは、もはや見て楽しむものなのか。邪馬台国の兵士、ビジュアル偏差値 高いよね? 「容姿端麗」基準になってるよね?w
「俺たち、もう仲間だ」と友情深める時点で  死ぬフラグ立ってて、クライマックスでタケヒコの為に皆殺しだな~と早々に予測ついていたのに
声出せない設定の ツブラメ マイティーの「立て!立ち上がれーー!!」で うっかり泣いちゃったわwww

それにしても、マイティーと れいちゃんのスラッとした並び、良いねぇ。
幼い頃にツブラメがフルドリを助けたという劇中のエピソードに、この二人が95期の同期という現実がリンクする。
他組を見ても、95期は男役も娘役も粒揃いだな。


もったいなかったのは、大巫女の美穂圭子ねえさん。
若きヒミコの側で託宣したり 助言したり、折に触れて歌ったりするのだろうと思っていたら、あっさり引退してしまった。
その後、どこか出てたんかな?(←パンフ買ってないので確認できず) せっかくの存在感、ムダにしないでほしい。
ヒミコが女王になる時のソロは圧巻でした。


村の娘フルヒの べーちゃん(桜咲彩花)。
ちょっと 取って付けたような役にも感じられ、もっと貫禄ある役でも良さそう。うーん。アケヒ役で観たかったかも。
でも目がパッチリしてて可愛かった。


とにかくビジュアル、歌、ダンスは 魅力全開。って思うぐらい良い。あと、悪役とw
ただ、肝心の物語が表面的な流れだけで細部が作り込まれていない感。特にヒミコがハッキリしない印象で、イマイチ説得力ない。
タケヒコとヒミコがもっと熱烈に惹かれ合ってないと主軸がボヤける。グッと惹き込まれるモノが欲しいなぁ。
ま、最初にも書いたけど、ショー的な作品だと思えば 見応えあります。



で、実際のショーのほうは。


レビュー・ファンタスティーク
『Santé!!』~最高級ワインをあなたに~

【作・演出】藤井 大介

【解説】
『Santé!!』とは、フランス語で「乾杯!!」の意。
様々な夢や愛、ロマンが詰まった街パリを舞台に“ワインを飲んで見る数々の夢”がテーマ。

で、開始早々、男役の女装 (女役)で驚くw
キキちゃん、あきら、ちなっちゃん、マイティー、れいちゃん。
いや、そりゃもう、ちゃんと美女で。ゴージャスでした。

その他の場面でも男役の女装、いや、女役がチラホラ。
天真みちるちゃんと誰か (名前がわからん) わりと大柄なレディーも いたなw
終盤には みりおちゃんもセクシーなドレス着てて、男前なキキちゃんとの並びに萌えw この二人で『覇王別姫』やってもらいたい。

白いチュチュを着て、背中に翼をつけた天使が四人。
ちょっとオトメチックな演出で、微妙に気恥ずかしさが。(私が恥ずかしがって どうするw)

そうそう、お客さんが何人もワイングラスを買ってて、公演の記念グッズかなぁなんて思っていたら
客席降りで花組生たちが「乾杯!」してくれるのね! ちゃんと予習してなかった私はグラス持ってなくて、グータッチになっちゃったけど(笑)(笑)
↓興味ある方はキャトルでご準備を↓


れいちゃんが真ん中に入ったロケット、ちょっとコミカルで面白かった。

圭子ねえさんとマギーの場面が、泣ける。
あのアダルトな雰囲気、この二人ならではの場面だなぁ~と。
ピアノ、生で弾いてたらカッコいいのになぁ~と思ったけど、それは高望みっつーもんでしょうねw (ピアニスト役は誰だったか?)

個人的には、黒燕尾の「乾杯」が、チャーリー(匠ひびき)退団公演を思い出して切なかった。
トップ若返りの為に一作退団を余儀なくされた曰く付きの公演の、あの思い出の場面をこんな風に使うんだ……的な。
きっと現花組生たちが気持ちを込めて踊っていると思うので、イヤではないけどね。

デュエダンは綺麗だったけど、リフトが低いなぁ……と思ってしまった。(1回転だけだった星組よりは全然 上出来)
キキちゃんのソロは素晴らしかったです。

和海しょうくんのソロも良かったし、くりすちゃんも言わずもがな。花組はホント、歌ウマ揃いだな。

ダンスも良いし、全体的に 見応え、聴き応えのあるショー。
ゴールド基調にワインレッドがアクセント、というデーハーな衣装で普通でも眩しいのに
キキちゃんなんかアタマも金髪だったから全身ゴールドで、もう、目がッ!目がヤラレるッ!!(笑)(笑)


そして ここ何年か……いつ頃からか、
宝塚のキラキラしたステージや 華やかな笑顔を見ていると、じんわり泣けてくるようになりました。
キラキラしてて、あぁ幸せだなぁ、と。。。やっぱトシのせいですかね?w


花組、次回の大劇場公演は2018年1月からの『ポーの一族』
"永遠の少年" を みりおちゃんが演じるのか?あの世界観をどれだけ再現できるのか?楽しみでもあり、不安でもあり…。
ビジュアルは全く心配してないけど。



そしてこの日は、どういうわけか宙組バウホール公演も奇跡的にチケット取れたので、『パーシャルタイムトラベル 時空の果てに』も観て帰りました。
感想は後ほど。