【鑑賞記録#39】宝塚宙組 『黒蜥蜴』『Diamond IMPULSE』で補聴システム徹底解説!
先日、東京宝塚劇場に新しく導入された「補聴システム」を使い、宙組公演『黒蜥蜴』『Diamond IMPULSE』を観劇してきました! 「補聴システム」は、聞き取りにくい音をクリアに届ける機器で、どなたでも利用できます。 私の場合は、普段はモヤモヤ〜としか届かない音の明瞭度が格段に変わり、声の美しさや語尾の変化など、音声を演技の一部として感じられたことが、一番大きいかもしれません。(普段は、殆ど感じられてません。視覚情報がすべてです) 最初に使ったときは、「隣の席で話してくれているのでは…」と思ってしまったほど(笑)舞台の音がクリアに、かつダイレクトに伝わるので、驚きました。作品もショーも素晴らしくなり、宝塚の新境地を体感するような感動的な時間でした…! 宙組公演 『黒蜥蜴』『Diamond IMPULSE(ダイヤモンド インパルス)』 特に、少しセリフや歌詞が聞き取りにくいなぁ…と感じている方には、心からお勧めしたいです。 今回は、実際に使ってみて分かった、補聴システム利用のコツを共有してみたいと思います。 ※補聴システムに対する感想は、人それぞれ異なります。一つの例としてご覧頂けたら嬉しいです。 https://kageki.hankyu.co.jp/sp/barrierfree/beginner02.html 視覚・聴覚障がいのあるお客様へのご案内 | 宝塚歌劇公式ホームページ宝塚歌劇の各劇場には、多様なお客様が安⼼してご来場・ご観劇いただけるよう様々な設備やサービスがございます。このページでは、施設の状況やサービスについてご案内しています。kageki.hankyu.co.jp 補聴システムの利用手順 ①1階のカウンターで受信機を借りる(事前予約不要) 劇場カウンターで「補聴システムを利用したい旨」と 「Tコイル機能付き補聴器で利用する」 または 「ヘッドホンを使う」か伝えます。 私は補聴器のTコイル機能を使って、補聴器にダイレクトに音を伝える方法で利用しました。 利用料金:障害者手帳をお持ちの方=無料/お持ちでない方=500円 保証料:5,000円(現金のみ・返却時に全額返金) ② 客席で 補聴器のTコイルをONにする ※ヘッドホンを利用される方は④へ。 客席に着いたら、補聴器をTコイルに切り替えます。 Tコイルの設定方法が分からない方は、事前に補聴器店へご相談しておくと安心です。 ③ フックを装着する 写真右側に写っている肌色のフック( シルエットインダクター)を、耳に引っ掛けます。 ④接続確認 受信機の音量ボタンを押すと、「ピッ」と音が聞こえてくるので、ここで無事に接続ができたか確認できます。 ⑤ 雑音が出たら受信精度を調整 使い始めに「ザザッ」と雑音が入ることがあります。受信機を少し持ち上げて軽く振ると、電波を拾いやすくなります。 (貸出時の案内資料にも記載あり) 実際に使ってみた感想と聞こえ方のリアル 開演後、音に慣れるまでに数分かかりました。今まで入ってこなかった音が入ってくるので、その音に慣れる必要があるのかも。 最初は音が不自然な気がしましたが、脳が音に慣れてくると、自然に感じられるようになりました。 個人的には以下のように感じました。 良かった点:とにかく、セリフの聞き取りやすさが格段に上がる。体感で1割→7割ぐらいまで上がる印象!!!さらに、声のトーンや、語尾の変化、ニュアンスも伝わりやすくなった。 注意点:重度難聴の私は、すべての音声を完璧に聞き取ることは難しかった(文字情報も併用)聞こえ方には個人差があり、誰もがよい形で利用できるわけではない。 さらに音をクリアにする方法 初期状態では、「自分の周りの音」と、「補聴システムの音(舞台上の音)の両方を聞いていました。そのため、不明瞭な周りの音も耳に入ってきます。 そこで、周りの音をカットして、補聴システムの音だけを伝えるように設定。 すると、セリフがさらに聞き取りやすくなりました。 この設定はスマートフォンの補聴器アプリで行いました。ご参考までに、リサウンド製の補聴器アプリの設定例を共有します。 <アプリ画面> 通常時:補聴システムの音(舞台上の音)と周囲の音の両方が入る状態になっています。 (隣の人の声も聞こえる)。 設定変更:アプリ画面の一番左にあるスピーカーのマーク📢を押し、周囲の音量をオフにする。 舞台上の音のみが届くようになります。 周囲の音を消すメリット:演者のセリフがさらに聞き取りやすくなる、音が二重に聞こえることがなくなる デメリット:同伴者の声が入らないので会話ができない、拍手や小さな足音などマイクに入らない音は届きにくい、音楽の迫力がやや減る。 デメリットはいくつかありますが、セリフの聞き取りやすさが劇的に変わるため、個人的には、周囲の音はカットしています。 アプリを使うと、高い音を小さくするといった設定も可能です。私はそこまでしてませんが、高い音がキンキンして耳に刺さる、などの困りごとがあれば設定してみるといいかも! 課題は音楽です。個人的には音楽は補聴器で聴いたほうが、音の幅や迫力が感じられるのですよね…。 でも台詞や歌の聞き取りを優先して補聴システムの音のみ聞いています。 劇場の補聴システムについて 現在、東京宝塚劇場で導入されているのは「FM方式」で、客席のどの位置からでも利用可能です。どこでも利用できるのは大きなメリットです。 昔は「ヒアリングループ」という方式が多く利用されていましたが、敷設に手間がかかり、利用エリアが限定されるという課題がありました。 そして今は、「オーラキャスト(Auracast)」という新しい技術の普及が、少しずつ始まっています。 こちらはもっと良い音を届けることができるそう!(聴者の方も、音の素晴らしさに感動していました) 宝塚のほかにも、東京芸術劇場や、歌舞伎町シアターミラノ座、神奈川芸術劇場などさまざまな劇場で補聴システムを利用することができます。 東京都では、福祉のまちづくり条例があるため、比較的新しい劇場には補聴システムが備わっています。 アクセシビリティの選択肢の一つとして、劇場で、より良い音を伝える環境が広がっていくのはとても嬉しいですね。 劇場や主催者が積極的に利用、告知していくことで、観劇しやすさが向上していくことを願っています。