ゆうきの話 -103ページ目

夢13

ジャングルの木が無限に成長を続けている。
その先が雲の上にまで到達しており、雲の上にあると言う街にまで繋がっているはずである。
水晶の町を後にして、気をよじ登り、雲の町を目指す。
何時間登っただろうか、気が付くと、水晶の街が米粒のように見えるほどにまで登ってきた。
上空には強い風が吹いている。
木がゆらゆらと風に揺れる。
突然突風が吹いたかと思うと、体が木から飛ばされた。
もう少しでくもの町と言うところで、風に飛ばされて落ちてしまった。
落ちてはいるのだが、なぜかいつまで経っても地面につかない。
よく見ると地面も一緒にどこかに落ちているようだ。
地面も一緒に落ちているのなら、自分が地面に落ちることも無い。
しかし自分よりも地面が先に着地してしまったら、その地面に自分がぶつかって痛い思いをするのではないか。
そんな不安がよぎったので、地面がどこかに着地する前に何とかしようと考えた。
こんな時に空を飛べれば、と思った時、自分が空を飛べたことを思い出した。
そして、跳ぶと心の中に念じると、簡単に空を飛ぶことが出来た。
飛んでその場で静止すると、地面はどこかに落ち続けているので、結果的に自分がドンドン地面から上昇しているような形になった。
雲を突き抜けたあたりで、地面がどこかに着地したらしく、地面の落下が止まった。
するとちょうど雲の上の町の真ん中で自分か浮かんでいた。
ゆっくりと雲の上に着陸すると、雲の上を歩き始める。
雲の街、地面が雲で出来ていて、歩くとふかふかする。
建物自体は不普通の硬い金属や石で出来ているようで、どうやったらこんなに重い物が雲の上に建っていられるのかがよくわからないが、雲の街の住人にとって

はそんなことはおそらくどうでも良い事に違いない。
この町の住人は、みんな穏やかで、ゆっくりと歩く。
何も考えていないかのような、ふわふわした感じである。
雲の街に住んでいるうちに、心の中の重く固まった物が雲のようにふわふわしたものに入れ替わっていくのかもしれない。
こんな場所にしばらくいたら、もう地上になんて戻りたくなくなるに違いない、そんな気がした。
町のメインストリートを歩いていると、道の端で何かを売っている人を見かけた。
何を売ってているのかと近寄ってみると、それは雲を固めた「わたあめ」だった。
雲をシロップに漬けて一晩置くと、美味しいわたあめになるそうだ。
中でも西のはずれにある日の沈むところにある雲はわたあめの材料に最適で、この飴を買いに地上からも人が来るという。
始めてということでサービスで無料でわたあめをひとつもらえた。
口に入れると、まるで雲のように軽く、口の中に甘みが広がり、何の感触も無く消える。
心なしか体が軽くなった気がした。
雲の街はとても静かだ。
雲の下では風が吹き荒れていても、雲の上には雲は無く、風も吹かない。
常に日の光が降り注ぎ、音は天空に逃げるか雲に吸収されるので、自分の声もすぐにどこかに消えてしまうような感覚だ。
光と静寂が支配するまさに天の国と言うにふさわしい、おとぎの国か夢の国かのようである。
雲の街の住人の多くは、昔地上に住んでいて、雲の上に住みたいと夢を見ていた。
あるひ、一人の人間が雲の上に住んでみようと、飛行機を作って雲の上にまで飛んで見た。
そして雲の上に降り立つと、そこに一軒の家を建てて住み始めた。
それを見ていた人々が、徐々に雲の上に集まるようになって今の町が出来たという。
雲は水蒸気の塊なので上に乗ることなど出来ない、と言うのは地球での常識だが、ここの雲はただの水ではないらしい。
何で出来ているのかはわからないが、食べることも出来るし、浮くし柔らかいし上に乗れる。
こんな雲が簡単に自分で作れたら、好きなところに自分の空の島を作ってふわふわと暮らせるのに、と感じた。
そんなことを考えていたら、なんと、雲を作る機械と言うのがあるらしい。
「雲屋」そんな名前の店でそれは売っていた。
機械はいろいろな物があり、大きさも様々だ。
水を入れてスイッチを押すと、ノズルからくもがもくもくと沸いて出てくる。
そしてその雲は、厚みによってその高度を調整できるという。
紙の様に薄く延ばせば、地面すれすれに浮き、分厚く作れば、天高く浮き上がる。
そうして大きな町が丸ごと浮かぶくらいの雲が作られたという。
天然の雲ももちろん浮くが、気まぐれで、大きさや高さはまちまちだ。
だから、この町を含めて、大体の人の住む雲は人工的に作られているという。
天然の雲は、観光地になっている物が多く、入道雲、積乱雲は人気のスポットらしい。
そんな話を店の店主に聞いていると、その天然の積乱雲を見てみたいと思った。
積乱雲は、地上で言うところの山のようなもので、登山ならぬ登雲ができるという。
しかも、ふわふわとしていて、転げ落ちてもかすり傷ひとつ負わないので、ピクニック感覚で何千メートルもある雲にも気軽に登れるという。
日が沈み始めたので、今日はこの町で泊まることにして、翌日にその雲の山へと登ってみることにする。
夕日は雲に沈む。
雲の横にある空気が日の光を真っ赤に染めている。
太陽が沈み、空が紫色から漆黒へと変化する中、見た事も無いような無数の星が天を埋め尽くす。
地上よりもより近く、手に取れるのではないかと言うほどの距離に星があるように見える。
夜、雲の上を歩く。
すると、何かに頭をぶつけた。
よく見ると、それは星だった。
何と星は実際に手に届くほど近くにもあった。
住人の話によると、それは天の星に紛れてある空星と言うものだという。
星には2種類あって、天にある天星、この雲の街と同じくらいのところにある空星、これらの星が合わさって天の星座が作られているという。
空星は、星と言っても蛍くらいの大きさで、実際蛍のように自発的にとぶ。
そう考えてよく見ると天の星とは違う星が、蛍のように雲の街の夜の道を漂っている。
その星のひとつを手にとって見る。
遠目の見た目は蛍のようだが、手にとって見るとまん丸で、足や触覚や羽は無く、完全な球体だ。
それが、時々瞬きながら光り輝いている。
熱は全く感じず、手にとっても、暴れるでもなく、逃げるでもなく、そっと手の上に止まっている。
それをそっと離すと、またふわふわと空を漂い始めた。
いつも見ている星の中にも、こんな星も幾らか含まれているのかもしれない。
今日は蛍のような小さな星に囲まれながら雲のベットで眠った。


夢12

ジャングルの中には、いろいろな動物がいる。
しばらく歩いてゆくと、茂みの奥に黄色と黒のまだら模様の動物が一瞬見えた。
近づいてみてみると、それはヒョウだった。
地面に寝そべっている。
こちらの姿を見ても何も反応を示さない。
おそらく獲物として見ていないのか、それともおなかが空いていないのか。
恐る恐るヒョウに触れてみる。
それでもヒョウは特に反応を示さずに、ただごろごろしている。
いつまでもこうしているわけにもいかないので、その場を立ち去ろうとしたと、突然そのヒョウがしゃべりだした。
「このジャングルの奥に、水晶の街があるから一度行って見るといいよ」
そういうとそのヒョウはゆっくりと立ち上がってジャングルの奥に消えていった。
水晶の町と言う物がどんなものかはわからないが、どんなところか見てみよう。
ヒョウのいた場所から、僅かな道らしき痕跡が続いていた。
その痕跡を辿って奥に行くと、徐々に道がはっきりしてきた。
道の敷石には水晶が使われている。
きっとこの道を行けば水晶の町へと到着するはずだ。
そしてしばらく行くと、水晶で出来た建物が立ち並ぶ水晶の町へと到着した。
水晶の町なのだから、どこかに水晶の鉱山があるのかと思ったが、そのようなものはどこに見もあたらない。
道端を歩いていた老人に聞いてみたが、どうやら、ここでは水晶は植物に実として生るらしい。
だから山や地底深く掘り進むこともないという。
水晶の木がこの町の郊外に大量に植えられていて、そこから大量の水晶が取れるという。
ためしにその気を見てみることにした。
町外れには、見た目は極普通の木と変わらない木が生えている。
ただ普通の木と違うのは、その実が水晶であるという点だ。
ここの管理人の話によると、水晶の木から宇宙にあるすべての水晶が生まれたという。
地中深く埋まっている水晶も、もとはここのように木になっていた物が、長い年月の間に土に埋もれて岩石の中に閉じ込められたものだという。
しかし、ほとんどの水晶の木は滅んでしまって、ここのように大規模な水晶の木がなっている場所はほかにないという。
じつは、水晶のほかにも、ダイヤモンドやサファイアなども植物の実なのだそうだが、それらの植物は栽培は出来ないらしい。
少しこの町を歩いてみることにする。
そういえば、何となく不思議な感覚がする。
何と言うのか、夢の中と言うか、現実感がいまひとつない。
もしかしたらこの町そのものが幻想なのではないか、そんな気がしてきた。
そういえば、町の細かい箇所が見えない。
全体的な雰囲気を掴むことは出来るのだが、何となくもやもやしている。
これはひょっとして夢ではないのか、そんな気がするのだが、いまいちはっきりとしない。
試しに、自分の思い通りになるか、何か念じてみる。
「光あれ」
するとそこに光があった。
太陽のような光が天空に現れた。
ジャングルを強烈に照らして、植物が急速に成長をはじめる。
見た事も無い位に巨大化した植物がジャングルから街にまで伸びてきた。
そして、町の道の敷石に使われている水晶が芽を出してきた。
それが見る間に成長をしてゆき、街中はうっそうたるジャングルになってしまった。
家々から人々が出てきて、その状況に呆然としていたが、やがてその植物、木々を斧で切り倒し始めた。
切り倒した木を大きな木槌で叩いて粉々に砕く。
するとまるで小麦粉のように綺麗な粉になった。
それに水を加えてフライパンで焼くと、香ばしい香りが漂う。
どうやらこれがここの住人の主食のパンケーキらしい。
それをせっせと作っては、透明なガラスの瓶に詰め込んで封をする。
こうすれば何年でも保存が出来るという。
お土産にと、この瓶詰めのパンケーキをいくつか貰った。
道に生えた水晶の木は、あらかたパンケーにされて、またすっきりとした道に戻った。
それでもジャングルの木々は手を付けられることも無く成長を続けている。
「ひょっとしたら、雲の町にいけるかもしれない」
町の人がそんなことを言っていた。
そこで水晶の町を後にし、木をよじ登って雲の町に行く事にした。


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夢11

ジャングルの朝は、サルの鳴き声が合図で始まる。
それを聞いて鳥たちが鳴き出す。
虫たちは一晩中徹夜をしているらしく、もしかしたら眠ることをしないのかもしれない。
昨日の夜の空飛ぶ円盤は、あれから、いつの間にかに消えていていつどうやって消えたのか全く思い出せない。
体の一部に奇妙な傷跡があったら人体実験をされている証拠らしいが、そのようなものはとりあえず見当たらない。
きょうは、このジャングルの更なる奥地、そして何かを探して歩き続けることにする。
テントをたたんで出発の準備を済ませる。
するとテントを置いていた地面に小さな穴が開いているのに気が付いた。
昨日、テントを置く前にはこんな穴は無かったはずだ。
その穴は、ちょうどCDと同じくらいの大きさで、奥は何も見えない。
その穴を覗いていると、何とその穴に落ちてしまった。
どう考えても、人間の体が入るようには思えないが、どういうわけか落ちてしまった。
どれくらい落下しただろう。
何分も落ち続けていたが、やがて地面らしきところにふわりと着地した。
周りは真っ暗で何も見えなかったが、目が慣れてくると、周りがぼんやりと見えてきた。
そこは、全くの人工的な建造物で、最新のマンションの玄関のような感じだ。
地中なので、外に出る扉は無いが、上に通ずる穴が、出入り口の代わりのようでもある。
よく見ると、周りにも何人かの人間らしき生命体がいて、それぞれがそれぞれの行為をしている。
ポストに手紙を取りに来ているひと。
管理人と立ち話をしているひと。
掃除をしているひと。
そのほかにもボーっとしているひとも何人かいる。
何かを待っているかのようである。
すると、上の穴から、一人の元気のいい男性が落ちてきた。
「皆さん、お待たせしました、ただいまから物件案内を行います」
どうやら、このマンションらしき物件を案内する不動産屋らしい。
そして、ここにいる人間は、物件を見学に来た人たちらしい。
私もどうやらその一員に組み込まれているらしく、面白そうなので一緒について行ってみる事にした。
「それでは、エレベータにお乗りください」
マンション玄関の奥に大きなエレベータがあり、50人は乗り込める大きなものだ。
それに皆が乗り込み、エレベータで56階まで行く。
「ここがワンルームです」
不動産屋がその階の扉のひとつを開けた。
キッチン、バス、トイレ、一通りは付いているが、何やら妙に細長い。
幅は2メートルもなく、奥行きが6メートルくらいの細長いへやだ。
「この部屋は、エレベータを設置した時に出来た空きスペースを活用した部屋で家賃は月に2000円です」
たしかに安いが、寝返りを打つのも大変そうである。
それにしても、エレベータを設置した時の空きスペースと言うのがいまいちよくわからない。
しかし、その説明を聞いていた誰もが何の疑問も持っていないようだ。
「続きましては宝探しゲームです」
突然宝探しゲームが始まった。
この56階にある部屋の中のひとつになにか景品が隠されているらしく、それを制限時間内に探し出すともらえるらしい。
何が隠されているかはわからないが、これは面白い企画だ。
家の隅々まで見れるし、景品までもらえるかもしれないのだから、どこぞの不動産会社もやればいいのに、と思った。
皆が一斉に散らばって、おのおのが別々の部屋の中には言っていった。
わたしは、エレベータから一番遠い部屋を選んだ。
中は、極普通の部屋に見える。
ただ、唯一普通の部屋と違うのは、窓が無いという点である。
地中なので仕方が無いが、これは長く生活するうえでは結構大変だろうと思った。
しかし、不動産屋の説明によると、壁前面がディスプレイになっていて、あらゆる映像を映し出すことが出来るので圧迫感は無いという。
換気面でも、壁全面が空気を通すようになっていて、大草原の真ん中に立っているかのようであるという。
確かに何となく清清しい。
設定によっては風を吹かせることも出来、そよ風を部屋の中に通すことも出来る。
こんな部屋なら住んでもいいかな、そんな気持ちになった。
しかし今は景品である。
この部屋の中にあるかどうかは判らないが、とにかく部屋中を探し回る。
据付の箪笥などもあり、その中もくまなく調べてみるが、景品どころかゴミひとつない。
やはり無いのか、そうあきらめかけた時、壁の一部に微妙な歪みがあるのに気が付いた。
全体はマッ平らの壁だが、その部分だけ少しくぼんでいる。
その部分を触ってみると、その部分の壁が消えて、中に小さな棚が現れた。
そこに、「粗品」と書かれた箱が入っていた。
「おめでとうございます」
不動産屋が言った。
中身はと言うと、小さな人形だった。
人間では無く、二足歩行をする、人間のような外見を持った生き物の人形で、銀色の金属で出来ている。
非常に軽く、プラスチックよりも軽い感じだ。
その生物は、空を見上げている。
とてもよくできているので、家にでも持って帰って飾ろうと思う。
「今日の見学会はここまでです」
もしここに住みたければ、後日実連絡をくれとの事だ。
私は旅を続けるが、いずれ、こんなところに住むのも面白いかもしれない。
マンションの玄関まで行き、落ちてきた穴の真下に立つと、地上へと吸い出されるようにして一瞬で移動できた。
もしかしたら、地上にはジャングルしかないが、地下にはこのような感じで広大な都市が広がっているのかもしれない。
今度は地面に気をつけながらジャングルを歩いてみよう。



夢10

焚き火を炊く。
満天の星空に炎の粉を散らしながら、星と火の粉が混ざり合って銀河がより美しくきらめく。
テントを張り、火をおこし、なべで豆と干し肉を煮込んだやつを食べる。
地面に敷かれた円形の石ころを横に、天を仰ぎ寝そべる。
宇宙人は果たしてどんな格好をしているのだろうか、空飛ぶ円盤は実在するのか。
そんなことを漠然と考えながら、時折流れる流星に目を奪われつつ、銀河の海に目を泳がせていた。
どれくらい経っただろうか。
幾つもの流れ星を数えて、そろそろ眠くもなってきた、そんなまどろみの時に、それは現れた。
まさに絵に描いたような空飛ぶ円盤である。
皿の上に茶碗をひっくり返して、半分に切った電球を沢山貼り付けた感じのやつだ。
それが東の空からゆっくりとこちらに向かって飛んでくる。
全く音はせず、全く飛行にブレが無い。
それでいて非常に低速で、どうやって飛んでいるのかわからない。
あえて言うのならば、飛びたいという意思で飛んでいる、とでも言えばよいだろうか。
重力制御しているというもっぱらの噂だが、もしかしたら、円盤そのものが生命体で、その意志の力で飛んだり光ったりしているのかもしれない。
海底に住む深海の奇妙な生物たちのことをふと思い出した。
その円盤が今、頭上に静止している。
ちょうど円形の石ころの真上にピッタリと止まっている。
何の音もしていなかったが、少し経ったころから、ごく小さなハミングのような音が聞こえてきた。
メロディなどは無く、単音が鳴り続けている。
私は絶対音感を持っていないので、その音がどの音階なのかはわからない、何を意味しているのかもわからない。
もしかしたら単なる機械の動作音なのかもしれないが、未知のものはすべてが不思議である。
もしかしたら、宇宙人が出てくるかもしれない。
そんな期待を胸に、しばし円盤を見上げる。
回転運動をする円盤もあるらしいが、これは全く回っていない。
ただひたすらに空中に止まっている。
まるで何かで空に固定しているかのようだ。
流れ星が、空飛ぶ円盤の上をまたいで流れる。
それを待っていたかのように、円盤がゆっくりと地面に降りてきた。
静に地面に接地する。
その瞬間、あたり一面が猛烈な光の洪水に飲み込まれたかと思うと、私は何も無い場所に立っていた。
一応、地面らしき物があり、完璧に磨かれたガラスのようなものと言う表現が一番近い。
全体が白い光に包まれており、特定の光源と言うものは見当たらない。
あたり一面を見渡しても、何も見えない。
何の音もしないし、何の匂いもしないし、寒さ暑さも何も感じない。
光と床の僅かな感触、それ以外何も無い。
ここはどこなんだろう、そんな素朴な感想が頭をよぎる。
しかしそれに対する回答はどこにも無い。
何も無い、ありとあらゆる物が無い。
タブンここには宇宙が無い、もしかしたら宇宙の外なのかもしれないし、宇宙の始まる前なのかもしれない。
空飛ぶ円盤に乗った知的生命体の住む世界なのかもしれない。
そのどれとも断定できない。
しかし、どこかからきたのだから、どこかからここから出られるはずではある。
ここには何も無い、だからここにいても意味が無い。
しかし、どこにも何も無いのだから、どこに行くことも出来ない。
あるいても、歩いたという事実がどこにも残らないし、それが何の意味もなさない。
目を閉じてみる。
目を開いても何も無いのだから、目を閉じて心を澄ませてじっと感じてみる。
何か見える。
さっきまでいたジャングルだ。
そこに意識を移動させてみる。
さわやかな風、草木の匂い。
目を開くと、さっきまでいたジャングルの、空き地のキャンプの場所に立っていた。
空飛ぶ円盤は、空き地の上に浮かんでいた。
きっとあの何も無い世界は宇宙人の世界で、人間には感じることの出来ない、違う次元の世界なのだろうと、何となく感じた。
しかしそれに対する解答はなく、ただ焚き火の薪がはぜていた。


夢9

宇宙は広い。
想像できることはすべてここにある気がする。
宇宙が無限ならば、時間も無限であろうから、つまり、すべての瞬間は無限に存在し、今のこの瞬間も無限に繰り返されるはずだ。
無限であると言うことは、その中にあらゆる有限が無限に含まれているということを意味する。
今のこの瞬間も無限の中では無限に繰り返される。
宇宙が生まれ、崩壊し、また生まれる。
このサイクルも、無限の中ではごく瞬間的な出来ことでしかなく、無限に繰り返される。
この宇宙と原子一粒だけが違う宇宙が、無限の中にならば、無限に存在する。
この宇宙の旅も、一体何回目なのだろうか。
すでに、同じことをした自分が、過去にも未来にも無限に存在する。
無限の過去を見通せれば、無限の未来を、一瞬の先の事も、すべてを知ることが出来る。
しかし私には何もわからない。
私にはこの一瞬先の事もわからない。
すでに数え切れないほど同じたびを繰り返しているはずなのに、すべてが始めて見るものばかりで、触れるものばかりである。
ひとつ前の自分も、これと同じことを思ったのだろうか。
無限に繰り返す旅の中、私は永遠に変わりの無い存在なのだろうか。
それとも少しずつ何かが変わっていっているのだろうか。
無限の繰り返しの中で、何かひと欠片の組み合わせが違いはしないのか。
ひとつ昔の旅人の自分と、今の自分、次の旅人の自分と、ひと欠片の違いがあるのならば、無限の中に生きる中で少しずつ、無限の時間を掛けて今の自分とは

違う存在へと進むことが出来るのではないか。
その違いが無限の時空に光を差し込み、新たなる存在、瞬間へと導いてくれるのではなかろうか。
銀河を静かに進む船の上、天空の星星を眺めながらそんなことを夢想していた。
宇宙はいくら見ていても飽きない。
銀河ひとつにも数千億の光る星があり、そのすべてがユニークな存在である。
その星一つ一つに地球のような星が幾つも回っていて、そこに生命が生まれている。
そう考えると、すべての星を回ってみたくなる。
無限の繰り返しの命の中で、きっといずれはすべての星星を周りきる事ができるだろう。
そのまず手始めに、青く輝く星に向かって船を進める。
どれくらい進んだだろうか、気が付くと、青く輝く星の目前へとたどり着いていた。
真っ青な星、地球によく似ているが、地上の部分が全く違う。
植物らしき物が地上を覆い、それ以外には何も見えない。
人間のような知的生命体が存在しないのかもしれない。
それでもとにかくこの星に降り立ってみる。
まずは一番目立つ大きな大陸の海辺に向かった。
海辺は、地球のそれによくにている。
しかも、人間の手が全く加わっていない、完全な自然だ。
鳥の鳴き声、虫の声、いろいろな音が響いていて、地球のジャングルの中にいるようだ。
砂浜から船を降り、少しジャングルの中に入ってみる。
草木をかき分け、中に入ると、何か獣道のようなものを見つけた。
その道を進むことにする。
しばらく道を行くと、少し開けた場所に出た。
太陽の光が差し込む。
そして、その開けた場所の真ん中に、円形に並べられた石ころがあった。
特に何の変哲も無い、ただの石ころだが、その周りには不思議と草木が生えていない。
何か特別な力が、そこにあるかのようである。
こんなところでは空飛ぶ円盤がよく見える、などと言う話を聞いたことがあるが、果たしてここにはくるのだろうか。
円盤見たさに今日はここでキャンプを張ることにした。
キャンプ道具はと言うと、なぜか背中に背負っていた。
最初から背負っていた気もするし、背負っていなかった気もする。
細かいことが気にならないほど、このジャングル、この空き地は清清しい。
そしてまた、夕暮れ時、空は燃えるような夕焼けに、しばし見とれるばかりだった。

夢8

空は広い。
行けども行けども目的の星に到着しない。
何日すすんだだろうか、もはや数えることも忘れてしまった。
しかし、日に日に星空の景色は変化しており、どこかへと動いているという感覚はある。
そんな中、行く手に小さな島がぽかんと浮かんでいた。
その島は、周囲を透明のシャボン玉のようなもので囲まれていて、その中では鳥が飛んでいたりする。
中にはいるには、そのシャボンのようなものを通り抜けなくてはならないが、船がそれに触れても、割れることなく、すんなりと中に入ることが出来た。
目的の星にはいつになれば到着するかはわからないが、ここら辺で少し寄り道をしても良いだろう。
この島は、全体を深い森で覆われていて、動物も沢山居るようで、鳴き声があちこちから聞こえる。
空には幾種類かの鳥が飛んでいる。
見たことはあるが、名前の知れない鳥が自由に飛びまわっている。
くちばしが金色に輝く鳥、七色の羽を持つ鳥、宝石のような目を持つ鳥、炎のような羽毛に覆われた鳥、見た事も無い鳥が見て取れる。
鳥を見ていると、森の奥から人間の声が聞こえてきた。
「飴玉はいらないかい」
ささやく様な子供の声で、飴を売っているようだ。
船を下り、声のするほうへ行ってみる。
森の奥に、気の切り株の上に色とりどりの飴玉を並べて売っている一人の子供がいた。
「飴玉はいらないかい」
そういうと、切り株の上の飴玉のひとつを取り上げて言った。
「この飴玉は世界中のお菓子すべてと同じ味がするんだよ」
見た目は真っ青な、しかしそれ以外は何の変哲も無い飴玉だ。
幾らかと聞くと、お金では売らない、と言う。
きっと旅の途中で拾った物があるはずだから、それと交換しよう、と言ってきた。
たしかに、砂漠の真ん中で七色に輝く石ころを拾った覚えがあり、ポケットに手を入れるとそれがある。
それとなら交換してくれるというので、それと飴玉を交換した。
「飴玉をなめたいと思えばどこにでもいつでも行くからね」
子供はこの森の中、この島を操縦して宇宙を旅しながら、旅人に飴玉を売って歩いているのだという。
だから、旅人がこの森のことを思えば、そこへいつでも出向くのだという。
宇宙には不思議なこともあるものだ、そんなことを考えながらその島を後にする。
飴玉売りの島を後にしてしばらくすると、船の中に島の森の中にいた小鳥が入り込んでいるのに気が付いた。
青空のような青い羽、サファイアのような青いクチバシ、そして、金管楽器のような澄んだ鳴き声、旅の共には申し分ない。
小鳥はかごに入れずとも、逃げもせず、この船のあちこちに飛び跳ねては遊んでいる。
どうやらこの船が気に入ったようだ。
この鳥は不思議で、何も食べないし、眠りもしない。
時々空に向かってさえずっては流れ星を呼んでいる。
この鳥が鳴くと流れ星が流れる。
そして、そのかけらが甲板に飛び込んでは様々なモノを船にもたらす。
無限に沸く泉の固まり、光よりも明るい光の固まり、中からいくらでもボーロが出てくる不思議なつぼ、挙げればきりが無い。
次はいつ鳴くのだろうと楽しみになりつつある。
目的地への果てしも無い旅、すばらしい旅の友が、楽しみが生まれた。


天地崩壊

昨日、突然、宇宙が崩壊する妄想に取り付かれかけた。

超新星爆発のような物がきっかけとなり、宇宙全体が瞬間的に消滅してしまうという妄想である。

もちろん科学的な根拠は全くなく、荒唐無稽な妄想だということは承知しているが、そう考えてもどうしても宇宙が消滅してしまう妄想から逃れることが出来なくなりかけた。

医者が見ればこれはきっと何らかの病気のようなものであると診断するかもしれない。

そこらへんの医学的なものは詳しくないので私にはわからないが、肉体的にめまいのようなものを感じたり、鼓動が早くなる感じもしたので、たぶんこの宇宙崩壊の妄想は単なる妄想癖と言う一言では片付けられない何かがあるに違いない。

もしかしたら、何らかの現象を本能が察知して、無意識にそれをこのような妄想と言う形で私の精神が表現したのかもしれない。

だとしたら、近く何か起きるかもしれない。

ただ、これは必ずしも悪いこととも限らない。

劇的な変化は時に良い方向へ物事を進めることもある。

私はあえてそう信じたい。

ちなみに、そんな妄想に取り付かれて底の無い恐怖に呑み込まれ掛けたときはクラシックが音楽が良い。

パッヘルベルのカノンや、バッハの無伴奏チェロ組曲を聴くと穏やかな気分になれる。

やはり音楽は偉大である。


夢7

地図には、地球のほかにも、銀河のあらゆる星が書かれており、いろいろな星座の解説も書かれている。
その星座の解説を読んでいると、横に置かれているテーブルの上のオルゴールの箱から聴いたこの無いメロディが流れてきた。
聞いた事は無いのだが、何となくどこかで聴いた音楽の要素を含んでいなくも無い。
音楽の元のような物がいくつも織り込まれている感じの音楽だ。
その音楽を聴きながら、宇宙の地図を眺めていると、宇宙の果てにまで旅をしてみたくなる。
地球を離れ、あらゆる星を渡り歩き、そして宇宙の果てにある何かを見てみたい。
この船を操れば、その果てにまでたどり着くことが出来そうな気がする。
この船の操舵室へと行って見れば、この船を果てにまで飛ばすことが出来るかもしれない。
船長室を出ると、甲板に上がる。
そして、そこにある操舵室に向かう。
船は星屑の波を掻き分けながら、あてども無く銀河の海を進んでいた。
舵を握り、宇宙の地図を実ながら行ってみたいところに向かって舵を切る。
銀河の端に小さい青い星が見える。
その星に行って見たい衝動に駆られる。
その星には名前がついていないが、行って見て、私が名前を付けてみよう。
この船がどれくらいでそこまでたどり着くのか見当もつかないが、急ぐ旅でもないので、のんびりとそこまで行ってみよう。
青い星はまで肉眼では見えない。
しかし、そこに向かえと舵に念じると、そこへ向かって船が進み始めたと直感で感じることが出来る。
船は銀河の中を行く。
天から地まで星に囲まれている。
しばらく進むと、流れ星が船に飛び込んできた。
りんごくらいの大きさの赤いガラスの玉のような流れ星だ。
それが天から落ち、ころりと甲板に転がった。
熱くないのか、恐る恐る触ってみる。
ひんやりしている。
完全な球体で傷ひとつ付いていない。
それに目を近づけると、中の様子が見えてくる。
中には写真で見たことがあるような銀河が幾つも入っている。
それがゆっくりと渦を巻いて動いている。
しばらく眺めていると、何やら銀河が崩れてくる。
銀河同士がぶつかり合い、その接点がすさまじい光を発する。
その点からありとあらゆる物が吹き出してくる。
空間が膨張を始め、輝く塊がばら撒かれる。
それがしばらく続いたかと思うと、徐々にそのきらめく光が渦を巻き始める。
そしてまた見慣れた銀河の形になっていった。
こうしてこの玉の中の銀河は永遠に運動を繰り返す。
きっとこの玉の中にも宇宙があって、それを今見ているのに違いない、そう感じた。
私の居る宇宙も、きっとどこかに転がっている無数のガラスの玉の中のひとつにある小さな宇宙のひとつに過ぎないのかもしれない。
そう考えると、何だか気が楽になったきがした。
時々、宇宙が突然崩壊して、すべてが消滅してしまうのではなかろうかと不安になる時があるが、宇宙がこんなガラス球のひとつならば、われわれの住む宇宙が

たとえなくなって、どうという事は無い、無限の宇宙のひとつの宇宙のちょっとした変化に過ぎないのだから。


夢6

目が覚めると朝だった。
何日経ったのかはよくわからないが、とにかく朝に目が覚めた。
今日はとにかく遠くに見える山に向かって歩こうと決めた。
遙か向こうに他の山よりも一段と高い山が見える。
その山に向かっていくことにした。
前日は陽炎が立っていたが、今日はそのようなものは全く見えない。
時折風が吹いて砂煙を巻き上げている。
暫く歩くと、光り輝く石が当たり一面にばら撒かれている場所に差し掛かった。
さまざまな色に光り輝く小石が当たり一面をうめている。
その石をひとつ取ってよく見てみる。
石の中には溶けた虹のような物が流れている。
それは石を振っても混ざることは無く、まるで虹色の惑星の雲の渦のようである。
それをポケットにひとつ入れると、また山を目指して歩き出す。
しばらく虹色の石の原が続いたが、やがてそれも途切れ、今度は一面真っ白な砂地になった。
ここは石ころひとつ無い完全な砂だけの砂漠だ。
行けども行けども真っ白な砂だけの不毛の砂漠で、今どこに居るのかさえわからない。
遙か彼方に山並みが見えるので、かろうじてそれを頼りに進むことが出来る。
砂漠の中を歩いていると、突然何かにつまずいて転んでしまった。
足元を見ると、そこにはガラスで出来たような透明なかぼちゃが転がっていた。
そのかぼちゃは見た目は硬そうだが、拾い上げてみると、本物のかぼちゃよりも少しやわらかいくらいであった。
そこでそれをかじってみることにした。
それは、さわやかな空気のような味がした。
あっという間にすべてを食べたが、満腹感は感じない。
もっとも、空腹感と言うものも大して感じていなかったので、それでも構わなかった。
空気のかぼちゃを食べた直後から、体が空気のように軽くなったような気がしてきた。
それにくわえ、空気の流れが目に見えるようになった。
空気の密度が薄い色となって見え、それが流れとして目に入る。
その空気の流れに目をやると、今目指している山のほうへと流れている。
きっと、あの山に空気を吸い込む何かがあるに違いない、そう考えながらその山へ向かう。
夕暮れとなり、そろそろ休息をする場所を探すことにする。
あたり一面白い砂だったが、ところどころに背の低い木が点在するようになっていた。
その気の一本に近づく。
その木には葉が茂っていたが、実は生っていない。
今日はとにかくそこで休息を取ることにする。
夕暮れ、日が沈み、星空が広がる。
黒猫座のほかに、何やら船のような形をした星座が見える。
その船の星座は、銀河の海を漂っている。
星から星へ、銀河の中心に向かって旅をしているようだ。
そんな星を見ていると、まるでその船に乗り込んだかのような気持ちになる。
そんなことを考えながら、この日は休息についた。
翌朝、目が覚めると、そこは船の上だった。
きっと昨晩見た星座のあの船に違いない、そんな気がした。
船は木製の大きなもので、海の変わりに光り輝く星屑の中を進んでいる。
船員はおらず、この船に乗っているのは自分ひとりだけのようだ。
船室を見ようと船の下部に行くと、そこに、一匹の黒猫がいた。
黒猫座の黒猫に違いない。
黒猫はただ、眠っていた。
この船で、砂漠の向こうのあの山へ行くにはどうしたらよいのだろう。
しかし、この船で銀河の果てまで旅をするのも良いかもしれない、そんなことを考える。
船長室があったので、中に入ってみる。
中には宇宙の地図が飾られていた。


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踊る人間の躍動を表現してみた


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