気が付けば、10月も後半です。

落ち葉が目立つようになりました。


自分は日本のドラマや番組をYoutubeなどで見ることはありません。

アメリカに来てから4,5年になりますが、やはり日本語に浸ってしまう事を恐れることに変わりはないようです。

臆病です。(ブログやニュースなどは読みますが)

そんな自分ですが、先日は1時間の番組に没頭しました。


「プロフェッショナル、仕事の流儀」という番組の、井上雄彦さんの特集。

言わずとしれた名作、スラムダンク、バガボンド、リアルを始めとする漫画の作者です。

スラムダンクを読んでバスケを始めた自分ですから、スラムダンクとの出会いがなければ、今、ここにいません。

人との出会いを含め、バスケに導かれてここまできた部分は相当なものです。


NYにいたときに、スポーツライター宮地陽子さん(Yoko's Locker Room Talk )のご好意で、当時Columbia UniversityでプレイしていたKJ松井君の試合を、NYを訪れていた井上さんを含む、スラムダンク奨学金のスタッフの方々と一緒に観戦し、その後食事も一緒にさせていただきました。

作品中の激しい描写はどこから生まれるんだろう、と不思議になるほど、とても丁寧に話をする方でした。

以外な共通点であった剣道の話や、アメリカのバスケットに日本人が挑戦することについて等、素晴しい時間を過ごさせてもらいました。

帰国後に、わざわざ宮地さんに自分のメールアドレスを聞いてまでして、連絡を下さる心遣いをいただきました。

番組中を見て、"このスケジュールの中、わざわざ一日会っただけの若造に連絡をくださったのか"と、改めて嬉しく、有難く思いました。


1時間の番組中で、印象的な言葉や姿勢は多々ありましたが、中でも心に残ったのは、 「自分が本当に思う事しか書けない」そして、「筆は予想のつかない動きをするから、筆に任せる」という言葉。


バガボンドの作品中に、「刀の声を聞けば、斬れないものはないのに」というニュアンスの台詞があります。

本当に思うことしか書けない、そして(当然だけれど)刀で人を切ったことのない井上さんが紡いだ、この台詞。

「筆の声を聞けば、描けないものはない」という自身の感覚から生まれたものではないか、と思ったのは自分だけでしょうか。

また、多くのキャラクターの人生を抱えている、その自分のキャラクターに対する真摯な責任感も伝わってきました。


プロフェッショナルとは、「向上し続ける人」。

この難しさ、そしてそうあり続けることの険しさを知っている本人から響く、このシンプルな表現には重みがありました。


Pain Toleranceという言葉があります。

痛みに対する耐久力、とでも表現できると思います。

ちょっとした痛みに対してでも(まぁ、他人の痛みは感じれませんが)、この世の終わりのように痛がるアスリートもいれば、"痛みはアスリートであることの一部"という感じで表に出さないアスリートもいます。


University of Arkansasで一緒だった7フッターのセンター、Steven Hillは、本当にタフな選手でした。

ヘッドトレーナーのDaveも、"Stevenが痛がったら、チェックする必要がある"と言っていました。

去年はD-leagueとNBAを行き来したSteven、今年はどうなるのかな。

KnicksのNateもまた、フットボール経験者だからか、非常にタフでした。


タフな、痛みに強いアスリートには何人も見てきましたが、昨日、地元の高校で今まで見たなかで間違いなく一番タフなアスリートに出会いました。

ちょっと生々しい話になるかもしれませんので、画像はないとはいえ、お食事中の人はご遠慮を。


週に一度、車で30分ほど離れた高校に行きます。

Research Assistantの仕事の一つで、高校にて脳震盪のデータ集めをするためです。

データ集めが終わった後は、少しだけですが、その高校のAthletic Trainerのお手伝いもします。

そんな午後に起きた出来事。


ATR(Athletic Training Room、トレーナー室)に1人の選手が慌てて入ってきました。

どうしたのかと聞くと、チームメイトがウエイトトレーニング中にダンベルで指をはさんだ、と。

出血が予想されるので、グローブとSterile gauze(無菌のガーゼ)をぱっと手にとって現場に直行。

すると、1人の選手が、手を抱えながら洗面台に向かってうずくまっていました。

洗面台にはかなりの出血が見られたので、ある程度のOpen wound(開放性の怪我?)は覚悟したのですが、これまた実際に患部を見て驚きました。


小指の先が、ふっとんでました。

Explodedって表現がぴったり。組織はどこにいってしまったのか、というくらいの見事なダメージ。

真っ白な骨もくっきり、爪はかろうじて皮膚に繋がって垂れてました。

どうしたどうした、と周りに集まる高校生たちは、自分が”離れてなさい”というまでもなく、一見して後ずさりするくらい、中々の光景。

45lbのダンベルプレス(最後の追い込みのメニューで、本当はもっと重いのを持ち上げられるんだ、との説明アリ)を限界までやって、ダンベルを床に放るときに放りきれなかったそうです。


あれだけの光景が自分の体の一部で起こっていたら、痛みも勿論だけれど、精神的なダメージも結構なもの。

吐いたり、失神したとしても、別に不思議ではありません。

でも、この高校生、最初は"It hurts so bad(めっちゃ痛い)"と言いながらも涙一つ見せず、"Thank you for helpint me"と自分に感謝する余裕まで。

ある程度時間が経つと、"My pinkey got numb(小指が麻痺してきた)"と言ってかなり平常。

さらには、"小指が無くなったら、テキスト(携帯メール)が打ちにくいじゃん!"などと冗談も飛ばしはじめます。


病院に行くまでの応急処置を自分がする前に、"ちょっと待って、写真とりたい"と言ってチームメイトに患部の写真をとらせ、あげくの果てには、顔の横に手を持っていき、見事なスマイルで写真に納まっていました。


あれだけのOpen woundだと、自分ができるのは止血と、感染症を防ぐ配慮をするくらい。

来週、彼に小指はどうなっているでしょうか。


洗面所に溜まった血の後処理をしてきて気づいたのですが、

血の中に、繊維状(細いミミズみたいな感じ)の物体が幾つか発券されました。

摘めるので、液体ではありません。凝固した血液って感じでもありません。なんなんでしょう?

その高校のAthletic Trainerと、千切れた血管かねぇなんて話をしていました。

もし答えが分かる人がいたら、教えてください。



四分之三熟卵-koyo


最近のミシガンは、氷点下になることもしばしば。

内側はまだ緑、外に向かうにつれて黄色になり、外側は赤、というグラデーションの紅葉が目立ちます。

雪が降り始める前に、木々は紅葉しきることが出来るのでしょうか。





我が家の新しい顔。
四分之三熟卵-penguin

このペンギン、名はまだありません。

口からultra sonic cold mistを噴射します。

と書くとなんかカッコイイですが、いうなれば霧吹きペンギンです。加湿器。

湿度が下がって来たので、風邪の予防などの理由から購入決定。

フィオナが色々リサーチした結果、値段と評判のバランスが一番良かったのがこのペンギン。

デザインもナイスです。

沸騰させて水蒸気を発生させているのではないようです。ひんやりした霧が気もちよい。



お次はバスケット。

タイトルからだと、ペンギンとバスケをしたように聞こえますが、ペンギンは関係ありません。

ミシガンに来て早3ヶ月。

大学のアパートに住んでいて、歩いて5分の所に住居者用の施設があり、その中に小さめのバスケットコートがあります。

この距離にコートがあることは幸せなことなのだけれど、ここでのピックアップ(ランダムな5オン5)では満足できてきなかったのも事実。

キャンパスのコートに行けばいいのですが、Michigan Stateはキャンパス内に3つの運動施設があって、それぞれが数面のバスケコートを持っています。

どの時間にどのコートにいけば、いいピックアップが出来るのかが全然つかめませんでした。

そして3ヶ月、ついに見つけました。

昨日のピックアップは、チームメイトにも恵まれて、ミシガンに来てからベスト。

そこのコートでのピックアップに参加したのは昨日が初めてなので、誰も自分の事は知りません。

興味深いことに30人近くいたプレイヤーのウチ、白人2人を除いて全て黒人のプレイヤー。

その中に小さなアジア人1人。最初は明らかに浮いていました。いつもの事です。

うまい具合にチームに入り込んで、ゲーム開始。

最初のスリーを沈めたのがよかった。外してしまうと、パスがくる確率がガクッと減ります。

その後はチームメイトが自分のドライブに合わせて動いてくれるのでアシストもポンポンと決まるし、ボールが良く回って、即席チームでは中々みられない、バランスのとれたいいバスケットができました。

勝ち残りがルールで、負け無しでずっとプレイし続けられました。


黒人の人たちとバスケをするのが楽しいのは、次のゲームを待っているプレイヤー達がやんややんやと盛り上がる事です。

いいプレーをすれば当然ですが、それと同時にかっこ悪いことをすると、これまた標的になります。

1人のプレイヤーが思いきりクロスオーバーされてシリモチをついた時には、気の毒になるほど笑われました。

基本的にオーバーリアクションなので、コートに倒れこんで腹を抱えて笑ったりします。ギャーって笑います。

自分が最初のスリーを決めたときには、ものすごく笑われました。自分がプレイできるとは思われていなかったからです。その後にドライブを決めたりアシストを決めると、"He got a game!! He gota game!!"と騒がれ、人気者(?)になりました。

シュートやアシストを決めはじめると当然マークも激しくなり、タックルとまではいかないけれど、かなり激しいコンタクトも出てきます。これが楽しい。これだよこれ、と、ファールを受けながらも楽しくてしかたなかったです。

帰るときにはチームメイトと仲良くなって、名前を聞かれ、年を聞かれ(名前の次に年を聞かれたのは驚きました。なぜ?)、出身地を聞かれ、どこでバスケをしてたかを聞かれ、毎週この時間に来いよと言ってくれました。

ようやく出来ました、"basketball friends"。


それにしても、なんでアメリカでの方が全然うまくバスケができるんでしょ。

日本でプレイする時は、チームプレイをしなきゃって意識が無意識にあってどちらも中途半端になってしまうのかもしれません。

個人プレイに対する意識の比重が少し大きい方が、自分にとって上手く働いて、その結果チームプレイにも繋がっていく気がします。

自分が学んでいることを日本語で記録するのって、いい勉強になることに今更気づきました。

同業者の人も見てくれているので、彼らにとってはペンギンやバスケの話よりも有益ですしね。



今回のメインも、Transverce Process (TP)の触診。

Spine (脊柱)は下の図のようになっています。

四分之三熟卵-spine


特定の脊椎のTPを触診するには、ランドマークとしてSpinous Process(SP、後方に飛び出ている突起。背骨の凸凹の凸の部分)を使います。

が、ここで注意しなければならないのは、Spineの部分によってVertebrae(脊椎)の形状が違うために、TPとSPの位置関係が違う事です。

四分之三熟卵-spine 四分之三熟卵-c1 c2 四分之三熟卵-c vertebrae

上の図は、Cervical spine(頚椎)とそれを構成するCervical verebrae(あれ?これも和訳は頚椎?)。

頚椎のTPの触診は、Slightly to non-palpable、つまり触れないかも、と言われています。

C1とC2は特殊な形状をしていて、C1にはoccipital bone(後頭部)を乗せるための溝があって、この溝はmedial/lateral, anferior/posterior(前後左右)の形状。

C2にはDensまたはOdontoid processと呼ばれる突起があって、C1を支えています。

Densは、Occipital boneとを繋ぐ靭帯の付着部でもあるそうな。ここら辺は、ちょっとパスします。

図を見て分かるように、TPとSPは、ほぼ同じレベルに位置しています。
Facet(連続する脊椎の接合面)は、anterior/posterior(前後)を向いています。


四分之三熟卵-thoracic 四分之三熟卵-t vertebrae
次はThoracic spineとvertebrae(胸椎)。

図を見てわかるように、殆どの胸椎において、TPとSPは同じレベルに位置していません。

SPをランドマークにTPを触診するには、この位置のズレを理解しないと、違うT2のTPを触診しているつもりが、T3のTPを触診していた、なんてことになりかねません。

基本的に、TPはSPの少し上方に位置しています。

触診のルールとして、


T1-T3はSPとほぼ同じレベル

T4-T6はSPから1/2 vertebrae above

T7-T9はSPから1 full vertebra above、つまりT7のTPはT6のSPと同じレベル

T10-T12はSPとほぼ同じレベル


となっています。

Facetは、Backward/Laterally(後方、外向き)に面をとっています。

Frontal planeに面をとっているともいえます。

四分之三熟卵-lumber            四分之三熟卵-lumber 2


最後はLumber Spine & vertebrae(腰椎)。

TPとSPの関係は胸椎ほどではありませんが、L1、L2においてはズレがあります。

L5に近づくにつれ、レベルは同じになっていきます。

FacetはMedial(内側)に面をとっていて、Saggital planeに面を取っているともいえます。

このFacetの形状から、Sidebending(横曲げ?)への動きは制限されます。


そして筋肉。


四分之三熟卵-muscles 2
脊柱の周りには、それこそ多くの筋肉が起始停止しています。

Superficial/Deepと表現されたりもしますが、Layer(層)で表現もされます。


1st layer: Trapezius Latissimus dorsi Lumbodorsal fascia

2nd layer: Rhomboids major Rhomboids miner Levator scapulae

3rd layer: Spinalis Semispinalis Longissimus Iliocostalis

4th layer Multifidi Rotators Intertransversiarii


下の図は、4th layer、最深部の筋肉です。

Muscle energyをつかって脊柱のアライメントにアプローチするときは、この層の筋肉を利用します。

四分之三熟卵-4th layer muscle


この下の図は第三層の筋肉たち。

LongissimusがTPの触診をする上で厄介なんです。

この筋肉を上手く"どけて"やらないとTPを感じることができません。
四分之三熟卵-muscles

さて、今からコーヒー屋に言って勉強してきます。

自信をもって月曜のテストに挑むべし。









少し古くなって固くなってしまったフランスパンは、電子レンジで温めても軟らかくなりません。

焦げるだけです。


電子レンジを空けた途端、焦げたパンから立ち込める煙。

この部屋の火災警報器はとても敏感。時間は朝の6時。鳴響いたら近所迷惑もいいところです。

レンジの蓋を閉じて、立ち込めた煙を逃がす為に火災警報器を団扇で扇ぐ扇ぐ。そんな朝の6時。

警報機が反応しないことを確認して、次はレンジのコンセントを抜き、アパートの外まで運んでから蓋を開ける。

レンジの中には、半分黒くなったフランスパン。レンジする前以上に固くなってました。

アパートの外にてレンジの中を団扇でパタパタと扇ぐ、そんな一日のスタートでした。



来週は、Manual Medicineのクラスの実技テスト。

全身のScreeningと、Spine(脊柱)の評価、それにMuscle Energyを使ったトリートメント。

Spineの評価が間違いなく一番の難関です。


四分之三熟卵-spine

脊柱は7つのCervical vertebrae(頚椎)、 12のThoracic vertebrae(胸椎) 5つのLumber vertebrae(腰椎)で構成されています。

それぞれの脊椎には、Transverse Processという突起が左右に(場所によって角度が変わっていきますが)飛び出ています。

このTPを指で感じとることができなければ、何も始まりません。

TPの左右差で、その脊椎がrotate(回転?捻じれ?)しているかを判断します。

TPは皮膚上に突出していないので、直接触る事はできません。

皮膚、皮下脂肪、筋膜、筋肉の上からの触診となり、4つの層を超えて感じなければなりません。

診る相手にもよりますが(当然、痩せている人のTPは感じやすいし、その逆もしかり)。正直難しいです。

超一流のセラピストは本の下に置かれたコインの種類を、その本の上から触っただけで分かるそうです。

どんだけ敏感な指なんだか。

ギター弾いて指の皮が厚くなったら不利になるんでしょうか。


TPの触診は、Normal、Flexion(屈曲)、Extension(伸展)の3ポジションで行い、TPの左右差から脊柱のアライメントをチェックしていきます。どの脊椎がどこでどっち方向に回転しているか、です。

脊柱を評価する時は、Functional groupと呼ばれる、二つの脊椎で構成されたユニットで診ていきます。

例えば、L4がL5上で左に回転していたとします(L5が正常という前提で、L4の左のTPが右に比べて突出している)。

次にL3を診た時に、L3の左のTPも右に比べて突出していたとしても、これは左に回転しているとは考えません。

L3とL4だけで診た時には、これは正常です。

L5上でL4が左に回転で、L4上でL3が右に回転という状況はmajor dysfunctioinと呼ばれ、要するに捻じれすぎ、という事になります。

こうしてERS right(Extended, Rotated and Sidebended to right) at T4 on T5という形でPositional Diagnosisをし、そこからFRS left (Flexion, Rotation and Sidebending to left)というmotion restriction(動作制限)を考え、同時にこれが治療の目的になります。

動作制限のポジションにもって行き、Muscle Energyをつかってその制限のバリアを解除していく。

これが大まかな流れです。


他にも、Spineの動きには3つのタイプがあって、

Neutral (Type 1)

-w/ AP curve is in easy normal, sidebending to one side is accompanied by rotation to the opposite side

ニュートラルな姿勢で脊柱を横に曲げていくと、脊椎の逆方向への回転が伴う


Non-neutral (Type 2)

-w/ AP curve is fully flexed or extended, sidebending to one side is accompanied by rotation to teh same side

脊柱を屈曲または伸展させた状態で脊柱を曲げていくと、脊椎の同方向への回転が伴う


3rd law

When motion is introduced into a spinal segment in one direction, motion in all other directions is reduced

一つの動作が入ると、その他の動作は制限されていく


となっています。

脊柱の分節(?)によって、常にType 1の動きだけだったり、Type 2の動きだけだったり、両方だったりします。

C0-1 always Type 1

C1-2 rotation only

C2-7 alwas Type 2

C7-L5 Type 1 and 2


こんな事も、少しも知りませんでしたね。


テストは月曜日。

週末をこのテストの為に使えるように、来週の自分が教えるクラスの準備やResearch Assistantの仕事、他のクラスの宿題は片付けておきました。

今週末はフットボールチームも遠征で留守だし、なんとかなるでしょう。


コンセプトもスキルもしっかりと自分のものにすれば、次のレベルに歩みを進められそうな気がします。


最後に。

このクラスを教えてくれている教授がよくいいます。

"They can do becasue they don't understand"

理解してないから、できている。という皮肉です。

トレーニングに関しても、こういうトリートメントのテクニックに関してもそうですが、真似事をするのはそれほど難しくありません。

ですが、その裏にある理論をどれだけ理解できているか、というのは話が全く別。

理論を理解できていなければ、予想外の状況に出くわしたときに応用は利きません。