本日の記事は、以下2つの続きになります。

以下2つの記事を読んでから、本日の記事を読むことをおススメします。

第1話:小3次女、声楽コンクール本選に挑む!

第2話:とどけ、天使の歌声!!!

 

 

7.まる子への期待

まる子のピアノは謎だらけだ。



どうしてそんなに弾けるの?





わたしにとっては、左右の手が別々に動く時点で、理解不能だ。



鍵盤を舞う両手の指を、二つの目で追いきれない。


わたしに言わせれば、

目で鍵盤を追うよりも速いテンポで演奏をしており、わたしには逆立ちしても到達できない境地にいる。

そんなまる子のピアノは、いつもわたしの想像を上回る驚きと感動を与えてくれた。

特に昨年は、非常に重いケガとその後遺症に苦しみ、二度とピアノは弾けないだろうと諦めそうになった。

まる子は逃げ出したくなるようなツライリハビリにも、持ち前の精神力と明るく前向きな心で乗り越え華麗に復活。

まる子のピアノを軽やかに弾く姿に、何度涙を流したことかわからない。

そして全国大会では、おおもり家の歴史に新たな"伝説1分半"が刻まれた。

そのときの様子は以前記事にしてあるので、ぜひ読み返して欲しい。

 

死闘! ピアノコンクール全国大会(動画あり)



曲は、真夜中の火祭り(作曲:平吉 毅州)。

情熱の真っ赤なドレスに身を包んだまる子が、魂を込めて弾いた曲を、今一度振り返ろう。

どうぞ。

 


レミファ ソファミ ファミレ~♪

レミファ ソファソ ラーラーラー♪



わたしは今でも、時間があるとこの曲を聞き返しながら酒を飲み、ブログを書く。

闇夜に灯される篝火(かがり火)のように、わたしのココロをグッと捉えて放さない。

わたしのベスト曲の一つだ。

こんな素晴らしい演奏を聴いてしまった以上、今年も期待してしまう。



――今年はいったいどれくらいスゴイ音楽を聴かせてくれるのだろうか。



まる子ならやれる。


周囲の人間を「まじかよ!」と驚かせるようなことをやってくれる。


わたしは、まる子のピアノへの期待でいっぱいだ。




だがその期待が、






大きな重しになるとは、













このとき知る由も無かった。

 

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8.ピアノ部門本選に向けて

やるからには、ホンキでやる。

それが"おおもり家"の鉄則だ。

手抜きは許さない。

そのためにうってつけなのが、コンクールだ。

例えるならば、中学受験生が日能研の公開模試や、全国統一小学生テスト、サピックスオープンなどを受けるのと同じ感じだ。

わたしとしては、コンクールへの参加というのは、なにも特別感は無い。

ホンキ度と、立ち位置を探るためだ。

もちろんゴールは全国大会への参加と入賞であるが、まず全国大会へ参加するために本選を突破する必要がある。

調べたところ、本選は関東地方では36回開催される。

このうち1回でもいいから本選への合格点を取る必要がある。

中学受験生を持つ親からすれば、




「36回出れば、1回くらいなんとかなるんじゃねwww」





と思うかもしれないが、コンクールはスタンプラリーじゃない。


皆勤賞とかもない。




わたしのお小遣いでできるのは、



――3回が限度だ。


ピアノ部門は、第1戦から第2戦、第2戦から第3戦まで、それぞれ約2週間ずつの間隔を取って設定した。


もちろん、二刀流で参加する声楽部門や、発表会と重複しないように調整した。


さて、まる子の参加するコンクールに、課題曲というのは存在しない。

全て、自由曲だ。

そのため、悪い言い方をすれば、1曲入魂ができる。

これは声楽/ピアノ両方共だ。

課題曲がないからこそ、

①どうやって曲を選び
②どう弾くか

が求められる。

1つ目の曲選び、これは非常に重要だ。

難易度も採点の一つに入るし、コンクール用の王道の曲がいくつもある。

いろいろ悩んだが、2023年は




――ショパンの子犬のワルツ




で戦うことを決めた。

これは、一度は聞いたことがあるであろう、超有名曲だ。

問題は2つ目の、どうやって弾くか?だ。

予選のときの演奏を振り返ってみよう。

 

※記事は以下参照

ピアノコンクール予選:小3次女の挑戦

 

 

これが予選のときの、次女まる子の演奏だ。

 

どうぞ!

 


楽譜通り、とても丁寧な演奏をしているのが分かると思う。

おそらく、普通のピアノ教室で習い、ピアノ発表会で弾ければ、拍手喝さいも夢ではない。

だが、コンクールの本選では全く通用しない。


曲自体の難易度は、小3が弾くには非常にハイレベルだが、表現力、すなわち"まる子の色"が欠片もない。

実はこの子犬のワルツ、まる子は小学校1年生から練習をしている。

途中、骨折による休養や、"真夜中の火祭り"に専念するために練習できなかった期間はあるが、それでもかれこれ1年以上同じ曲を練習している。

こんなに練習しているのも関わらず、全然仕上がる見通しがたたないくらいムズカシイのだ。

曲自体の難易度が高いのはモチロンだが、子犬のワルツはおそらく審査員全員が弾ける有名な曲だ。

すなわち、審査員がそれぞれ独自の思い入れや解釈がある。

そういう審査員に対し、「Wow!」と納得させないと、全国大会には行けない。

逆に言うならば、「Wow!」と思わせるような演奏&表現力ができれば、モノスゴイ高得点が期待できる。



中学受験に例えよう。

開成や灘に出てくるような難易度の高い問題を単に解くだけでは、本選は通過できない。

なぜならば、全員がそういうのを解けるチカラを有しているからだ。

難易度の高い問題を正しく答えながら、さらに答案用紙を見て、採点者全員が「Wow!」と思うようなポイントが無いと、問答無用で落とされる。

さらに厄介なのが、上位何人が合格というのではない。

「Wow!」と思えるポイントが無いと、"全員不合格"もありえる。

テストの点数や偏差値だけでは語ることができないのがコンクールの恐ろしさだ。




予選を終え、本選第1戦までは約2カ月半。

途中、海外キャンプがあったので、実質約2ヶ月だ。

その2カ月間、まる子は1日も休まず、ピアノと向き合った。

今年まる子が挑む子犬のワルツの課題はただ一つ。

どうやって"まる子の色"を見せるかだ。

これがムズカシイ。

予選を終えた段階でまる子ができたのは、

①譜面通りに弾くこと、
②先生に言われたとおりに弾くこと

の二つだ。

本選通過のためには、まる子が自ら考え、自らの色を出すことが求められる。

"まる子の色"

ことばで言うのは簡単だ。

先生は、まる子の色を出すためのサポートをしているに過ぎない。

まる子がこのワルツをどう表現するのか。

本選ではその表現を問われるのだ。

まる子の戦いが始まった。

ただひたすら、己と向き合う日々。

ピアノを弾き、悩み、また別の弾き方をする。

これを愚直に二カ月間繰り返した。

いい演奏のときもあれば、悪い演奏のときもある。

そして少しずつ"まる子の色"のヒントが見えてきた。

まだ完ぺきではない。

だが、本選に出て恥じないレベルには仕上がった。

 

9.本選第1戦

10月に入り、ピアノコンクール本選第1戦を迎えた。

本選は3戦ある。

そのうちの第1戦であり、立ち位置としては"今の演奏が本選で通じるかどうか"を確認することだ。

腕試しであり、課題の洗い出しも兼ねている。

うまくギアが噛み合えば、一発で本選を通過できるだろう。

一方で、緊張して力を出し切れなければ、間違いなく落ちる。

少しの油断やミスができないのが、本選の恐ろしいところだ。



本選会場へ入り、順番を待つ。

本選独特の、極めて重い空気が会場を包み込んでいる。

というのもこのコンクールの本選は――

――落とすためにある。

少しのミスが落とす理由につながり、審査員は問答無用で落とすのがこの本選だ。

演奏順や、審査員との相性など、いろんな要素が含まれる。

冗談抜きで情け容赦無いのが本選だ。

音楽教室の先生は常にまる子のことを「全国大会へ行くチカラはある」と評価する。

だが、それは教室での演奏を100%本番で発揮し、さらに+αができた場合の話だ。

教室での演奏以下であれば、全国大会への道など開けない。


定刻になり、本選の審査が始まる。

さすがに本選に来るだけあって、全員うまい。

驚くくらいに、うまい。

ただ聞くだけだったら、どんなに心地いいだろう。

待っている間も、わたしの緊張は止まらない。

順番が近づけば近づくほど、脈拍が上がっていく。

このままいけば、まる子が弾く前に倒れるのではないか?と思うくらいの緊張っぷりだ。

審査の合間に三脚を立て、カメラをセットする。

審査中にカメラを持っての撮影など、年寄りにはできない。

カメラをONしたあとは、音楽に集中をさせて欲しい。

いや、本音は違う。

本音は、この場から逃げ出したい。

ホールからも、会場からも逃げて、家に帰って布団に入って寝たい。

わたしの本心は、この恐ろしい緊張感から、逃げ出したくてたまらないのだ。

だがまる子が逃げない以上、先にわたしが逃げるなど出来るわけがない。

ついにまる子の番。

緊張感がピークに達する。

わたしはカメラをONし、舞台に視線を移す。

真っ白なワンピースに身を包んだまる子が礼をする。

先生がイスの高さを合わせ、足台を調整し、補助ペダルを取り付ける。

準備万端。





さぁ、頼むぞまる子。


おおもり家の英雄2代目――次女まる子のピアノが始まる。

どうぞ!!!

 


まずは出だし。

よし。

なかなかいい入りだ。

難易度が高いこの曲を、ノーミスで弾ききることだけでも至難の業だ。

飾り音符、左手のリズム、一瞬の油断が重大なミスにつながる。

まる子は持ち前の冷静さを保ちながらも曲に魂をのせる。




・・・




演奏を終えたまる子が戻ってきた。

大きなミスは無い。

今持っているチカラを出しきったいい演奏だった。

演奏終了から2時間、わたしは静かに結果発表を待った。





結果は――




















――不合格。


講評用紙を読んで、納得した。

一言で書くならば、"まる子の色"が"まだ"薄い。

予選のようなテキスト通りに弾くピアノなど、審査員は求めてはいない。

もちろん、予選よりも進歩しているのは分かるが、まだ足りない。

落ち着け。

まだ第1戦が終わったばかりだ。

ここは切り替えて第2戦に向けて前を向こう。

第2戦までまだ2週間あるのだ。



だがわたしはここで後悔した。

これからの2週間、まる子をピアノだけに集中させることはできない。

まる子は今回のコンクール、声楽部門とピアノ部門の二刀流で挑戦している。

これから第2戦までの2週間の間に、声楽部門の本選が2戦あるのだ。


実は時間の流れとしては、こうなっている。

ピアノ部門本選第1戦:不合格(本記事前半)

声楽部門本選第1戦:不合格(第1話:小3次女、声楽コンクール本選に挑む!

声楽部門本選第2戦:合格(第2話:とどけ、天使の歌声!!!

ピアノ部門本選第2戦:←今ここ

ピアノ部門の本選(第1戦)で落ちて、声楽部門の本選(第1戦)で落ちた。

まる子のココロはどん底の状態まで落ちたが、ここからまる子は華麗に復活。

声楽部門の本選第2戦で見事合格、全国大会への道を掴んだ。

だが――

 

 

 

――その代償はとてつもなく大きかった。



声楽部門に全集中したため、

 

 

 

 

ピアノの練習が基礎練習を除きほぼSTOPしたまま、

 

 

 

本選第2戦を迎えることになった。
 

 

 

第4話:夢という花を咲かせたい に続く...

 

 

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