本日の記事は、以下3つ記事の続きになります。
以下の記事を読んだあとに読むことをお勧めします。

 

第1話:小3次女、声楽コンクール本選に挑む!

第2話:とどけ、天使の歌声!!!

第3話:小3次女、ピアノコンコール本選に挑む!

 

10.二刀流の代償

ピアノ部門本選第2戦を迎えた。

声楽部門で気力/体力を使い果たしたまる子は、抜け殻同然だった、

一晩二晩寝たくらいで気力/体力が復活するはずがない。

一日も休まずコツコツとピアノの練習をしているが、声楽でのダメージがあまりにも大きすぎて、練習に身が入らない。

本選第1戦よりピアノが下手になっていることは無いが、本選第1戦よりも明らかに上達しているとは言えない。

これが声楽に集中した"代償"だ。

二刀流をすると決めた以上、これを受け入れ、乗り越えなければいけない。

まる子は本選第2戦の直前に、ピアノの特別レッスンを入れ、本選前の最終仕上げをした。

先生の仕上がり評価は前回と変わらないが、果たしてどうか。

わたしとしては、練習でのまる子の演奏を聴いていないので、なんとも言えない。

会場入りし、まる子とママ王は控室に向かう。

わたしは受付でプログラムや参加者、曲順を見て呆然とした。




――なんじゃこりゃ!?



なんという運命の巡りあわせだろうか。

まさかまさか、3人連続のショパン。

まる子はなんと、最後の3人目。

3人とも弾く曲は異なるが、これは嫌でも比較されるし、前の演奏者の影響を受ける可能性もあるだろう。

しかも1人目の曲は超難易度の高いやつだ。

狙っての順番でないのは分かるが、前の人の演奏にココロが乱されないことを祈るしかない。



定刻になり、審査が始まった。

小さな勇者たちが、それぞれの想いと魂をピアノにのせて弾く。

ただ聞くだけであれば、これほど心地よい時間は無い。

参加者全員が、この一瞬のために日々練習をしているのだ。

完成度の高さに、惚れ惚れする。

だがこのあとには、合格/不合格というキビシイ現実が告げられる。

わたしは普段、まる子より前の人(=学年が低い人)で、「Wow!」と驚くことはあまり無い。

だが今回は一人いた。

明らかにヤバイ。

どれだけの練習を積んだのかわからないが、ピアノが違うんじゃないの?と思うくらいに、まず音色が違う。

鍵盤を叩くときのスピードと叩き方が、極めて理想的なんだろう。

それに付随するタッチスピードは、小学生の域を超えている。

こういう子は、間違いなく全国大会へ進む。

今のまる子でも、この子には勝てない。

わたしは未来のピアニストに、心から拍手を送った。



そして息つく間もなく3連続ショパンが始まった。

1人目のショパンは、なんと即興曲。

即興演奏の達人だったショパンの即興曲は、構成に凝らない、比較的自由な形式、雰囲気を持った自由度の高い作品だ。

わたしは演奏を聞いて震えた。



あなたは――





――現代に蘇ったショパンですか?




ショパンの即興曲をほぼ完ぺきに弾く小学生がいるとは。

コンクール本選――



――恐るべし!


まさに「Wow!」

今日からあなたをショパン君と命名しよう。

今のまる子では、ショパン君には勝てない。

わたしはショパン君の演奏にも、心から拍手を送った。



2人目のショパンは、それこそ本選らしい素晴らしいショパンだった。

以前、はな子が弾いた曲であり、聞いていて懐かしさを覚える。

弾き方は、お見事の一言。

こういう子は、将来まる子といい勝負をする気がする。





そして迎えた3人目――おおもり家の英雄:まる子の番だ。

番号を呼ばれ、まる子登場。

舞台の真ん中で軽やかに礼をする。

椅子の高さや足台の位置、ペダルを合わせて席につく。

ピアノ→声楽→声楽とコンクール続きで、舞台上での振る舞いは慣れたものだ。

 

極めて落ち着いているように見える。



鍵盤を前に、大きく深呼吸。

そして、まる子の演奏が始まった。




――出だしは完璧。

惚れ惚れするようなワルツだ。







途中、少し崩れたが、頑張って弾ききった。


第1戦に比べ、全体的な進歩は少ないが、難易度の高い曲をそつなく弾いたと思う。

わたしの中でのまる子の評価は、わたしが聞いた10人中の3番手。

ギリギリ全国大会に行けるかどうか、紙一重だ。

あとは結果を待つばかり。





1時間後。




運命の結果発表を迎えた。



結果は――




















――不合格。

なんと、まる子の2つ前に弾いたショパン君も不合格。

同じ枠で全国大会に進んだのは、最初のほうに聞いたすごい子一人のみで、なんと合格率10%という、"非常に厳しい"審査結果だった。

採点と講評用紙を見て、涙が出てきた。

4人中合格点は1人だけ。

残る3人があと1点不足。

4人中3人が、「全国大会まであと少し」という評価だった。

 

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11.決断

さて、追い込まれた。

完全に追い込まれた。

残すは本選第3戦のみ。

第3戦まではおよそ2週間。

改めて時間の流れを整理する。

ピアノ部門本選第1戦:不合格(第3話:小3次女、ピアノコンコール本選に挑む!

声楽部門本選第1戦:不合格(第1話:小3次女、声楽コンクール本選に挑む!

声楽部門本選第2戦:合格(第2話:とどけ、天使の歌声!!!

ピアノ部門本選第2戦:(本記事前半)


発表会(←今ここ)

発表会でまる子は、声楽、ピアノ、合唱と出番ばかりで大忙し。

このうち、合唱の伴奏はなんとはな子だ。

発表会で、はなまる姉妹のコラボが実現!

普通の人だったら、「なんと贅沢なことだろう!」と思うだろう。

が、わたしの本心は、


【声楽も合唱も一旦STOP!】

【発表会よりも本選に全集中!】


 

だ。



わたしは、心の底から発表会を呪った。

発表会が無ければ、ピアノに集中できる。


少しでも全国大会に行けることを優先するのであれば、今はとにかく発表会という雑音を取り除くべきだ。

発表会をサボる理由なんか、いくらでも考えられる。



インフルになった。

コロナになった。

親族が危篤だ。

etc...



家で口を開こうとするたびに、

「発表会の練習をする暇あったら、コンクールの練習しろ!!!」

と怒鳴りたくなってくる。

特に、最悪なのが、はな子の伴奏だ。

仕上がりがヒドイのもそうだが、はな子の伴奏に合わせて歌うのがまる子という点が最悪だ。

「この伴奏で歌えるの?」

と疑問に思った瞬間、

伴奏はな子、歌まる子で、はなまる姉妹のセッションが始まる。

これを聴いて、たれちゃんが目を輝かせて一緒になって騒ぎ出したら、もう止まらない。

ものすごい近所迷惑なセッションが延々と続く。

分かっている。

 

もし、コンクールが無ければ、これはとてもとても楽しい時間だということくらい。

が、コンクールを目の前にした今の状況では――

 

 

――悪夢そのものだ。

 

 



「歌ってる暇あったらピアノ弾け!!!!」

 

とキレそうになる。

だがキレられないし、発表会もサボれない。



なぜならばはな子が参加する最後の発表会だからだ。



はな子は日能研の勉強と発表会の練習を両立し、毎日練習を頑張っている。

そしてはな子本人が3曲とも仕上がっていないのを分かっており、まる子もはな子のためを思って、伴奏の練習に付き合っているのだ。


どうしてこのタイミングに発表会なんだよ!

 

 

と発表会を恨まずにはいられない。

だが一方で、まる子はこれまで、数多くの試練を乗り越えてきた。
 

これまで乗り越えてきた壁に比べればこれくらいの試練、どうってことはない。

発表会の練習をサボったからといって、コンクールの本選で合格をもらえるとは限らない。

むしろ、発表会を【最終戦前の最後の仕上げ確認】とするくらいの意気込みでないとダメだ。

 

 

わたしは心を落ち着かせた。

 

ダメだ。

 

わたしは今、コンクール沼に陥っている。

 

これでは毒親街道まっしぐらだ。

 

まる子がコンクールに向けて頑張っているのは、わたし自身が誰よりも分かっている。

 

頑張っているのを分かっているからこそ、

 

もっと集中して練習をすれば、短期間で効率よくうまくなれるのではないか?

 

全国大会へ近づくのではないか?

 

と考えてしまう。

 

だがこれは、わたしの戦いではない。

 

まる子の戦いなのだ。

 

一度口を出さないと決めた以上、ここで余計なことを言っては、まる子を混乱させるだけだ。

 

言いたいことはたくさんあるが、わたしは酒と共にぐっと飲みこんだ。

こうしてさらに酒の量が増えることになるが、わたしが静かにすることで、はなまる姉妹の練習は進んだ。

そして、発表会当日を迎えた。

発表会でのはな子の様子は以下参照

小5長女、最後の発表会!

 

12.発表会:次女まる子編

発表会、これは子供たちの成長を促し、かつ確認できる場だ。

子供たちは、舞台に立つ目標に向かい、普段以上に練習に身が入る。

舞台に立つことで度胸が鍛えられ、舞台を終えたあとには大きな自信がつく。

また自分以外の演奏を聴くことで、ライバル心が芽生え、やる気がアップする。

発表会に行くことで、発表会ならではのマナーを学ぶこともできる。

一見するといいことづくめだが、わたしに言わせれば発表会は

 

 

 

 

 

 

――とても残酷だ。

 



なぜならば、前回の発表会から今回の発表会までの進歩/進化がハッキリと分かってしまうからだ。

 

 

――前回のことをそこまで覚えているのか?

 

 

と思われるかもしれないが、人間案外覚えているものだ。

そしてその進歩/進化が、ハッキリと見えてしまったのが今回の発表会だ。


まる子の最初の出番は声楽だ。

わたしはまる子が声楽部門で全国大会への参加決定後も、無言を貫き通している。

そのため、恥ずかしながらまる子の練習状況については全く分かっていない。

今回の発表会では、てっきりコンクールと同じ曲を歌うとばかり思いこんでいた。

そしてパンフレットをみて絶句。







――なんで違うの?

最初誤字かと思ったが、どう見ても違う。

声楽の本選で歌った2曲に対し、新しい曲が増えているならばまだ理解できる。

"サプライズ"というか、全国大会に向けた"隠し玉"というやつだ。

それだったら大いに結構!

が、"さんぽ"がゴッソリ消えて、"花は咲く"になっているのは素直に驚いた。

そういえば家でたまにまる子が歌っていたのを聞いたことがあるが、まる子家でいつも何かしら歌っているお花畑キャラなので、




――レパートリーが増えた


と勝手に納得をしていた。

まさかここで出てくるとは思わなかった。

なんで誰も一言も言ってくれないのだろうか。

ま、これも家族のコミュニケーションというやつだ。

これくらいで驚いていたら、命が何個あっても足りない。


さぁ、声楽部門が始まった。

トップバッターは最年少のまる子。

コンクールと違いあまり緊張感も無いのか、とてもリラックスした表情で出てきた。

礼をし、歌う姿勢に。

準備万端。

1曲目はみどりのそよ風。

静かに伴奏が始まり、まる子の歌声がホールに響く。

さすが全国大会に出るだけあって、伸びのあるいい歌声だ。

ホールが変われど、この歌声ならば全国大会に出れるレベルだ。

※動画は省略





そして2曲目。

菅野よう子作曲の"花は咲く"だ。

わたしは"菅野よう子"と聞くだけで、アニソンがズラズラ出てくるくらいのアニメオタクだ。

この人の曲は個人的に"かなり"好きなので、こうやって舞台の上でピアノと合わせてどうやって弾くのか、実はちょっと楽しみだったりする。
 





真っ白な 雪道に 春風香る~♪

わたしは なつかしい~♪

あの街を 思い出す~♪



・・・



そうだよ、まる子には叶えたい夢があるよな。

 

聴いていて思い出した。

 

これは、東日本大震災の復興応援のチャリティーソングだ。

 


花は 花は 花は咲く


いつか生まれる君に

 

花は 花は 花は咲く

 

わたしは何を残しただろう

 

 

 

 

まる子はこれから、どういう花を咲かせてくれるのだろうか。



43歳、ジーンとしちゃいました。

音痴だと言って、ごめんなさい。

もう言いません。

 

 



まる子が退場し、他の方の歌が続く。



そしてここから、発表会の残酷さが明らかになった。

昨年までまる子よりはるかにうまかった子たちだったが、聞いてビックリ。





――まる子は想像を絶するレベルで成長していたのだ。


まる子の目標/憧れだった子と、今のまる子の歌は、ほぼ遜色ないレベルになっている。

もちろんその目標や憧れにしている子も、昨年に比べすごくうまくなっている。

それは十分伝わってくるが、まる子はコンクールに参加することで、普通の子が練習するよりも、はるかに速いスピードで成長していたのだ。

これがコンクールのチカラか、と素直に思った。

それと合わせ、はなまる教室から声楽部門で全国大会に行くのがまる子だけというのも納得できた。

これからはなまる教室の声楽を牽引するのは誰でもない。

 

おおもり家の英雄――

 

 

――まる子だ。

全国大会での活躍を期待したくなるような歌声だった。

 

 




続いての出番は、ピアノだ。

さぁ、本選第2戦から、どれだけうまくなっているのだろうか。

いつもは審査員の前でしかホンキ弾きをしないが、今日はたくさんのお客さんがいる。

発表会も後半に進むと、少しずつ間延び感が出てだらけてくる。

頼むぞまる子――


――ちょいとみんなを驚かせてくれ!!!


まる子登場。

そして一礼。

 

準備を整えると、静かに弾き始めた。

 



おい。


おいおいおい!



――どうしたまる子!!!!

 

 

 



声楽が終わったあと、何があったのかわからない。





一つだけ分かるのは、

 

 

 

 


今のまる子は、

 

 

 

 

いつものまる子じゃない。

 

 

 

 

パンク寸前だ。

 

それもそのはず。

 

ピアノ本選第1戦から今日まで、まだ20日しか経っていない。

 

その間に4戦を終え、今日が5戦目だ。

 

 

――疲れないはずがない。



まる子はそのあと、はな子の伴奏に合わせた合唱を無事に終えた。

 

 

そして翌日、まる子が寝込んだ。

 

肉体的な疲労はピークに達し、精神的なプレッシャーで心は潰れる寸前。

 

 

 

 

 

――もう、ゴールしてもいいんじゃないか?

 

 

 

 

ここ何日も浮かんでは、酒と共に飲みこんだ言葉が浮かんでくる。

 

 

 

 

撤退

 

 

 

 

 

 

 

 

これ以上やったら潰れる。

 

コンクールは、潰れるまでやる価値があるのか?

 

最優先すべきは、コンクールに参加することじゃなければ、全国大会に行くことじゃない。

 

心と身体の健康だ。

 

健やかな成長こそが優先すべきことだ。

 

幸いにも、声楽で全国大会の切符は手にした。

 

二刀流では無いが、ここでピアノを撤退しても、誰も文句は言わない。

 

まる子はよく頑張った。

 

誰よりも頑張った。

 

今更まる子に、「もっと頑張れ」なんていう人は誰もいない。

 

だが、まる子は違った。

 

 

 

12時間以上寝てリフレッシュしたのか、まる子は起きてきてピアノを弾こうとした。

 

「どうしてそこまでできるんだ?」

 

別にピアノを弾くことが悪いことじゃない。

 

だが、無理をさせすぎて潰れては、元も子もない。

 

「夢がある。


 全国大会という舞台で、

 

 歌って

 

 弾きたい


 

そうか。

 

まる子は、夢という花を咲かせたいのか。

 

それから、まる子の孤独な戦いが始まった。

 

わたしは、もう何も言えなかった。

 

そして、最終戦当日の朝を迎えた。

 

  さいごに

今週の火曜日から今日まで欠かさず読んだ人は、続きが気になるだろう。







――わたしも同じだ。




だが、今のわたしにはこれ以上書けない。

毎日徹夜でブログを書き、慣れない動画編集をし、体力/気力の限界だ。
勘のいい皆さまは、もう分かるだろう。

実は最後の第3戦は――













――今日(11/3)だ。

続く。
 

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