1.はじめに

次女まる子が声楽を始めた理由は、なんだったろうか。

👇を読み返して、思い出した。

 

次女、声楽コンクールに挑む![改題]

音痴だ。

わたしは自分自身が超音痴なので、まる子の歌を聞いてもなんとも思わない。

 

ただ、ママ王から言わせれば、真面目に歌ってるの?と思われるくらいの音痴っぷりだ。

(ママ王は学生時代合唱部のガチエース)

細かい内容は先ほどのリンクに譲るが、まる子は自らの弱点克服と成長のため、自分の意志で声楽を始め、そしてコンクールに参加している。

だが、このコンクールがクセモノだ。

なぜならば、声楽は自分の身体が楽器という、"超ハンデ戦"だからだ。

不具合があっても、ピアノやバイオリンのように部品を修理したり、買い替えなどできない。

日頃のメンテナンス含め、全て自分自身で行う必要がある。

言い換えるならば、世界中にたった一つの自分にしかない自分だけの楽器(身体)を理解し、大切にしなければならない。

とにかく己と向き合い、己を鍛える必要があるのだ。

 

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2.声楽の難しさ

人間の声は、生きている限りどんどん変化していく。

子供の声、若い人の声、年老いた人の声など、声を聴くだけで、おおよその相手の年齢は分かるのと一緒だ。

声楽は、年相応に変化する声に合わせて歌う必要があるが、これが難しい。

さらに厄介なのは、さきほど上でも書いたが、声楽はとにかく己と向き合い己を鍛える必要がある。

声楽は全身の様々な筋肉を使って歌うので、ある意味スポーツと同じだ。

腹式呼吸に必要な腹筋だけでなく、腹筋を支える背筋も必要だし、声帯をコントロールするノドの筋肉も必要だ。

明確な発音をするためには、舌根の筋肉も使う。

そもそも立って歌うので、歌う姿勢を保つために足の筋肉も必要だし、身体をまっすぐに維持する体幹も鍛える必要がある。

最低でもこれら筋肉が無ければ、舞台に立ったところでしっかる歌うことは難しいだろう。

そのためまる子は、声楽以外にも、水泳をやっている。

水泳は肺活量も鍛えられるし、まっすぐ泳ぐために体幹が鍛えられる。

もちろん四肢の筋肉もバランス良く鍛えられる。

まる子はさらに、皆さまご存知の通り、ピアノもやっている。

ピアノをやることで、リズム/音階を正しく認識することができる。

なによりピアノで全国大会に二度も行った経験は、間違いなく声楽に生きると思っている。

じゃあピアノと水泳をやっている人は、声楽もできるのか?というと、決してそうではない。

あえて悪い言い方をするが、


―――歌は誰でも歌える。


だが、人前で堂々と歌うには、



――かなりの度胸が必要だ。


まる子には、どんなに大きな壁やプレッシャー、ハンデがあっても、それを自らのチカラで乗り越えることができる強さがある。

だからわたしは、まる子が声楽を始めてからずっと信じている。

まる子の声楽は、



――必ず全国大会で戦えると。

 

3.コンクールの難しさ

コンクール、これはとてもムズカシイ。

今回まる子が参加するコンクールは、予選→本選→全国大会と行われる。

予選は👇で突破しており、問題は次の本選だ。

 

次女、声楽コンクールに挑む![改題]


まる子が挑むコンクール・声楽部門の本選は全国で15回開催される。

この15回でふるいにかけられ、残された勇者たちが全国大会へ駒を進める。

開催場所を関東に限定すると、東京、神奈川、埼玉でそれぞれ1回の合計3回に絞られる。

この3回の内、1回でも合格点を取れば、次は全国大会だ。

コンクールのルールでは、本選への参加回数に制約は無い。




中学受験に例えよう。

志望校としては、洗足や豊島岡、渋渋など複数回の中学入試をやっているところをイメージして欲しい。

これら学校は、何回受験しても構わないし、そのうち1回でも合格点を取れば、合格となるのと同じだ。

中学受験生を持つ親からすれば、



――じゃあ全部受ければ?


と思うだろう。

わたしも同じ感覚だ。

コンクールというのは人間が審査をするので、審査員の主観や好みが少なからず点数に入ってしまう。

それら不確定要素を考えると、3回全部参加するのが望ましい。

だが、よく考えて欲しい。

3回参加すると簡単に言うが、3回とも親(=わたし)の付き添いが必要だ。


自称中級社畜であるわたしは、そんな簡単に仕事を休めるほどヒマじゃない。

というわけで、2回参加とした。

 



補足をすると、中学受験とコンクールは似て非なるものだ。

中学受験は、最初から合格者数が決められ、成績順に上から何人と選ばれる。

だが、まる子の参加するコンクールは別だ。

採点順に上から何人ではなく、採点結果が合格基準点に達しているか、否かで決められる。

すなわち、一緒に受けたライバルが強かったから落ちた、というのはありえないのだ。

単純に、"今の実力が全国大会で通用するか否か"、で決められるのだ。





本選への参加回数が決まった。

次はどこで歌うか、すなわち会場選びだ。

ここはホントに悩んだ。

というのも、ホールの作り、広さ、反響板によって、音の響きは全く異なるのだ。

まる子にとってどこのホールがいいのだろうか。


 

 

そんなの分かるわけがない。


なぜならば、声楽コンクールへは、今年が初参加だからだ。

ここは、先生と伴奏者の知識/経験が大いに役に立った。

先生と伴奏者の両名から本選で推薦されたのが、神奈川県のとあるホールだ。

ここは「静けさ」、「良い音」、「良い響き」を満たす、500席規模のコンサートホールだ。

振動や騒音を防ぐため、床面設計や空間設計にも配慮されており、先生曰く"実力差が出やすい"ということで決定した。

2つ目は、全国大会が行われる東京のホールとした。

こちらは、仮に全国大会に行った場合も想定し、【事前に歌っておくべき】、と判断したからだ。

こうして、東京、神奈川のそれぞれで審査を受けることが決まった。

ベストは両方で合格点を取ることだが、最低でも1回は合格点を取って欲しい。

8月の予選突破から2ヶ月。

練習に練習を重ね、ついに本選の日を迎えた。

 

4.声楽コンクール:本選第1戦

本選第1戦は、東京会場だ。

全国大会に行った際は、またここで歌うことができる会場だ。

できれば第1戦で全国大会への切符を手にして、またここに帰ってきたい。

 

 


時間に余裕をもって会場入りし――




――驚いた。




いつもは発声練習から始まり、開始直前までしっかりサポートしてくれる先生が、






なんと――

 

 

 




――審査員なのだ。








まじか。

こんなのありかよ。

あまりのことに、審査員表を3回見直した。

もちろん、事前に先生からはなにも聞かされていない。

公正な審査をするために、先生自身から言えなかったのだろう。

そのため、先生は発声練習につきそうこともできない。

まる子は控室で黙々と発声練習をする。

まる子の審査は、なんと1番目。

すなわちトップバッターだ。

これは、とても重要なポジションだ。

このトップバッターの出来が、この後の審査結果を大きく左右するのだ。

ここでそこそこ厳しい採点が下ると、後に続く人の採点が一気に厳しくなるし、ここで緩くなると、後も緩くなる。

ある意味、審査の厳しさを決めるのも、まる子の歌声一つというわけだ。


本選を前にし、わたしはこの状況をチャンスと捉えた。

なぜならば、審査員の一人がいつも師事している先生ということは、合格点を一人分ゲットしたのと同じだ。

先生の前でしっかり歌えれば、あとは先生から、周りの審査員への言伝でなんとかなると考えた。







まる子の発声練習を横で見ながら、いろいろ考えていると、

 

 

 

――ふと違和感が。


あれ、

ちょっと待てよ。















――伴奏者はどこだ?




いつもならば30分以上前に会場入りしているのに、




――今日はどうした?




15分前なのに、なぜいない?






慌てて先生(審査員)経由で、連絡を取る。


残り10分。


先生からの連絡はまだない。

おいおいまじかよ。

このままいくと、伴奏なしか?





残り8分。


先生から連絡が。


会場近くにいるらしい。



――わかった。


これはよくある、会場への入り口がワカラナイパターンだ。



わたしは急いで1階に行くと、施設全体を円を描くように走る。

これだったら見落とす心配はない。

弱点は時間がかかることだ。

残り時間あと5分。



――ホンキでヤバイ。



と思ったところへ、伴奏者発見!

急いでまる子のところへ連れて行き、時計を見ると残り3分。


――セーフ


慌てて客席に戻り、三脚を組み立てカメラをセットする。

気が付けば残り1分。


――ふぅ...


息を整え、始まるのを待つ。


審査員が会場入りし、緊張感が一気に高まる。

その中には、まる子が師事する先生の姿もある。


審査開始のアナウンス。



さぁ、なんかバタバタ感満載だが、まる子なら大丈夫!

これまで乗り越えてきた壁は、こんなもんじゃない。







――頑張れまる子!!!





まる子と伴奏者が揃って舞台に入ってくる。

さすがプロの伴奏者。

さっきまでの慌てっぷりなど一切見えない。

 

 

 

先生の前で、一発で決めろ!!!!

 



2人して礼をして、まる子が大きく深呼吸。

まる子から伴奏者に合図をすると、軽やかなピアノの音色がホールに響く。


1曲目はとなりのトトロの"さんぽ"だ。


軽快な伴奏に合わせ、まる子の声が会場に響く。


あるこ~ あるこ~♪


わたしは~ げんき~♪


いつもより声の張り、伸び、響きが少ない気がする。

大丈夫か?

不安になるスタートだ。

そしてこのあと、悪夢がやってきた。

なんと――





――歌詞が抜けた。


ど忘れしたのか、声が出なかったのかは分からないが、



――完全にワンフレーズ途切れた。





――これは致命的だ。




まる子の表情が曇り始め、声のトーン/響きが下がる。

これはヤバイ、持ちこたえろ。

心の中で応援する。

伴奏者も気を使い、軽やかに歌えるよう、ペース/リズムを合わせてくれる。




なんとか1曲目が終了。

そして2曲目、"みどりのそよ風"が始まる。



――みどりのそよ風~ いい日だね~


ヤバイ。

まる子の声に、張りが無い。

明らかにさっきの歌詞が抜けたことを引きずっている。

なんとかもちこたえて欲しい。

――頑張れ。

――頑張れ。



――負けるなまる子!!!



・・・



そして、まる子の初戦が終わった。

終わったまる子は、やり切った感などは無く、顔面蒼白だった。

歌詞が抜けたことの自覚はある。

どうして抜けたのか、まる子本人自体がわかっていない。

伴奏者が必死にフォローをしていたが、もう後の祭りだ。

初戦、油断が無かったか?と言われれば、あった。

なんとかなるだろう、とタカを括っていた。

それがまさかこんなことになろうとは。

結果発表まで、静かに待った。

結果は、4人の審査員による採点で決まる。

ここでポイントは、審査員間の評価のバラつきをなくすため、4人中最も高い点と低い点が除かれ、残る2人の平均点が80点以上で合格、全国大会への参加資格を得る。

例えば80点をしきい値とし、4人の審査員の点数が

[81 81 79 77]だと、81と77が消え、残った81と79の平均は80で合格。

一方、

[80 80 79 79]だと、80と79がそれぞれ1つずつ消え、残った80と79の平均は79.5だが、小数点以下は切り捨てのため79で不合格だ。


そしてまる子の結果は――









――不合格



先生も含め、審査員4人全員が不合格という採点結果だった。




全国大会にまで必要な点は、なんとあと2点。



この2点――




――非常に重い。


育成テストや公開模試の2点とは重みが違う。


全国大会に向けて、あと少し足りないのであれば、基準点からマイナス1点が相場だ。


マイナス2点というのは、【まだまだ全然足りていない】と同義だ。


簡単に超えられる2点ではない。



さらに残念なことに、まる子の点数は、


――参加者中最低点だ。




本選第2戦まであと1週間。


全国大会への道筋は、全く見えない。
 

 

 

とどけ、天使の歌声!!!に続く。

 

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