あかり姫と坂本龍馬伝説 -29ページ目

高知城天守閣から競輪のレースが見えた!

高知城の天守閣から高知の街並みを眺めたことがあるだろうか。


東西南北、高知城からの見晴らしは素晴らしいものがあります。


高知城は、江戸初期に建てられ、18世紀中頃に再建されたものの、まさに戦国時代のそのままの様子を保っていると言われています。明治になり、お城が公開されて、私たちも登れるようになりました。


城の南側の石垣のすぐ下に県庁があります。高知に来て、お城の役割を役所が引き継いだこと、武士の役割を公務員が担ったのだなあ、という実感が沸きます。お城は、地域の行政の中枢としての役割を担っていたのですね。


ちなみに、坂本龍馬さんの実家は郷士階層で、商人から武士の資格を買っただけの新しい武士身分取得者で、龍馬さん自身はお城に上がったことはなかったようです。


さて、鏡川の向こう側、南に見えるのは?


そう、それが龍馬スタジアムなのです。


坂本龍馬の生誕地からも徒歩圏内です。


私が天守閣からスタジアムを眺めていると、なんと、7人の選手がサーッと駆け抜ける姿が一瞬目に入ったのです。


これはシビレました。


高知の街を一望すると、龍馬スタジアムは高知市の中でも重要な場所に位置していることが分かります。


高知市にとって、競輪の盛り上がりは、市中の活気に直結すると言えましょう。


私は、競輪は一つのスポーツであり、日本のお家芸だと考えます。


全国から高知に集う競輪選手たちの熱いレースを目の前で見られるのです。


首都圏の競輪場にある鬱陶しい「柵」がなく、選手の気合いが直に伝わってきます。この感動と迫力は、はっきり言って、首都圏の競輪場では味わうことは出来ないと断言できます。


あ、そうだ、「プリンセスあかりカップ」に戻らなきゃ!


ということで、お城を降りて、競輪場へと急ぐ私でした。


つづく



朝の桂浜にて、坂本龍馬さんに出会う

朝7時半、バスを降りた私は一人、桂浜に佇んでいた。


観光の店が並んでいるが、開いておらず、周りには誰もいない。とても静かだ。ここだけ時間が止まったような、不思議な感覚になる。一人、坂を歩き出す。


雲一つない青空の下、キラキラと眩しい朝陽に照らされて、青々とした太平洋がどこまでも広がっている。

大自然の懐に抱かれたような、どこか懐かしい感覚に包まれる。


私より一足先に来たであろう先客にようやく出会う。

その方は、高いところに立って悠然と太平洋を眺めておられる。


「おはようございます!」とごあいさつ。

「よう来たのう!」

思いがけず大きな声で返事が返ってきた!

「いつからここにおられるのですか?」

「なあに、お前より少し早う着いたまでじゃ」


私には、あの方の大きな声が本当に聞こえるような気がした。


あの方は、朝の光を浴びて、眩しく輝いておられるのでした。



高知の宿


私は、気付いたら夕暮れの見知らぬ街を歩いていた。昨日までの自分がその通りを歩いているのが信じられない。

正しくは、競輪場を出て右手にまっすぐ。はりまや橋の手前の通りをまっすぐ歩いていた。


地図で見ると近く感じるが、実際に歩くとやたらと直線が長い。このまま行ったら、帰れなくなる気がする。でも、今は歩くしかない。ちなみに、後で分かることだが、これは遠回りの道だった。やはり旅行は下準備、下調べをきちんとしてから出かけるべきだと思う。


ようやく大きな通りに出て、右折してしばらく行くと、大きなスーパーがある。入ってみて驚いたのは、野菜の値段が安いことだ。東京ではこの季節、ホウレンソウなどの葉物は300円しているのに、高知では100~150円で買える。文旦なども安い。果物などで他県から仕入れているものの値段は変わらないが、ベーシックな生活費は高知の方が安く済む印象を受けた。私は安くなった文旦を一個100円で買った。


その通りを少し行くと、右手に小さな黄色い建物がある。そう、それが目当てのネット喫茶だった。その名は「D-pocket」という。


東京のネット喫茶に比べると、建物の外観はもの凄く頼りない感じがするが、なぜか駐車場には結構車が停まっている。もしかしたら意外に人気があるのかもしれない。そこで、システムを聞きに中に入る。12時間で2000円。座敷のボックスシートを一人で使ってもいいとのこと。部屋のカギはかからないし、引き戸だけど、何かをかければ見えなくなる。まあ、監視カメラが天井にあるのは若干気になるけれど、あまり見えない席を選べば問題はない。


こ、これなら泊まれる!と確信し、あっさり泊まることにした。せっかく高知に来たのだし、高知観光もしたいので、一晩かけてネットを調べることにしよう。


D-pocketは見かけに反して想像以上に良いところだった。ソフトクリームが食べ放題なのだ。チョコレート、キャラメル、ブルーベリー、ストロベリーの4種類のソースを自由にかけて食べられる。その隣には6番車と7番車の色のシャーベットがある。ドリンクバーの種類はネット喫茶としては豊富な方だ。味噌汁は常時飲み放題である。


実に素晴らしい!


ところで、今いる高知というところは、一体どんなとこなんだ?


高速バスのチケットボタンをクリックして高知にいるだけの私にとっては、それが最も重要なことなのだった。


つづく


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