もう すでに このぼくは

かたってしまっているのだろうか

どうってことのないような

ヒトのすがた ひとつから


すがたはいつも しゃべりだす

さまよえる たましいたちが

たどりついた かたちのように

ちんもくさえ のこさずひょうげんしてしまう


これからも このぼくは

かたりつづけてしまうのだろうか

なにげないひょうじょうを

いみしんなものにみせて

普段はないようにひっそりと

かかる獲物を待つように


その正体に近づきたい

誘惑にかられても

触れることは許されないのが法

毎年そうだ

8月の後半に差し掛かると

落ち着かない気持ちになる

あの夏休みの宿題が

まだ残っている気がして

追われるように

過ごしている日々は今も同じ

片付くことのない想いを胸に

絵日記にもなりそうにない

景色を踏みしめていく

僕の心を

誰も褒めてはくれない

僕の心を

誰も叱ってはくれない

だけど心は求められている

体に見合った成長を

心の上を見上げても

雨は降りそうにないから

今日も自分でじょうろを傾ける

開けれる限りの窓を開いて

めいいっぱいだらしなく寝転がる

そんな午後

あまりの暑さに

感覚は体を脱ぎ捨てて

時の川を平泳ぎしている

どんなに生ぬるい風でも

触れた時の感触は

忘れられない心地よさ

ぼんやり

薄らいでいく意識の中で

たまに風鈴の音が聞こえる

生きていれば

やってくる

いつか

でも

そのことだけを

考えては

生きていけない

いつも

訪れる時を

手を広げて

受け入れられるようになる日は

いつか

ポジティブじゃなきゃ

駄目だというネガティブ

別にネガティブでも

いいじゃないかというポジティブ

「どうでもいい」という言葉に潜む

否定と肯定

諦めでも

開き直りでもなく

僕は今日を移ろう

好きな人の中の

イヤな部分を知ってる

嫌いなヤツの中の

引かれる部分を知ってる

僕の中の

僕じゃない部分を知ってる

僕じゃない人の中に

新しい僕を見つける

ぴんと張った光が

僕を無邪気に起こす

朝陽が思い出させるのは

どこかへ去っていった君のこと

小鳥の声は澄み渡り

一滴の露のように空に光る

朝陽が照らし出すのは

君がここにいないという事実

失くしたはずの温もりに

支えられて立っていた

もう帰れないあの家の

ドアを何度も叩いていた

記憶の中だけ

呼吸をしている原風景

二つめの故郷を探して

僕はたくさんの言葉を覚えていく