花火は

一瞬の星

誰も住むことはできない星

私達の心に住み着く星


花火は

一瞬の川

夜を流れ

宇宙に

溶けてゆく


花火は

咲きながら散る

花の命を

一瞬で語る

時は浮かんでいる

酸素や窒素などに混じって

見えない空気の中を


締め切った部屋で

時はだんだんと失われ

僕は干からびていった


身を任せてもいいと

思える気分の晴天に

がらっと窓を開けて


開らかれた窓に

風が時を連れて来る

ふうっと命を吹き込むように

どうやらカルシウム不足のせいじゃないと

気づき始めている

イライラの原因


片っ端から言葉の響きがいい栄養素を

摂取しているけど

自分に足りないものが

何なのか実はよく分かっていない


タブレットを噛み砕く行為自体で

束の間イライラをごまかしている

しっくりとこない現状を

未だ科学が解明できていない栄養素のせいにして

水の落ち着きが

鳥のさえずりを穏やかに聞かせる

湖畔で吐息はほっと響く


鳥はくちばしをつっついて遊ぶ

ボートは滑るように岸を横切る

湖は静けさに潜んでいる


湖は空の青を映し出す

水の沈黙で

人々の一日が満たされる

映画のように格好よくいられない

映画のように世界を語れない

映画のように劇的に変われない


迷いの途中で立ち寄った映画館で

ポップコーンを食べながら泣き笑いする

そんな生き方でもいいじゃないか

人は過去を頼りに

未来を裁く


危険を回避するために

穏やかな暮らしのために

邪魔になりそうな物を

排除していく


あれもいらない

これもいらない

と捨てているうちに

地球には何もなくなって

きっと人もいらなくなる

愛し合える時だけが

愛じゃない


互いを想う気持ちが

一人の夜でも

その手触りを残していた


叶わぬことさえ夢のようで

届かぬことさえ愛のようで

幻みたいな日々だったけど

だからこそ忘れられずにいるのだろう

あなたがここにいるだけで

私はだんだん不自由になる

あなたがここにいるだけで

私はしだいに惨めになる


あなたが何をしなくても

私は息苦しくなってくる

あなたが何もしないから

私はますます苦しくなる


愛してると

抱きしめて

信じてると

束縛する


言葉は

同じなのに

噛み合わない

想い

あなたの正体を知らずとも

僕はあなたの歌に感動する

たとえあなたにどんな過去があろうと


あなたが失望の中で

苦し紛れに放ったといわれる歌にさえ

僕は幸福になれてしまう


CDプレーヤーから響き渡るブルース

それも確かに一つのあなた

もうこの世にいないあなた

暗い密林を

銃を握り歩いている

血と埃にまみれて


揺るぎない正義があった

確かな理想があった

戦場に来るまでは


見えない相手に向かって

引き金を引いて

見えた時には

死が転がっていた


木々をくぐり抜け

人影がこっちに向かってくる

敵か味方かは分からない

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