時は浮かんでいる
酸素や窒素などに混じって
見えない空気の中を
締め切った部屋で
時はだんだんと失われ
僕は干からびていった
身を任せて もいいと
思える気分の晴天に
がらっと窓を開けて
開らかれた窓に
風が時を連れて来る
ふうっと命を吹き込むように
どうやらカルシウム不足のせいじゃないと
気づき始めている
イライラの原因
片っ端から言葉の響きがいい栄養素を
摂取しているけど
自分に足りないものが
何なのか実はよく分かっていない
タブレットを噛み砕く行為自体で
束の間イライラをごまかしている
しっくりとこない現状を
未だ科学が解明できていない栄養素のせいにして
水の落ち着きが
鳥のさえずりを穏やかに聞かせる
湖畔で吐息はほっと響く
鳥はくちばしをつっついて遊ぶ
ボートは滑るように岸を横切る
湖は静けさに潜んでいる
湖は空の青を映し出す
水の沈黙で
人々の一日が満たされる
人は過去を頼りに
未来を裁く
危険を回避するために
穏やかな暮らしのために
邪魔になりそうな物を
排除していく
あれもいらない
これもいらない
と捨てているうちに
地球には何もなくなって
きっと人もいらなくなる
愛し合える時だけが
愛じゃない
互いを想う気持ちが
一人の夜でも
その手触りを残していた
叶わぬことさえ夢のようで
届かぬことさえ愛のようで
幻みたいな日々だったけど
だからこそ忘れられずにいるのだろう
あなたがここにいるだけで
私はだんだん不自由になる
あなたがここにいるだけで
私はしだいに惨めになる
あなたが何をしなくても
私は息苦しくなってくる
あなたが何もしないから
私はますます苦しくなる
愛してると
抱きしめて
信じてると
束縛する
言葉は
同じなのに
噛み合わない
想い
あなたの正体を知らずとも
僕はあなたの歌に感動する
たとえあなたにどんな過去があろうと
あなたが失望の中で
苦し紛れに放ったといわれる歌にさえ
僕は幸福になれてしまう
CDプレーヤーから響き渡るブルース
それも確かに一つのあなた
もうこの世にいないあなた
暗い密林を
銃を握り歩いている
血と埃にまみれて
揺るぎない正義があった
確かな理想があった
戦場に来るまでは
見えない相手に向かって
引き金を引いて
見えた時には
死が転がっていた
木々をくぐり抜け
人影がこっちに向かってくる
敵か味方かは分からない
弾はまだ数発ある