声を出す時
人の喉はリズムを作り
抑揚を作る
文字を読む時
人の心はリズムを作り
抑揚を作る
それぞれの音符で
言葉が跳ねる
静かな図書館
無言で早読み
突然つまずく
その休符の間の
光る言葉との出逢い
物心がついてから
僕が始めて見た景色は
すでに何かに染まっていた
現在起きている問題は
切り捨ててきた過去の
痛みでもある
積み重なった偶然の悲劇や
結果たどり着いた皮肉的な幸運
無垢で生まれた命も
ごちゃ混ぜの運命の下にある
本を読む
孤独を忘れて
僕はたった一人になる
本を読む
もう一人が
書き残したものと対峙する
本を読む
本と遊び
本と語り
開かれたページの
そのまた向こうを開いていく
本を読む
読む前とは少し違う
自分に期待して
本を読む
作者も予想だにしていない
副作用に期待して
年末に近づくにつれ
光は清らかさを増していく
終わり方を美しくしたい
想いがそうさせるのか
歩んでいった一年を
見渡しながら過ごす一ヶ月
取りこぼしたものはないか
置き忘れたものはないか
慌しい仕事の帰りに寄る
街並みの穏やかさに
見とれ戸惑い過ごしながら
きっとあっという間に
やって来る大晦日
僕らは同じ屋根の下に集い
暮らしの重みを笑い飛ばした
始めはそれだけでよかった
それぞれに違って
だけど共有できる
過去を持ち寄り
今を補填して
暮らしてきた
なのになぜ
寄りかかれない想いが
僕らに影を落とす
それはまだ
割り切れていない昨日があるから
過去と向き合うように
僕らは向き合い
過去に語りかけるように
僕らはぶつかり合う
感性は 時に
邪魔をする
他の意見や考えを
許しちゃいかんと怒り始める
感性は 時 に
競争する
俺の感性の方が
優れていると主張してくる
殻を背負ったままの
心の中で
研ぎ澄まされた感覚が
人を寄せ付けない刃になる
服を何枚着こんても
中に忍び込む北風
目が覚めたように
起き上がる鳥肌
頼りない想いを
風がいっそう頼りなくする
星まで寒そうに
縮こまりながら光ってる
家へと帰る道に
それぞれの家の
明かりが灯っている
夕食のにおいがする
イルミネーションはなくても
温もりを感じられる
家へと歩く気持ちをつなぐ
街の光景
思ったほど
働かない第六感
定まらない未来
時の流れに
合わせ損ねて
自分でも分からない
何かがずれてる
今の僕には
頭より先に
前に進める
この足が頼り
踏み外すように
踏み込んでいく
大人への道