蝉の鳴き声は

照りつける太陽の音みたいだ

じりじりとして


歪む遠景は

溶けていくソフトクリームみたいだ

だらりだらりと


太陽は感覚に

呼びかけてくる

よってたかって

夏を演出してる


暑すぎて熱い

熱すぎて痛い

太陽が搾り出した汗が

太陽に乾かされ

渇いた喉が残るだけ

繋がれた手が

途切れて

そこには

物一つ残らなくて


あなたを

私に留めるのは

柔らかな

手触り


絶えることも

許されず

コンクリートに刻まれた

叫び


あなたの命は

私の未来に

響き渡る

遠い鐘の音のように

その一瞬に

抱き損ねた

悲しみが

後を引く


積み重なった

名もなき感情が

怒涛のごとく

押し寄せる


リアリティは

時が経って

痛感させられるもの


この想いは

引き取る人もいない

僕が抱かねばならぬもの

追い風が

行き詰った気持ちを

前に押し出す


何が可笑しかったでもなく

何を思い出したでもなく

こぼれる笑み


胸にわずかな

止まりを残して

時は吹き抜ける


歌い流せないことだって

歌にして

一瞬の世界を叫ぶ

愛しさ一つじゃ

生きていけない

忍び寄る影を

拒まず自分のものとして

向き合えるよう


憎しみ一つじゃ

生きていけない

深い闇の中に

軽々しく飛び込んだ感情を

逃さぬよう

待っているのか

恐れているのか

携帯の着信音


僕にとっての

唯一の

社会との繋がり


電話の向こうにいる

誰かに決められる

一日の運命


働き帰って

今日を

消耗する


貰ったお金は

今日を

乗り切るため


欲求を

ごまかし続ける

今日のためにしか

ないような今日だ


娯楽も勉強も

値札がついているものばかり

休むことしか

できない休日

歴史ではたどれない

過去がある

人任せでは分かれない

僕が僕になるまでの道のり


昔の誰かが歩いた

その続きを歩いている

行き先なんかなくて

踏み外すことも自由で


消え去った命は

ただ語りかける

この心臓の響きとなって

僕は走り出す

誰からもらったバトンとも知れずに

僕はつい君の心にタネを探す

何が君をそうさせたのか

答えがあると思い込む


君の言葉の裏にあるものに怯える

表の意味に浮かれながら

君の笑顔に隠れている感情が気になる

触れるべきかやめておこうか


君の何気ない行為の中にも

僕は仕掛けられた細工を探す

種のない不毛な謎解きだとしても

種明かしに愕然とする手品だったとしても

寝ぼけまなこを

こすって歩く

ずっと来てほしくなくて

早く済ませたかった一日


一夜漬けで

暗記した記憶を

こぼさないように

友達と話してても

頭の中で単語帳をめくってる


もったいつけた空気に

忘れていた緊張を思い出す

気合が入りすぎて

後ろに回すのを忘れるプリント

悲しいだけの僕じゃない

楽しいだけの僕じゃない

だけど複雑にしたい訳じゃなくて

作り笑顔なんかやってみる


他人に分かりやすい自分であろうと

心をどこかに隠したりするけど

隠してることだけはバレるから

余計に気を使わせたりする


広いだけの空じゃない

青いだけの空じゃない

分からないのに伝わってくる

空の表情がうらやましい