空が聞こえる
宵闇が聞こえる
聞こえない音を
耳は聞いている
ドレミではなく
いろはでもなく
音階にならないものを
人が定義しきれないものを
僕は覚えている
あの凪の寂しさを
僕が形になる前に
確かに聞いていた
あの歌声のゆらぎに
あの空のつぶやきに
あの星々の輝きに
今もなお鼓膜が揺れる
灰になっても覚えている
空が聞こえる
宵闇が聞こえる
聞こえない音を
耳は聞いている
ドレミではなく
いろはでもなく
音階にならないものを
人が定義しきれないものを
僕は覚えている
あの凪の寂しさを
僕が形になる前に
確かに聞いていた
あの歌声のゆらぎに
あの空のつぶやきに
あの星々の輝きに
今もなお鼓膜が揺れる
灰になっても覚えている
夜の深みで
ふと思う
あなたがいた日々を
夏の真ん中で
影も知らずに
はしゃぎ合った
どこへ行ったの
眩しすぎる朝が
奪っていった
一瞬の過ちが
すべてを手遅れにした
崩れ落ちるように
あなたがくれた温もりで
あなたを抱きしめられなかった
とうとう
今日がまだ恋しくて
線香花火に火をつけた
花火はちりちり光っていた
うっとりとした沈黙に囲まれて
大きな夜に頼りない火花を
じっとそおっと見守っていた
ふっと花火は燃え尽きて
バケツの闇に浮かんで
今日がますます恋しくなったのに
みんなに「バイバイ」を言ってしまった
総理大臣が変わっても
僕らの毎日は変わらない
変わってなるものか
そんな信念があるわけでもなく
流行りものにとらわれたり
いい気になって勘違いをしたり
右往左往してても
なんとかなってきた
これからもきっと
僕らの毎日は変わらない
変わらないと思えるくらい
少しずつの変化で
あてにならない法律よりも
自分を生き延びさせてくれる
小さな約束を大事にしながら
ヘルメットをかぶった
自転車の中学生
一心不乱に駆け上がる坂道
あの後輩たちと
同じ汗を私も流してた
就職決まった?
何県のどこどこ
そんな話もちらほら
喜びや悲しみや寂しさが
控えめに入り混じった校舎
みんながいつか懐かしむ場所が
私の誇れる場所になるように
「いつか旅立つ」
だなんて言わないで
私はここで生きていくのだから
波音は絶えぬのに
僕らの耳は飽きたりしない
今日も聞きに行く
虫の声はにぎやかなのに
僕らの心は落ち着いてくる
夏の風物詩として
僕らが一 人でいる時
ふいに気づく
肌を撫でる音色
こんなにも
音に溢れても
静かな一日がある
またその言葉?
またその展開かよ
もう収まりのいい言葉じゃ
収まりがつかない
僕らの悩みは
いつだって平凡で
もう飽きた
誰か何とかしてよ
その場限りの楽しさと
取り繕う平静さで
心をごまかしてきたから
「分かり合う」ってことが
よく分かんねえ
生半可な気持ちで
生きていけた命だ
生ぬるい闇に
埋もれたまま
周りをいくら見下しても
その上に自分が見当たらない
どこにも見当たらない
ざわめきの止まない
この教室にいない
静けさは雄弁
草木を見つめ
詩人がまた一つ
詩を受け取る
静けさは答え
私たちに託された
そこにあるものを
ここにある心で
静けさは無
だけど人は
無にも何かを
求めずにいられない
静けさは鏡
やまびこのように
私が放った言葉を
私に響かせる
言葉の食い違いが
長引いてしまったな
何にそんなに怒っていたのか
自分で分からなくなるくらい
不安を投げ散らかして
悲しみを押し付けて
傷つけながらでしか
優しくなれなかったな
幸福の予兆にも
嵐の前にも見える
おぼろげな朝
温もりに包まれて
昨日と同じ
憎まれ口の
昨日と違う
柔らかな表情
ラジオ体操の
始まりの音の元気さに
あくびをしながらつきあっていた
晴れすぎた空に
打ちのめされた体を
夏の友で扇いでいた
満杯のプールの中で
手も伸ばせずに
ただ水の中に漬かっていた
夜遅くまでテレビを見て
こんな日が
ずっと続きそうな気がしてた