悲劇というほど
様にならない人生
喜劇というほど
オチのない人生

毎日を生きやすくするために
少しずつ夢を準備する
絶望に引き出されなくても
希望は持っておきたい
二人を近づける秘密
二人を遠ざける秘密

どんなに今を共有しても
求めてしまいたくなる過去

吐き出す息が
触れ合いたがって
白くなる
未来の痛みまで
先取りして怯えていた
昨日を風に放つ

なるようになるさ
したいようにするさ
諦めと決意の間で

僕は立つ
流れる時を
肌で感じて

僕は行く
心臓のうなずきを
確かめながら
投げられ続ける問い
あらゆるものに
返事を求めるように
少年は何度も壁をたたいていた

いつか少年は大人になり
問いかけを忘れ喧騒に去る
置き去りにされた問いかけは
明日新しい少年が拾う

短い時代の中を
問いかけだけが永遠に息づく
一人一人の子どもたちを
ある成長に向かわせて
学校までの道を走って行ける
その温もりの
残りかすに励まされ

家までの道を楽しみに帰れる
その温もりが
待ってくれていると信じて

何度もこたつを往復する
冬空の下
暖かい記憶に飢えては満たされ
指先で詩を探し
ようやく生まれた言葉を
ページいっぱいに広げて
誰かの目にとまるのを待っている

文字でしか
全てを伝えられない世界でも
想いは紛れ込まずにいられない
俺が受けた想いを
あいつらにも
味わせてやる

悲しみの単位は
人それぞれで
測れないのに

悲しみを
釣り合わせようと
途切れることなく
落とされる爆弾
本当は夢なんて
どうでもいいやって
思うことがある

誰かが帰りのチケットを渡してくれたら
僕は迷いもなく
最終電車に飛び乗るだろう

今日も疲れた体には
予定しか残らない
壊したいスケジュール

思い描く余裕を失くして
見えすぎてしまった明日を
僕は涙でぼかして行くんだ
気分次第で
自転車ひとつで
どこまでも行けた

帰り道だって
恐れることはなかった
パンクも
チェーン切れも

思いつきの目的地に
たどり着いた時には
見たかった景色は
真っ暗で見えなくて

遠くまで来たことを
後悔しながら
笑って帰った
理由がないのが
強みだった頃
言葉より深い
君の仕草から聞こえてくる
入り混じり合った感情が

寂しがりの風に揺らされた
木から漏れてくる
くすぐったそうな笑い声が

不安に縮こまりながら
思い込みで飛び上がりながら
ここまで来た

幾つもの空耳に
導かれて