強い光をほぐす春風
草花の一つ一つをタッチしながら
形あるものと
ないものを繋いでいく

気まぐれな意思を持って
向かって行く旅
今日は何処の景色に
色をつけようか

空にばらまかれた
ほのかな匂いに誘われて
もぞもぞと芽が地面から
太陽の近くに寄ってくる
自由や幸福
考えていないときの方が
そうなれそうな言葉の数々

余白に飢えている
何かを忘れることでしか
癒されないくらいに

あからさまな嘘を
信じそうになる
ただ夢中になりたくて
君にあげたい
今すぐに

完成してからじゃ遅すぎる
この気持ち

君に届けたい
真っ直ぐに

正直すぎて言葉にならない
この気持ち
夜勤を終え
一晩分の疲れを抱えて帰る
住みなれた家へ

昼とは違う
信号の速度が
違う世界を醸し出す

道の途中で
すれ違う
これから働きに行く人々

コンビニに立ち寄れば
せっせと
商品を並べる人

僕らは
朝でさえ
同じようには迎えられない

二つの手の間を
行き来する
小銭と缶コーヒーとレシート

ドアを開いて
眠ることから
始まる一日
記憶に誘われて
自分だけの
故郷を見つけに

遠い昔に失くしたものが
見つかりそうな気がする
懐かしい明日

懐の大きな
未来に抱きしめられたくて
今飛び込む
心がざわめく
一本の木と同じように
冬が引き裂かれていく
痛みの音がする

時が掘り起こす命
命がもたらす温もり
風が作った隙間に春

激しい情熱を持って
訪れる優しい季節を
窓越しに見届けながら
するするとお茶を飲む
探しものをようやく見つけたら
探すものがなくなって
始めて空しさを覚える

何不自由ない暮らしの中で
不自由な時間を求めて
これからも探し続けるのは僕
始めは誰もが
手持ちぶさたで
生まれてくる

途方もない自由に
あっけにとられながらも
繋がれたい

寂しい手を
満たそうとして
空回りの先に
柔らかな感触

触ったものは
何だろう?
僕が君と話す時
二人して考えるのは
あいつのこと

僕があいつと話す時
二人して考えるのは
君のこと

いつも二人で話しても
いない誰かを気にしてる
お互い口にはしないけど

君があいつと話す時
二人して考えるのは
それはまだ怖くて
想像したくない
同じセリフで
やり過ごしているうちに
いつしか硬直して
動けない心

自分の辞書に載せた
言葉の意味を
書き換えられないで
波の前に一人

空と海とが
かすれ合う水平線に
溶けていく時間を
見つける