春風強い光をほぐす春風 草花の一つ一つをタッチしながら 形あるものと ないものを繋いでいく 気まぐれな意思を持って 向かって行く旅 今日は何処の景色に 色をつけようか 空にばらまかれた ほのかな匂いに誘われて もぞもぞと芽が地面から 太陽の近くに寄ってくる
夜勤帰り夜勤を終え 一晩分の疲れを抱えて帰る 住みなれた家へ 昼とは違う 信号の速度が 違う世界を醸し出す 道の途中で すれ違う これから働きに行く人々 コンビニに立ち寄れば せっせと 商品を並べる人 僕らは 朝でさえ 同じようには迎えられない 二つの手の間を 行き来する 小銭と缶コーヒーとレシート ドアを開いて 眠ることから 始まる一日
春一番心がざわめく 一本の木と同じように 冬が引き裂かれていく 痛みの音がする 時が掘り起こす命 命がもたらす温もり 風が作った隙間に春 激しい情熱を持って 訪れる優しい季節を 窓越しに見届けながら するするとお茶を飲む
三人僕が君と話す時 二人して考えるのは あいつのこと 僕があいつと話す時 二人して考えるのは 君のこと いつも二人で話しても いない誰かを気にしてる お互い口にはしないけど 君があいつと話す時 二人して考えるのは それはまだ怖くて 想像したくない