RE/F-TECH の足あと by u-tak

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RE/F-TECHとは、ビンテージ、アンティークをこよなく愛するミュージシャンu-takが、
旧き良きギター、アンプを中心に、修理、カスタムする小さな工房である。。。
子供たち(子役)の成長記も、ぼちぼちとお届けします。

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本日は地区の自治会の総会でした。

本日で無事に地区長は終了~!

時間を取られることが1つ減ります。

助かります。

 

しかし、自治会に参加してみて分ったことは、自治会がしっかり機能しているからこそ、今住んでいる街は住みやすいのだと言うことです。

市や区で手が回らないところ、後回しにされるところ、予算が取れないところをしっかり自治会がカバーして、街が快適に保たれていることが分かりました。

 

例えば道路の舗装の傷みの補修や、緑地帯の木々の管理ひとつ取っても、比較的スピーディーに改善されているのは自治会の活動によるものでした。

 

地区長はお役御免となりましたが、今後も出来るだけ協力して行こうかなと思います。

 

 

 

さて、L.R.BuggsのLyricの修理の続きです。

前回は、修理が終わって発送準備をし、発送前に最終チェックを行ったら・・・

音が小さくなっていたところまででしたね。

 

 

これは、前回の2023年2月のLyric修理の時と同じ症状。。

 

その1にも書きましたが、その2023年に修理したものと、基板のパターンが変わっています。

おやおや?と思って更に私物のLyricの基板パターンを見てみると、これはトランジスタ2N5485も無くなって(チップ部品化されて?)おり、回路パターンも変更になっていました。。

 

修理の度にパターンが違うのは面倒ですが、仕方なさそうです。

 

それはさて置き、基板パターン上で怪しいところが無いか再チェック。

先ずはパターンの汚れを落としてみましたが、効果なし。

 

再度、各チップ部品までハンダ付け部分をリハンダ。

(下の写真は前回も掲載したものでイメージです。)

これも効果なし。

 

仕方なく、2023年の修理時と同じ様に回路パターンを書き出して、各ラインの動作内容を確認しながら正しく動作していない部分を探すことにしました。

 

ここまでで既に2か月が経過していましたし、時間が掛かるので避けたかったのですが。。

 

その後、色々な修理や製作の合間をぬって少しづつパターンを書き出し。

と、ここでパターンを細かく追っているうちに、前回2023年の修理の時に故障していて音量が小さい原因になっていた、デュアルトランジスタ(下の写真の白矢印、ABCと書かれた6pinの素子)の端子部分の接続が不安定であることが判りました。

上手く写真には撮れませんでしたが、デュアルトランジスタの本体の下にハンダかすの様なものが入っており、これが中途半端に6pin端子の2つのパターンをブリッジしている様に見えました。

 

そこを修正。

本体の下に入っていたため、リハンダ時に入り込んだものでは無い様に見えました。

 

いずれにしても、ここを修正したことで無事に音量も復活!

アコギの表面に貼り付けて動作チェックしましたが、当初の修理の対象だった異音も無く、スッキリした出音です。

 

と言うことで、今回のLyricの修理のご依頼であったゴソゴソ・・・ポン・・・等の異音や雑音の原因は、メインのプリアンプT062の不具合でボソボソと言うノイズが出て、デュアルトランジスタのハンダパターン部の異物の微妙な接触により、時々ポン(ブツッ)と言う音が出ていたのではないかと思われます。

 

 

最終的に、修理完了まで10か月掛かってしまいましたが、今回も無事に修理させていただく事ができました。

修理記事のブログ掲載を快くご了承くださいました依頼者様に感謝申し上げます。

 

 

と言っている間に、リアルでは修理のご依頼を次々といただいております。

この次は、ワイヤレスシステムの配線修理、その後はビンテージの箱ものギターの配線修理が2件、ビンテージのテールピース折れ修理・・・ 

ギターシンセの修理もあります。

 

グログに掲載できるものは、順にアップして行きます。

 

 

 

 

 

 

では、また。

u-tak

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なんだかスッキリしない天気が続きますね。。

世間は今日からGW???

皆さんは何か予定を立てておられるでしょうか?

 

u-takは本日、長女の奏さんと30-DELUXのデスティニー「アドラメレクの鏡」を池袋のサンシャイン劇場へ観に行きました♪

 

調さんがUSJ時代からお世話になっている、田中精さんがベンゲル タール役で、One Piece音宴でお世話になった村瀬文宜さんがグリューン役でご出演されています!

 

 

テンポ良い進行、そうなるのか!と言うストーリー展開、考えさせられる価値観、歌とダンスと殺陣。
ノリと笑いも!


エンタメとしての魅力も、舞台としての演技や迫力も楽しめる作品でした。
皆さまも、よろしければ是非!

 

残念ながら調さんは稽古&休日も模試やら何やら色々あって、行けそうにありませんが。。。

 

 

 

 

 

さて、本題です。

L.R.BuggsのLyricの修理をさせていただきましたのでログに残します。

実はこの修理、昨年の7月にお預かりしましたので、修理に10か月近くかかってしまいました。。

他の修理もかなり混み合ったと言うのが大きな要因の一つではありますが。

 

実はLyricは過去にも修理させていただいた事があり、その際も回路の調査から始まり、5か月ほど掛かりました。

 

 

 

もちろん、依頼者様には数か月掛かる場合があるとお伝えし、了承いただいた上でのお引き受けでしたよ。

 

症状としては問題なく音は出るのですが、しばらくするとゴソゴソ・・・ポン・・・等の異音や雑音が出るとのことした。

また、ギターから外して単独であれば異音は出ず、ギターに搭載すれば出る、とのことでした。

 

先ずは単体で出音のチェック。

この状態でも正常な物に比べ、出力のレベルが低く感じられ、音量を上げると奥で小さくボソボソと異音がしています。

 

次にギターに仮搭載してチェック。

この状態でも同様に奥で小さくボソボソと異音がしています。

長い時間繋いでいると、そのボソボソ音が少しずつ大きくなる様に感じられました。


RE/F-TECHでのチェックでは、ギターに搭載してもしなくても異音が出る結果でしたが、いずれにしても修理が必要な状況です。

 

これは・・・なかなか難しそうです。

オーディオ系でボソボソノイズの要因と言えば、電源系か接点接続部の事が多いのですが、電池駆動の小さなプリアンプですので。

疑うとすれば、基板パターン間での何らかの信号や電力の微小漏れが起こっているか、半導体系の部品が不良かではないかと視察します。

 

チップの抵抗やコンデンサはかなり安定な部品ですので、短期間で簡単に劣化はしませんので。

 

と言うことで、先ずは基板表面のパターン間に付着しているグリスやホコリを念入りに除去してみます。

結構付着物があります。

が、大きな効果はナシ。。

 

基板パターン表面のコーティングも、怪しい部分はピッケルで少しコリコリと削ってみましたが異音の改善は見られませんでした。

 

そこで・・・

いつものシグナルトレーサー登場!

しかし、出力部から基板パターンを遡っていってもノイズは同じで、途中から出力のレベルが小さくなってシグナルトレーサーでは追跡できず。

 

その状況から、メインのプリアンプT062含め、それ以前の回路にある半導体部品が不良か、劣化しているのではないかと推測しました。

 

そこで半導体部品を順にチェックして行きます。

先ずは分かりやすい3本足の2N5485をトランジスタチェッカーで確認。

問題ナシ。

 

その他のチップ部品はテスターの抵抗計で簡易チェックしましたが、特にハッキリ異常と分かる物はありませんでした。

まあ、増幅されたPUの音は出ているので、そりゃそうかと言う気もします。

 

と言うことで、思い切ってメインのプリアンプT062(通常パッケージで言うTL062)を交換してみます。(下の写真の黒矢印)

交換用のT062は前回も調達したのですが、手持ちが無くなっており改めて調達。

T062の脚には予備はんだを。

そして慎重に、T062を外します。

しかし気を付けて作業したのですが、T062を外したところ本体の下を通るパターンがあり、そのパターンの浮きを発生させてしまいました。。

 

このパターンは前回修理したLyricには無く、回路パターンが変更になっていた様です。

 

ここは前回の修理時もパターン浮きを発生させており、カッターでしっかりパターンを押さえながらはんだ付けを外したつもりだったのですが、ICの下側にパターンが伸びているとは予測できず・・・

結果、その本体の下のパターンがTO62の脚に引かれて浮いてしまいました。

 

その浮いたパターンの部分には細いワイヤを這わせて導通を確保し、T062を交換。

上の写真の矢印部の様に、仕上がりが少しキレイではなくなってしまいましたが、上手くT062は交換することが出来ました。

 

更に、全てのはんだ付け部を念のためリハンダ。

そして再度、音出しチェック。

結果、ボソボソノイズは解消! 


・・・したのですが、依頼者様に返送する準備をして、発送前に再チェックをしたところ、

 

あれ?

音が小さくなってる・・・

 

これは、前回修理の時と同じ症状。。

 

 

ここからが長かった~

と言うことで、今回はここまで。

 

次回は、音量が下がってしまった原因を調査して行きます。

 

 

 

先ほど、調さんが帰宅。

模試を受けた後、美容院に行ってきた様です。

かなり髪が伸びていましたので、少しスッキリしましたよ。

 

 

 

 

 

 

では、また。

u-tak

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昨日から急に暖かく・・・ いや、暑くなりましたね。

昼間はTシャツでした。

 

春はどこへ???

 

 

 

さて、ここのところ、

RE/F-TECHのミニエンドピンジャックが搭載されたアコギを購入しました!とか、

RE/F-TECHのステッカーが着いたギターを入手しました!

と言う話を、連続で聞かせていただいています。

 

これも、昨日書いた「何かの周期?」みたいなものでしょうか。

 

嬉しい話であると感じる反面、結構、楽器は世間を巡っているのだな~とも思います。

 

楽器は演奏家にとって自己を表現する大切なツールであると共に、音や演奏性、弾き心地で演奏家個人にとっての価値が決まるような物でもありますので、不要となれば次の好みの合う持ち主に引き取られ、巡って行くのは仕方がない事だと思います。

 

今まで製作したり、カスタムさせていただいた楽器や部品たちが、誰かの価値観や嗜好にマッチし、愛されている事を願います。

 

 

 

さて、そんな中で、エンドピンサイズのエンドピンジャックである、ミニエンドピンジャックの問い合わせがジワジと増えてきております♪

 

正式名称は「Accoustic End-Pin Jack」としていますので、普通に言えば「エンドピンジャック」なのですが、世間に普及しているエンドピンジャックと言えば、標準プラグ/ジャックサイズの大きな物をイメージする方が多いため、敢えて「ミニエンドピンジャック」と呼んでいます。

楽器関係のショップ様からも、ご注文や問い合わせをいただいたりしています。

 

やはり、高価なアコギやビンテージのアコギでは、エンドピンの穴を拡大加工したくないですよね。

そのため、一定のニーズがあるのだと思います。

 

このエンドピンジャックの始まりは、2008年でした。

もう、17年も経つのですね。時の流れは速いものです。

 

当時、u-takは国分寺(最寄り駅は国立)に住んでいて、仕事場は八王子から八高線で2駅の小宮で、TOYOTAのデザイン研やオリンパスの技術開発センターの近所でした。

 

そのため、近隣の楽器屋さんの中では、福生の(有)音吉さん(キャットロックさん)を良く見に行っていて、仲良くしていただいていました。

 

2008年の秋から冬の頃だったと思います。

マーチンのアコギ内部にPU(ピックアップ)を取付けたいのだけど、ギターを加工せずに出力を取り出したい、との相談を受けました。

エンドピンから出力を取り出せないか?と。

 

当時の某有名アコギの総代理店の方からも相談されていた様に思います。

 

u-takは元々研究開発職ですので、エンドピンをくりぬいて中にヘッドホンのミニジャックを埋め込めば良いのではないかと言うことで、すぐに試作してみました。

 

最初はミニジャックの内部だけを販売してくれるところが直ぐには見つからず、ヘッドフォンの延長ケーブルを購入し、それを分解してミニジャックを取り出して使用しました。

これは外径が結構太く、エンドピンのくびれた首の部分の中を通すにはギリギリの寸法でしたが、数年間はこれを使用していました。

 

マーチン製のギターがメインターゲットでしたので、贅沢にもマーチンのエンドピンを使用し、テーパーになった差込部を旋盤に何とか固定して中心に穴を開けると精度良く穴を開けることが出来ました。

 

そこにリード線を付けた上の写真のミニジャックを挿入して試作品を作製しました。

それが1号品です。

写真が・・・ ありそうで無い。。 残念。

 

それを実際にアコギに実装してみたところ、良い感じでしたので一気に話が盛り上がり、本格的に企画・開発することになりました。

どうやって量産するか、部品はどうやって調達するか、加工はどうするか、それらの原価計算と収益モデルの検討・・・

 

そして、実用新案の取得も。

 

当時は部品で販売した場合には取付けの際におそらく毎度問い合わせが来るだろうと推測し、部品売りはしない方向としました。

販売は取付け加工を行うショップさん限定でした。

そうすれば、ショップさんにしっかり情報をお伝えすれば済みますので。

 

並行して試作品を色々なギターに搭載していくと、搭載するギターによってはノイズが大きいという事が判りました。
そこで、エンドピンのテーパーになった差込部に銅テープでシールドを施したバージョンを開発しました。

しかし、これは外周の銅テープと内部のシールドを接続する部分の構成が難しく、また銅テープの重なり具合で太さが安定せず、見た目も悪い・・・

と言うことで、エンドピンの内部からテーパーになった差込部まで導電性塗料でシールドしたバージョンが基本となりました。

 

バリエーションも色々検討しました。

モノラル(2極)仕様、ステレオ(3極)仕様、ステレオ+アクティブPUの電源SW用に対応した4極仕様、5極仕様。

 

下は当時の5極仕様。

こちらは現在生産中止しています。

 

5極タイプをベースに、出力の+、-がWコンタクト(接点)となるように、あらかじめ2芯シールド線で引き出した3極Wコンタクトタイプ。

こちらも現在は製造中止していますが、ご要望があれば製造可能です。

 

更に、ギター内に取付けるPUからはシールド線が出ている場合がほとんどで、エンドピンジャック側からもシールド線が出ていると、ギター内で接続するのはサウンドホールから引き出して接続できますが、その後にギター内に戻すとケーブルが過剰に余ってしまうという問題が分かってきました。

 

それを解消するために、シールドケーブルを無くした端子タイプを開発しました。

これが現在の標準品です。

 

更には端子ではなくφ2.5のミニミニフォンジャック変換タイプも作製しました。

こちらは細いミニミニジャックの入手が安定せず、ミニミニジャックまで内製したものを開発しましたが・・・

耐久性が保証できないため製造中止となっています。

 

エンドピンの加工も苦労しました~

 

試作の頃はエンドピンの穴開けに大型の旋盤をお借りしていましたので、かなり安定して穴あけが出来ていました。

しかし量産を考えると毎回大型の旋盤を借りる訳にも行かず。

 

そこでボール盤を購入し、ボール盤のドリルチャック部を改造してエンドピンの差込テーパー部を保持できる様にし、ボール盤の下にバイスを置いてドリルチャックを固定し、ドリルを上向けに立てて回転させたエンドピンを押し下げて穴を開けていました。

これはドリルの中心と垂直を出すのが非常に難しく、歩留まりが悪く、かなりのエンドピンを無駄にしました。。

当時の失敗作。

少し中心がブレると穴が大きくなってしまい、くびれの部分が破れてしまっていました。

 

現在はミニジャックが某メーカーの信頼性の高いスリムなモノになっていて、寸法にも余裕があります。

更にはエンドピンも神戸のカスタム家具を製造している工房で精度良く加工をしていただいています。

端子用の基板も、当初はu-takがエッチングしてカットして製作してましたが、現在は基板屋さんにて製作していただいています。

 

 

そして、現在問い合わせが増えているのが、コネクタ接続タイプ。

コネクタを接続した場合の最大幅でもエンドピン穴を通る様に、4極基板タイプより少し端子基板の幅が細くなっています。

 

下がコネクタ付き4極シールド線のコネクタ部。

白いマーキング部分がGNDで、接続時の方向合わせの目印です。

コネクタ付き4極シールド線の先にφ2.5ステレオプラグを付け、L.R.BaggsのM1やM80、Anthemなど、プリアンプ本体にミニミニプラグの出力線を接続しするタイプのアクティブPUシステムとの組み合わせで使用します。

M1やM80付属する出力ケーブルを置き換えていただけば、エンドピン穴を広げることも無く、ハンダ付けをすることも無く、出力を取り出すことが出来ます。

但し、アンプへの接続にはミニフォンプラグ-標準プラグのシールドケーブルが必要になります。

また、ミニプラグ/ジャックは小さいため、端子も標準プラグ/ジャックに比べて小さいため、耐久性面で不安に思われる方もおられると思います。

 

その場合は上の写真の様にL型ミニプラグを使用していただき、シールドの荷重がエンドピンジャックのプラグ/ジャックに掛かり難くしていただく事をお薦めしています。

また、シールドは細目で軽く音の良いモノを選定いただき、更にプラグをステレオ仕様にしていただき、プラグ/ジャック接続をW接点仕様としていただくと安心です。

 

W接点仕様について説明します。

 

RE/F-TECHのエンドピンジャックは、中のミニジャックが5極構造となっています。

そこで、シールドケーブルのエンドピンジャックに接続するミニプラグ/ジャックの配線を以下の様に行います。

 

・Tip(先端)とRing1(先端から2番目)を両方信号の+に接続することでW接点(2接点)とします。

・次にRing2(先端から3番目)は電源SWのマイナス。

ここはエンドピンジャック内で先端から3番目と4番目に繋がっており、そこでW接点となっています。

・Sleeve(根元)にマイナス(GND)を接続。

 

その様に接続することで、+信号と電源の接続信頼性が向上することで接触不良が発生し難くなります。

 

ですが、まだコネクタタイプは量産体制になっておりません。

手加工部分が多いため、ご相談いただきましたら製作しているという状況です。

ご興味がある方はご相談ください。

 

先ずはハンダ付け作業が必要にはなりますが、RE/F-TECHのエンドピンジャック4極端子基板タイプをお試しください!

 

 

 

 

では、また。

u-tak