軍曹!時間だ!… -93ページ目

小さなお客さん

玄関先に小さなお客さんが来ていた。


コクワガタ


一昨日あたりが真夏日記録したからでできたのかな?
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10式戦車試作車の謎に迫ってみた

以前、当ブログで車体試作に4号車砲塔を乗せたものと推測した謎の試作車
http://ameblo.jp/type60mbt/entry-11149619362.html#main

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「謎の試作車」【防衛生産・技術基盤研究会資料】資料②より


「軍事研究」や「PANZER」でも謎の試作車とされているが新たに判明した事項から推定してみる。
さらに、試作0号車(仮称)と呼ばれる車体番号99-0214についても推定してみた。


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「試作0号車」


さて、試作車についておさらいしておこう。

試作車概要については以下のサイトに一戸 崇雄 氏の寄稿に詳しいので参考まで。
http://www.hyperdouraku.com/military/type10mbt/index.html
10式戦車の開発と試作車 文: 一戸 崇雄


上記では試作1号車が2006年1月となっているが自分が撮影した名盤による納入次期は以下の通り


試作1号車

車両番号:99-0237

製造年月:2008年1月

撮影:2011年7月 富士学校

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試作2号車

車両番号:99-0238

製造年月:2008年1月

撮影:2011年10月 武器学校

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試作3号車

車両番号:99-0239

製造年月:2008年4月

撮影:2010年8月 総火演

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試作4号車

車両番号:99-0240

製造年月:不明。おそらく3号車と同時期

撮影:なし。防衛技術研究所HPより引用
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では試作0号車(車両番号:99-0214)とは?

モジュール装甲やサイドスカート等のデザイン細部の差はあるが

基本設計は試作1・2号車と差異は認められない。

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何なんだろうか?と悩んでいたのだが、とある資料を発見

【予算執行事前審査等調書(平成22年度第4四半期)】
この中の機動戦闘車の項に注目した。
機動戦闘車の試作(その3)についての調書なのだが
調書中の試作品の構成内分けの図からあることが分かる。


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機動戦闘車は試作(その3)で砲塔システムと車体システムを作り、試作(その4)で小隊単位の4両を作ることになっているが、試作その4で新造するのは2号車と4号車のみで1号車は試作(その3)の車体と砲塔を結合したものを改修流用し、3号車は試作(その2)の車体部を改修、砲塔部を新造するというものである。


10式戦車においても同様なことが行われたのだろう。
防衛技術ジャーナル2012年3月号の「10式戦車の技術試験」によると「実際に射撃も走行も形をなしたのは試作(その4)からである」と記されていることから、試作0号車(車両番号:99-0214)は試作(その4)における全体試作車ではないのだろうか?

機動戦闘車は試作(その4)で4両の試作が作られるようになっているが、10式戦車は前述の防衛技術ジャーナル記事においても4両の試作車が製造されたのは試作(その5)という記述があるので、10式戦車の場合は先行全体試作車として試作(その4)で戦車システムとしての全体試作車が製造されたのだろう。


このことから、件の6脚車体を持つ試作車車体部は試作(その3)における車体部試作の可能性が高い。
その車体に、11式装軌車回収車の試作車車体に流用され余った試作4号車の砲塔を載せたものであろう。
【追記】参照


真偽のほどは定かではないが現状で公表されている資料で謎の試作車について考察してみた。


個人的には何故このように試作車両を秘密にするのかが分からない。
ぜひ公開してもらいたいものである。
富士学校の装備品展示場に今年の夏には展示されていることを願ってやまない。



【追記】 (2012年7月16日) 

11式装軌車回収車の試作車は新規開発ということで試作4号車は某所で現存するそうです。

ただし、砲塔は試作(その5)の砲塔を載せたものというこだが、試作(その4)は撃っちゃったから現存しないと聞いたので試作(その3)の車体に試作4号車の砲塔を載せたもののようです。


10式戦車について気になる事項

気になっている事がある。


駒門記念行事における10式戦車特別展示において掲示してあった主要諸元である。


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全長:9485mm(9.43m)
車幅:3120mm(3.24m)
全高:2300mm(2.3m)
質量:43.25t(約44t)


()内はこれまで公表されていた数値である。
全長は5㎝程長くなっているが、大したことではない。

問題は車幅である。
3120mmつまり3.12mである。その差12cm!!

どういうことだ?12センチメートルも狭くなってる!!


ははん!読めたぞ!


「車幅」と書いてある。

車体幅だな。つまり、全幅ではない。
スカート脱いだ・・じゃねえ、外した状態だな


74式戦車だと全幅3.18m、車体幅3.12m

74式戦車は車体より履帯がはみ出ているので車体幅と全幅が異なる。
90式戦車だと全幅3.43m、車体幅3.33m

90式戦車の場合はスカートの有無で幅が異なる。


74式戦車(改)だとスカート履いた全幅が3.27mだ


なんと!


10式戦車の全幅って74式戦車と同じというか、スカートなしの状態だと74式戦車よりも全幅狭いじゃん!

どうりですんなりトレーラーに載るはずだ。


まてよ?


2009年に、78式戦車回収車が貨車輸送された。
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78式戦車回収車は履帯を外した状態、車幅3120㎜の状態で積載輸送されたわけだ。

つまり、74式戦車(78式戦車回収車も幅は一緒)は履帯を外さなきゃ貨車輸送できないという事だよね。


履帯を外した状態の74式戦車と10式戦車は同じ車幅


10式戦車って履帯付きで貨車輸送が出来るとですか?


う~ん・・・奥が深いな。


もう一つは重量


「質量」と書いてあるのが気になるし「43.25t」細かいな43.2t43.3tじゃいけなかったのだろうか?


74式戦車の投光器付の重量が38.2t、90式戦車の重量が50.2tだから10式戦車も43tとこれからは表記されるのだろうか?