軍曹!時間だ!…


1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

10式戦車の構造概要

一部修正

 

15年ほど前に作成した10式戦車(試作車)の3D画像

ちなみに、当時公開されていた情報をもとに推測し作成した

 

図のように車体には操縦手、砲塔には車長と砲手の2名の計3名が乗車する

実弾射撃時には安全係(陸曹)が乗車する

74式戦車までは砲塔側面にいたが

90式戦車からは砲手後方に搭乗するのが一般的だ

 

砲弾炸裂位置は装填ドア付近と推測

 

破片により自動装填装置内にあった搭載弾薬が誘爆

ブローオフパネルの作動により自動装填装置内の誘爆圧力は

車外上方へ拡散

車内への影響は最初に破裂した砲弾による加害のみだろう

衝撃波、爆圧及び砲弾破片による加害になる

 

乗車位置の関係で車長及び安全係は直撃

爆発衝撃波と濃密な破片を浴びることとなる

砲手は砲尾や砲塔内の安全枠等の障害物で影響がやや減少

操縦手は破裂位置から距離が離れているのと

砲塔内機器等の障害物により影響が軽減される

爆圧と回り込んできた砲弾破片による傷害というところだろうか

 

図中に「弾薬ホルダー」と描いてあるが、10式戦車は90式戦車と異なり

自動装填装置内の砲弾は1発ごとホルダー(筒のようなもの)に入っている

フランスのルクレール戦車や韓国のK2戦車のものに類似している

ホルダーのみだと絵的につまらないので1発だけ再現したものだ

 

ある意味、ホルダーに入っているから破片防護力がある程度はあるのかな?

とも思ったが至近距離の爆破破片にはさすがに耐えられないのだろう

 

 

 

続・10式戦車砲弾破裂事故

さて、解像度の高い現場写真だ

どちらも読売新聞オンライン

読売ヘリからの空撮であり

撮影者は中原正純さんである。

 
 
超望遠レンズで撮影してる為か10式戦車がおもちゃに見える
拡大すると砲塔上面に設置されている4枚のブローオフパネルどころか
砲塔機器用のハッチも飛んでいる。というか、枠ごとかな?
自動装填装置の上面板自体が少し浮いているようにも見える
右には爆風で飛んだ重機関銃と砲塔機器用のハッチだろうか?
左の白い四角の物は脱出ハッチだと思っていたが、操縦手ハッチの可能性もある
ということは自動装填装置内の砲弾が爆発したことを表す
 
自動装填中に隔壁扉付近で何らかの理由で装填中の砲弾が破裂
破片が自動装填装置に格納されていた砲弾に誘爆したのだろうか?
砲塔内での砲弾破裂だけではブローオフパネルは作動しない
 
疑問はさらに増えたな。
 
 
車体後方が沈んでいるという指摘もあったが、前上げ姿勢だな
最初、この写真を見て左の二人の隊員の間の物は脱出ハッチと思っていたが
先の写真だと横長なものに見えるし、スライドガイドのようなものも見て取れる
操縦手用ハッチが車体に付いていないのも分かるので操縦手用ハッチの可能性が大きい
 
 
もしかして爆圧で吹っ飛んだのだろうか?
だとしたら、操縦手は良く生きていたものだと思う
 
 

 

10式戦車砲弾破裂事故

残念な知らせが飛び込んできた。

 

まずは、亡くなった戦車隊員たちの御めい福を祈る。

 

大分県にある陸上自衛隊の日出生台演習場で実弾射撃中の10式戦車の砲塔内で砲弾が破裂したというものだ。

車長、砲手、安全係の3人が死亡し、操縦手が負傷した。

 

2名は即死、1名は心肺停止後に死亡が確認されたそうなので、砲弾は砲尾で破裂し、左右にいた車長及び安全係が即死、やや離れた場所の砲手が心肺停止状態だったのだろう。操縦手の女性自衛官は爆破衝撃を受け前方の操縦ハンドルやパネルに激突した可能性がある。

 

元戦車乗員として、胸が苦しくなる出来事だ。

 

同様の砲塔内での戦車砲弾破裂事故としては昭和50年代に61式戦車の砲塔内で黄燐発煙弾が破裂した事故があったようだ。。

この事故では装填手が死亡、車長、砲手が負傷したという話だ。

聞いた話なので確かではないのかもしれないが、この事故は砲発射により後座した砲尾に装填手が抱えていた次弾の黄燐発煙弾(WP発煙弾もしくは白リン弾)の弾頭が当たったという話だった。

詳細は分からないが、弾頭亀裂により黄燐が自然発火、その熱で内部の少量の炸薬が爆発し砲弾が破裂したのではないかと推測する。

 

なぜ、対戦車榴弾は破裂したのか

 

10式戦車の使用する対戦車榴弾は90式戦車も使用するJM12A1対戦車榴弾である。

この弾は戦車を主に攻撃する徹甲弾の補助に用いられる多目的弾である。

ドイツラインメタル社が開発したDM12A1HEAT-MP(多目的対戦車榴弾)を国内ライセンスしたものだ。

重さは約23㎏

弾頭には炸薬(爆薬)として2㎏のA型混合爆薬が入っている。

TNT爆破薬(1ポンド)換算で5本相当

 

信管はPIPD(point ignition base detonation)と呼ばれるもので弾頭点火弾底起爆方式になる。

 

スパイクノーズと呼ばれる弾頭の先端には着発センサーとしてピエゾ圧電素子が組み込まれており、先端に圧力が加わると点火電気を発生する。

先端以外の弾殻が衝突しても発火するように2重起爆の信管になっている。

また、電気信号で起爆するためアーミング(安全装置解除)した場合には静電気でも起爆する。

 

対戦車榴弾は他の榴弾などと同様に安全装置として機械的(物理的)に火薬経路を遮断しており、その解除には発射衝撃(発射による加速度)が必要となる。

一般的には発射による加速度でロックが外れ砲口を出ると空気抵抗による減速もしくは時限装置の作動で火薬経路が構成される。

これは、砲口をでてすぐに爆発しないような安全距離を取るためだ。

 

さらに、120mm対戦車榴弾に使用されるJM781A2弾底信管は90mmや105mm用の対戦車榴弾と異なる安全設計がなされている。

90mmや105mm対戦車榴弾は火薬経路が構成されれば後は電気信号待ちであり、不発弾となった場合には静電気等の電気信号でも起爆の危険がある。

120mm対戦車榴弾の弾底信管は発射加速により電気をコンデンサーに貯めてセンサーからの電気信号はコンデンサーの電気を開放するスイッチという二重構造であり、コンデンサーに起爆用電気が溜まっていなければ火薬経路が構成されていても爆発しない仕組みなのだ。

不発弾となった場合、一定時間が過ぎてコンデンサーが自己放電してしまえば安全な状態となる(はず)。

 

点火用のセンサーは非常に敏感であり、電気発生圧力は秒速900m前後で数グラムのものにぶつかると作動し、弾頭先端以外でも数十グラムのものが衝突すれば作動するという敏感なものだ。

このため、雨や雪などが降っている場合には過早破裂のため射撃できない場合がある。

計算すれば砲弾が衝突した場合、どの速度があれば点火可能信号が出るか分かる。

 

つまり、砲塔内で爆発するためには

 

① 信管の組み立てミスその他の要因で火薬経路が構成されていた(アーミング状態)

② コンデンサーに起爆に必要な電気が溜まっていた

③ 弾頭に発火可能な衝撃を与えた、もしくは静電気が発生した

 

上記がすべて揃わなければならないはずだ。

 

①は起きてはならないが無いとは言えない。

③は、私自身がやったことある。

問題は②だ。

自動装填の装填加速で十分な電気が溜まるのだろうか?

もしそうであれば信管自体の欠陥となる。

もっともドイツは「自動装填速度は想定外」と回答するのかもしれないが。

 

いずれにせよ詳細は部内の人にしか分からないのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>