2013防衛技術シンポジウム(RWS)その2
ちょっとRWSについて補足説明
展示品には御覧のように12.7mm重機関銃の模造銃が付いている。
この模造銃には握把(あくは:ハンドル)が付いている。
これを見ると、リモートによらず握把を握った手動射撃もできるように見受けられるが実写シーンを見ると
画像は右後ろから撮影したもので左上のものが重機関銃の後部である。
御覧のように握把は装着されておらず機関銃上部には線の付いた箱が付いている。
つまり標準の重機関銃ではなく12.7mm重機関銃(砲塔式)と言われるものが付いている。
標準のものの正式名称は12.7mm重機関銃(旋回式)である。
12.7mm重機関銃(砲塔式)は73式装甲車や96式装輪装甲車の銃塔に搭載されるものと同じである。
NBC偵察車及び化学防護車も73式装甲車などと同じ銃塔を装備する。
銃の上の箱の中身は撃発用の電気ソレノイドが入っている。
だからケーブルが付いているんだな。
ちなみに61式戦車にも同様の重機関銃が装備されていたが
61式戦車のものは12.7mm重関銃M2(砲塔式)が正式名称である。
「M2]が付された名称のものは供与か有償供与品であり国産(ライセンス)ではない。
国産(ライセンス)品には「M2]は付さないことになっているのだ。
余談だが、M2を含む12.7mm重関銃(砲塔式)の弾薬箱は付属品であり、画像のタイプのものが正式なものである。つまり61式戦車の重機関銃用の正式な弾薬箱は画像の様な縦長のでかい弾薬箱であったことは意外に知られていない。
・高低装置
・視察照準用高低装置
・方向装置
となってる
てっきり照準装置は銃架と一緒に動くと思っていたら別系統なんだな。
ということは、安定化のためのジャイロセンサは銃架用としてピッチ(高低)、ヨー(旋回)の2軸制御
視察照準用としてピッチの一軸制御(ヨーは銃架と共用)のようだ。
なお、会場では「機動戦闘車への搭載は今のところ考えていない」と説明していたが、防衛省のHPで見ることのできる「平成25年度調達予定品目(中央調達分)」の「【武器課】」の品名の中に「リモートウェポンステーション(機動戦闘車用)」というのがある。
まあ、展示説明員さんも全てを知っているわけではないということなのだろう。
今回のRWSのさらなる改良品の要求が官側から出ているそうで、内容を聞いたら、「そら無理だ」という内容だった。気持ちは分かるし、それが国産に限らずRWS導入のネックの一つなのだが「無理なものは無理」だな。
2013防衛技術シンポジウム(RWS)
防衛技術シンポジウム2013が例年どおりホテルグランドヒル市ヶ谷で行われている。
本日と明日の二日間なのだが、この手の催し物は2回目の参加である。
初めては平成13年に来た。
その時の目玉が 複合材料に対する浸徹シミュレーションであった。
今回のお目当てはは機動戦闘車の紹介とリモートウェポンステーション(RWS)である。
が、機動戦闘車の紹介はまったくの期待はずれだった。
発表内容は10月9日の試作最終形態車のお披露目時とほぼ同じということで新鮮味はなかった。
とりあえず「多目的使用できる戦闘車両」ということを強調したかったようだ。
つまり、固定化された運用は設定されておらず臨機応変に使えるということだろう。
さて、まずは展示品の最大目玉である
RWS(Remote Weapon Station)だ
「RWS」にはリモートウェポンシステム(Remote Weapon System)との略もあるが、我が国の場合はリモートウェポンステーションの略称である。
展示品は12,7mm重機関銃(模造銃)が付いていた。
銃身と放熱筒が塩ビパイプ製で昔、俺が展示戦車用に作った重機関銃に非常によく似ている。
マネッコか?
まあ、少なくとも機動戦闘車に搭載のムクの重機関銃風よりもいいな。
車両搭載用リモートウェポンステーション
研究の目的
主として小型の装輪車車両に搭載し、各種事態において乗員の安全を確保しつつ小火器等を射撃する車両搭載用リモートウェポンステーション(Remote Weapon Station:RWS)について研究を行い、技術資料を得る。
搭載火器は展示の12.7mm重機関銃の他に74式車載7.62mm機関銃、5.56mm機関銃(MINIMI)の各種機関銃及び40mm擲f弾銃が搭載可能になっている。
研究試作ということで操作モードはジャイロによる安定装置が付いている上、自動追尾照準も可能という大盤振る舞いである。
照準装置は昼間光学系及び夜間や霧等の視度(視程)不良時に使用できる赤外線光学系がある。また、距離測定のためのレーザ測遠機(レーザーレンジファインダー)を有する。
戦車への搭載を聞いてみたが、操作部を戦車が有する砲塔操作系とリンクさせることは技術上まったく問題はなく要求があれば搭載は可能ということである。
むしろ、戦車のような重量車両に搭載するほうが技術レベルは低くて済むために、本研究は目的として「小型の装輪車車両」とされているように、安定・反動抑制が難しい軽量車両である軽装甲機動車に搭載して試験を行ったということである。
つまり、その気になればあらゆる車両に搭載可能というわけである。
正面射撃
側面射撃
ポスターセッションの場所にはこんなものも
うむ
行ってみるものだ。
ちなみにRWSの説明員の方が再度訪れた時に交代していたのだが、なんと知り合いだった。
顔を見ていなかったのでいきなり「軍曹じゃないですか?」と声をかけれ驚いた。
当時サバゲー中尉ももう少佐殿である。
観閲式の時は受付が元部下の戦車乗員や、よく仕事が一緒だった他部隊の方だった。
どこに行っても必ず誰かに声を掛けられ「やっぱりね」と言われる始末だ。
なにが「やっぱり」なのだ?