軍曹!時間だ!… -63ページ目

ノンナ撃つ

とりあえず調べに調べた

 

ガルパン劇場版リバイバル上映を観てきた理由の一つにBlu-ray/DVDでは映画館上映のものに手を加えた作品という事で、そこもどんなものかと思ったわけだ。

BT-42に継続高校のマークが書き加わったというのは分かりやすかった。

もう一つはIS-2スターリン重戦車を駆るプラウダ高校のナンバー2であるノンナの射撃シーン

修正前は照準用レチクルは動かず射撃

Blu-ray/DVDではノンナの瞳中心に移動するよう修正されている。

「↑」の先端で敵を狙うわけだ

上映前は上の状態のまま射撃

修正版は下の様に瞳中心に照準点が入ってきていかにも狙った感が増した

なかなか味な真似をするではないかと思ったのだが・・・

 

変だよな。

レチクルの動きが変だよ

そこで調べに調べたわけだ

 

どうやら当作品が参考にしたと思われるのは

大日本絵画 オスプレイ 対決シリーズ  No.011

「ティーガー2 vs スターリン戦車 東部戦線 1945 」

見方は右のメモリが弾種の距離目盛であり、この目盛りと

横線を合わせる事により矢印が適正な位置に導かれるのである

画像は800mに設定してあるようだ

なお、左側はミル目盛りであり補助として使用する(はずだ)

ところが

おかしいよね

撃つ前はおおむね射距離設定1250m程であるのだが

レチクルが動いても射距離が変化していない

というかこんな動きはしない

 

IS-2スターリン重戦車の照準装置は「TSh-17」という事は突き止めた

IS-2のマニュアルを探したが見つからず手持ちのIS-1とIS-3の

マニュアルで確認した

IS-1はKV-1と同じレチクルのようだ

なお、この図はボアサイト時のものだ

下方の円にクロスのあるものは砲腔からみた図

 

これがIS-3の照準レチクルである。

TSh-17と確認できるのでどうやらIS-2と同じだな

この図は射距離「0」の状態を示している。

つまり上図のIS-1と同じ状態である

 

TSh-17の横線は固定された線であり

矢印の照準用レチクルと各目盛りが一緒に動くのだ

 

ノンナが射撃する時、射距離が1250m程を示しているが

眼鏡内のM26パーシングの大きさから射距離は200mもない

照準部を動かすには距離を減ずる必要がある

つまり下図のように動くのである

一応左が射距離1200m設定だったのを右図0mにしたと仮定

もっともミル目盛りを読むと射距離1200mって13ミルぐらいしかない

1度は約18ミルだから砲が動いても1度も動かなかったりする

 

実際問題として射距離は直前まで射撃していた設定だったのだから

単にレチクルすべてが動くべきだった。

せっかく修正したのに残念な結果になってしまった

がんばれがるぱん

 

 

 

 

 

履帯ゆるみすぎ

タイトル無視になるけど砲腔のいい写真があった

 

奥の白い丸部分の前のグレーのドーナツ状の部分が薬室だ

RO105㎜L7でもこんなに見える。

 

砲身に突っ込むとこんな感じ。

もっとわかりやすいかと思う。

ちなみに白い粉は発射薬の燃えカスである。

射撃した直後の撮影であるため砲腔内は清掃されていない状態

クリーニング時に洗浄剤を使うとこの白い粉が真っ黒になる

白い灰が濡れると黒くなるのと同じだ

 

薬室側から覗くとこんな感じ

新品だけにかなり綺麗だ

薬室にライフリングが映り込んでいる

 

思っていたより起縁部はなだらかではなかった。

新品だからなのかな?

アニメの表現でもあながち間違いとは言えないようだ

どうもすみません。

 

本題だ

主人公の乗車する4号戦車である。

これ履帯ゆるみすぎだよね。

通常、止まっている時は誘導輪の部分はゆるまない。

機動輪の方が緩んでいたらなおさらだ

 

走り始めても、ピンと張る状態にはならなかった。

間違いなく履帯調度の不良である。

整備不良車で戦いに臨むなど言語道断である。

西住流が泣くぞ

と思った一コマである。

 

秋の日のヴィオロンのためいきの

Chanson d’automne

秋の歌

Paul Verlaine

ポール ヴェルレーヌ

 

Les sanglots longs
Des violons
De l’automne

秋の日の

ヴィオロンの

ためいきの
Blessent mon coeur
D’une langueur
Monotone.

ひたぶるに

身にしみて

うら悲し

 

フランスの詩人ポール ヴェルレーヌの「秋の歌」の1節である。

上田敏の邦訳が有名である。

なぜ有名なのかは1944年6月6日、北フランスのノルマンディー地方で実施された史上最大の上陸作戦「オーバーロード作戦」

この作戦実施をフランスの抵抗組織であるレジスタンスに知らせる暗号文だったからである。

上の三行「秋の日の ヴィオロンの ためいきの」で近く上陸作戦が実施されることを知らせ、下の三行「ひたぶるに 身にしみて うら悲し」で48時間以内に上陸作戦が実施されるというものであった。

 

ドイツ軍もこの暗号を知っていた。

ところがドイツ軍上層部はイギリスから最も近いカレー地方に上陸すると見積もっていた。

唯一、ロンメル元帥がノルマンディーに上陸する可能性があると考えて、上陸用舟艇撃破のための仕掛けを用意していた。

ロンメルの誤算は空挺部隊の運用のための遅い月の出、上陸のため遠浅の海岸線が満潮になるという条件を備えるのは6月20日以降と読んでいた事だ。

 

まさか障害物が何もない干潮時の海岸に上陸するとは思ってもいなかった。

自殺行為と思っていたのだ。

 

連合軍も考え方は同じだった。

そこで「当たらなければどうということはない」

ドイツ軍守備陣地を徹底的に艦砲射撃でたたく手段を使った。

撃たれなければ、当たらないからね。

イギリス、カナダ軍は鼻歌交じりで上陸できたが、アメリカ軍は悲惨な運命にあった。

 

で、どこがガルパン?という事になってしまうが、劇場版にてダーリジンが各校に出したお茶会招待の電文「秋の日の ヴィオロンの ためいきの ひたぶるに 身にしみて うら悲し 北の地にて 飲み交わすべし。」と今日(6月6日)を掛け合わせただけだ。

 

それだけだとアレなんで、劇場版で気になった所

 

諸一発目

ダージリンがらみのこれだ

冒頭シーンのダージリンとオレンジペコの会話からのズームアウト

砲塔内から砲身内を抜けていくのはいいのだが・・・・

いきなり腔線が始まってるぞ

薬室はどうした?

 

チャーチルMkVIIのQF75㎜砲はシャーマンの75㎜砲と同じ弾薬だ。

ご覧の様に弾頭直径と薬莢直径は大差ない。

だから薬室が描かれてないのはさみしいぞ

それから、起線部(腔線が始まる部分)はなだらかになっていなくては弾帯が切れてしまうな

普通の人は気付かないのだろうが、戦車砲の元教官としてはそんなところに目が行ってしまうのだった。

ちなみに、参考のために機動戦闘車の砲身内

・・・参考にならないな。