アリサBOKOられる(了)
さて3回に渡っての重箱の隅つつき最終章だ
M6潜望鏡ってどんなの?
こんなのだ
M4シャーマン戦車では、砲手以外の乗員の視察装置として使用されていた潜望鏡(ペリスコープ)である。
サイドにある二つの丸い銀色のものはプリズムヘッドを簡単に取り換えるためのノブである。
左の画像の銀色の板は板バネであり差し込んだだけで一応の固定はされるが、振動で落っこちるのでノブを締め込み確実に固定するわけだ。
取り付け場所は車長ハッチ、操縦手ハッチ、前方銃手ハッチ、装填手前方の4か所だ
車長ハッチ
操縦手ハッチ(同前方銃手ハッチ)
取り付け方はそれぞれの場所に備えつけてあるベースに差し込んでノブを回し固定するだけだ。
潜望鏡が刺さってないとこんな感じ
溝の部分にノブの軸が入るわけだ
アニメでの取り付け方法(車長キューポラ云々はこの際無視)
潜望鏡自体のディテールは結構細かいのだが
これでははまり込んでいないので落っこちてしまう
こうなってないとな。
今回の記事は潜望鏡などのリサーチはしっかり行っているようだが
基本的なことが何故か無視されてしまった残念感だ
設定資料集などはある意味バイブル的なものになるからな
おまけ
106㎜自走無反動砲の車長キューポラ
ビジョンブロックの見え方がどうなのかを撮影しようと思ったのだが
うまくいかなかった。
昨年10月、今回のような記事を書くにあたり資料にしようと
武器学校で撮影
なお、重箱の隅をつつきましたが、作成に携わった方のご苦労は
察して有り余るものがあります。
どうぞお気になさることがないように願います。
がるぱんがんばれ
アリサBOKOられる(続)
さて、実際のキューポラの視察装置は?
こんな感じだ
M26の作画と同じであることが分かる。
ちなみに手前の三角のものが突き刺さりまくっていた潜望鏡
装填手用視察装置のM6である。
さて、アメリカ戦車が大戦後期からベトナム戦争に至るまで使用された車長用キューポラの視察装置の仕組みとはいかに?
というか、我が国の61式戦車及び74式戦車も実は同じものを使っている。
「展望窓(てんぼうまど)」
「ビジョンブロック」と呼んでいた。
ご覧の通りの積層構造の防弾ガラスである。
誰もが疑問に思う。
「空しか見えない?」
この疑問を私も若かりし頃、車長に聞いた。
「横も見えるぞ。実際に見てみるといい」
!!!!
見えるんだな。光の屈折利用した視察装置だった。
アリサBOKOられる
履帯がゆるいだとか照準がおかしいだとか書いてきた
まどちらも些細な問題ではない
問題はこれだ
劇場版でアリサの乗るシャーマン戦車がボコられるシーンだ
そしてTV版第6話「一回戦、白熱してます!」のシーンから
お分かりだろうか?
車長用キューポラにM6ペリスコープが刺さりまくっている(T▽T)
TV版を見た時に指摘しようと思っていたんだが
全国のシャーマニアから指摘が多数寄せられるのだろうと思った
米軍のメジャーな戦車だから資料も多い
実写版のFURYでも確認できる
そして何よりもだ、実車(砲塔部)が日本で取材できるからだ
ところがどうしたことだろう。
劇場版は修正していないのだ
実は映画館で見たときは気付かなかった。
何故かというと
これだ
大学選抜チームが使用していたM26パーシング重戦車
このキューポラとシャーマンのキューポラの構造はほぼ同じだ
キューポラ自体の形状は若干違うのだが
視察装置は同じビジョンブロックを装備している
「だよね」
「やはり修正されているよな」と思い込み上映では気付かなかった
ところがである
BDを見ていたら・・・・あれ?
TV版と一緒ジャマイカ!!!
【TV版】
防弾ガラスが嵌まっているはずなのに黒い穴が開いている
【劇場版】
かなり細かくディティールが追加されている。
(続く)



















