一人一宇宙
西浦邸にいる五人はそれぞれ玉から情報を受け取って二人の到着を待っていた。
杉井とサっちゃんを乗せたクルマは西浦邸まであと15km、海岸線を走行中。
サっちゃんは目を閉じて情報を受け取っている最中だ。
杉井は海を見ながらの快適なドライブを楽しんでいた。
道路を渡ろうとしているらしい歩行者が目についたが後続車も対向車もなかったのでそのまま通り過ぎた。
バックミラーで確認すると案の定道路を渡った。
それから200メートルほど先に横断歩道があり歩行者が二人立っていたのでクルマを停めた。
しかし歩行者は会話に夢中で杉井のクルマに気づかないのか動こうとしない。
(なんだ、渡らないのか)
杉井はクルマを発進させた。
(なんか変な感じ)
それから20分後に西浦邸に到着した。
『ようこそいらっしゃいませ』
バルコニーから見ていた洋美が降りてきて二人を案内した。
『よくぞいらっしゃいました。』
久蔵は満面の笑みで二人を迎えた。
『素晴らしい❗️冬景色を観ながら
この常夏のような空間にいられるなんて
最高ですね
ありがとうございます🙏』
杉井もサっちゃんも満面の笑みだ。
『理解していただけましたか
この空間を創った甲斐がありました』
久蔵と杉井がなぜそこまで喜んでいるのか、蔵人にはよくわからなかった。
『クロちゃん、この空間のどこが素晴らしいと思う❓️』
『どこがって…外は寒いのに
この中は暑いくらいだ
温度差がそんなに素晴らしい❓️』
『クロちゃん、外に出たい❓️』
『とんでもない。』
『OK、それが最高に素晴らしい❗️』
『❓️』
『皆さん外に出たいと思いますか❓️』
杉井の問いかけに、出たいという者は誰もいなかった。
『寒いからだけでは、なさようですね。』
洋美が蔵人を見て微笑みながら囁いた。
『そうそう温度差よりここから出たくないという気持ちになることが大事なんです』
蔵人以外全員頷いた。
『クロちゃん、ここは居心地いい❓️』
『ああ、とっても』
『良かった。少し若くなったみたいだね』
全員微笑みながら頷いた。
『そお❓️なんだか嬉しいな
ますます出たくなくなった』
蔵人には見えていないものがあったが、杉井は敢えてそのことには触れなかった。
『そろそろ始めましょうか。』
杉井はみんなに椅子を持って円形に並べて座るように指示した。
『こういうことは外では出来ませんからね
それでは皆さん目を閉じてそれぞれの宇宙の創造主の位置に戻って繋がりましょう
ナマステ🙏』
小野ユキは高次元の自分との対話
サっちゃんは三途の川から海へ
そして杉井は横断歩道での違和感。
みんなのビジョンは様々だった。
これこそ一人一宇宙
つづく







