なんでそうなるの❓️

 

 
『この人誰❓️』
 
 
洋美の言葉に、蔵人の右足はアクセルペダルから離れブレーキペダルを踏んだ。
 
 
『お葬式みたいだね
 
 
『かなり遡ったみたいだけど
お婆ちゃん全然変わってないわ』
 
 
蔵人はメーターを確認した。
 
 
『15年ちょっと戻ってるね
よし、あの写真の姿になるまで
遡ってみるか』
 
 
蔵人はアクセルペダルを床まで踏みこんだんだ。
フロントガラスのスクリーンの老婆は30年遡ったところで一気に若返った。
蔵人はブレーキをかけた。
 
 
『写真の姿とほとんど変わらないね
この直後から老け始めたようだね』
 
 
『普通に再生出来るの❓️』
 
 
『もちろん出来るよ
 
 
蔵人はDレンジに切り替えアクセルを軽く踏んだ。
スクリーンにはあの写真のべっぴんさんと袈裟のようなものを身に着けた件の男が映し出された。
 
 
『お坊さんかな❓️音声は出ないの❓️』
 
 
『出せるけど生々し過ぎて
ヘトヘトになっちゃうよ
解説付きの文字起こしも
出来るけどどうする❓️』
 
 
『それじゃ文字起こしでお願いします』
 
 
フロントガラスのスクリーンの下半分に二人の会話とその背景の解説などが字幕として映し出された。
 
 
男『あなたを必ず幸せにします』
女『…………(本当は嫌なんだけどお世話になった人の顔を潰すわけにはいかない
ここは頷くしかないのね)』
女は男に本心を悟られないように明るい表情で頭を縦に振った。
 
 
『スゴイわ❗️心の中まで見えるのね
どういう仕掛になってるのかしら❓️』
洋美は字幕を見て無邪気に驚き蔵人に訊いた。
 
 
『さぁね、どういう仕掛で動くか
知らないけどちゃんと動てるんだから
別に知らなくていいんじゃないの
先に進めるよ』
 
蔵人は一時停止して無責任に応え、再び映像の再生を開始した。
女は三年と経たないうちに見る見る老婆の姿に変わっていった。
 
 
『この男性のせいで老け込んだんだ
と思ったけどなんか違う感じね』
 
 
『あんなにべっぴんさんだったのに
急にあんなになっちまったら
早死にするのも無理ないな』
 
 
『二人とも周りの人に気を使い過ぎたのね
蔵人さんどうするの❓️あのお婆ちゃん』
 
 
『どうするったって
どうしよう❓️』
 
 
その時フロントガラスのスクリーンには奇妙な絵が映し出され奇妙な歌が流れ始めた。
 

♫ ​​狐が虎の お面を被りゃ

 

虎は神様 拝んで震える

​神は羊の 機嫌を伺い

狐はその羊を ガブリとやるが

その羊こそ オオカミなのに

創った主(ぬし)まで 他人(ひと)の顔

食われながらも 夢のなか

​あ〜あ、やんなっちゃった。

あ〜あ、驚いた。♫

 

 
 
『何❓️この変な歌』
 
 
『この歌は俺が鹿になった時に
出会った修行僧のようなお兄ちゃん

と一緒にそこから2500年後の世界に行った時に
その世界を観て
お兄ちゃんが即興で創った歌だよ
わかるかな〜わかんねぇだろうな〜』
 
 
『わからんわい❗️』
 
 
『IOKALOOPって歌なんだけど
虎の威を借る狐が羊の皮を被った狼とも知らず羊をガブリとやったら狼が目を覚ますはずなのに目を覚まさない
という意味さ』
 
 
『ますますわかんない‼️』
 
 
『百聞は一見にしかず
現場に行ってみるか』
 
 
『お婆ちゃんはどうするのよ』
 
 
『いいから、いいから
あとで戻ってくるよ』
 
そう言って蔵人はデータ保存ボタンをクリックした。
そしてシフトをTレンジに切り替え
目を瞑り
『あの場所』
と呟くとフロントガラスに真っ暗闇や見たこともない未来都市、古代生物、鎧を身に着け刀を振りし争う人たち、海水浴を楽しむ人たちなど様々な風景を映しながら二人を乗せたバスは走りだした。
 
 
 
つづく
 

 



 

 

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 know 〜知っている』(全10回)