いまここ


"老いを引き受ける女性"

その言葉が玉の表面に浮かぶと、玉は淡い藤色に染まり、微かに震えた。


老婆の隣にもう一人別の女性が現れた。

見覚えのある顔だった。


(30年前の70歳の私だ。でも隣にいるお婆さんよりずっと若い)


玉の振動は激しくなり、掌に記憶を呼び起こす。


30年前の小野ユキの頭上の満月からまっすぐな虹が降り注ぎ、瞬く間に現在の25歳に若返った小野ユキになった。


その光景に驚いた老婆は小野ユキに話しかけてきた。



『今、何が起こったのですか❓️あの虹は何ですか❓️どうして若くなったのですか❓️』



『私にもよくわかりません。でも今から30年前に私の身に起こった出来事が再現されたようです。』



『30年前❓️あなたはいったいおいくつなんですか❓️』



『世間的にいうと100歳です。あなたはおいくつ❓️』



『えっ100歳❓️信じられません。

私はもうすぐ還暦を迎えます。

そうは見えないでしょうけど』



『クロちゃん、源蔵人さんとはお知り合いですか❓️』



『名前は知っています。お会いしたことがない気がするのでその人は私のことを知らないでしょう』



小野ユキは玉繋ぎ瞑想で蔵人たちと情報を共有していることを思い出した。

この老婆は蔵人の世界の情報を基にして小野ユキの世界に現れたのだろう。



『そんなことないわ。今こうして私の目の前にあなたが現れたのは、クロちゃんの記憶の中にあなたがいたからに違いないわ。どこかであなたはクロちゃんと出会っててその記憶がクロちゃんの中に残っているってことよ。』


『……………』


(なんか変だわ、クロちゃんの名前しか知らないなんて質問を変えてみよう)



『あなたはどうしてそんなに、失礼だけど年老いてしまったのですか❓️』



『私は永い間、人のために何かしていたような気がします。

とても曖昧な記憶で詳しいことはわかりませんが、それを始めた頃は喜びを感じていたようなのですが、年を経る毎にだんだん苦しみに変わって重荷に感じるようになり、それに合わせて容姿も年老いていったような気がします。』



蔵人たちと情報を共有しているが、この老婆の今の話は誰が持っていた情報なんだろう❓️そこに意識の焦点を当てて玉を

クルクル廻しながら質問した。



『あなたはどうして私の世界にやって来たの❓️』



『よくわかりませんが、声が聴こえてきたんです。

宇宙人のような声で"ミナモトクロウドニアワセテヤル"と言われて気がついたらここに居ました。その時に源蔵人さんの名前を知りました。』


(なるほど宇宙人か、クロちゃんの言ってた銀の宇宙人のことだわ、1つ上の世界からのアプローチね)


小野ユキは玉を上下に引っ張り巨大な玉にした。

それに合わせて自分の身体も巨大化させ小さくなった老婆と自分を見下ろした。

視線を戻すと銀白色の小野ユキと同じ顔の女性が現れた。


『お久しぶりね。30年ぶりかしら❓️忘れちゃったのかと思ったわ』



『忘れるはずないでしょ。こんな素敵な贈り物くれたんだから。ずっとお礼が言いたくて、どうやったら会えるかわからなかったけど、さっき気がついたわ。

本当にありがとう。』



『スギちゃんのところで毎朝コネコネやってるから、そろそろかなぁって思ってたところよ。

お帰りなさい。

でもコネコネしなくても会えるわよ、私はこの世界のあなたなんだから、あなたがこの世界に意識を向ければいつでも会えるわ。あの時は売り言葉に買い言葉でうっかり若返らせ過ぎちゃったから、苦労したでしょう、ごめんね』



『貴重な体験をさせてもらっちゃって、感謝してるわ。重ね重ねありがとう。クロちゃんのところのあのお方は宇宙人になったりして茶目っ気タップリね。』



『クロちゃん呑気だからなかなか気づいてくれなくて、苦労するって楽しそうに言ってたわ。』



『あのお婆さんとクロちゃんを会わせようとしているのはどうして❓️』



『あの二人が再会する過程で起こることを観察したい人という存在がいて、その過程が美しかったらこの下の世界を残すことにしたいらしいの。""にいるんだからわかるわね。』



『美しくなかったら消滅させる。なるほどそういうことね。ここにいれば何でもスイスイ進むけど。下の世界ではゴチャゴチャ他人の邪魔ばっかりして全然前に進まないものね消滅させたくなる気持ちわかるわ』



『そういうこと、もう苦しんだり、悲しんだり、妬んだり、恨んだり、騙したり、独り占めして喜んでる場合じゃないのよ。この世界に一人でも多くの人、

出来れば"一人残らず"来てもらえたらあの二人が美しく再会できると思うのよ。わかるでしょ。じゃあね👋』



『わかったわ、またね👋』



ここにいれば何でもわかる、そして何でも出来る。小野ユキは自問自答ともいえる高次元にいる自分との対話を通して、その事を理解した。再び視線を下に向けると小さい老婆と小さい自分が見えた。



『あそこに降りると、この世界のことがわかりにくくなっちゃうんだよね。』


『そうよだから今のうち手を打っておくのよ』


『アラ、あなたまだいたの❓️』


『あなたがこの世界にいる時は私はあなたそのもの、あなたは私そのものなの、一人なんだけど、独り言はつまんないから二人に別れて会話するの、"じゃあね"とか"さよなら"は別れた二人が一人に戻るってことなのよ』


『そうなんだ、それでどんな手を打つの❓️』


『まずスギちゃん、サっちゃん、久蔵さん、沙織さんをここへ連れてくることに決めた。この世界は決めたらそうなる。ただし下の世界はスンナリ事が運ばないから時間がかかるし、明後日の方向へ突き進んで元も子もなくなる事がほとんど。だからあなたが忘れないように鏡を見た時にこの世界のことを思い出すスイッチを仕掛けておいたわ。これなら忘れないでしょ』


『ありがとう。四人を先に連れてくるのはあの二人を美しく再会させるためなんでしょ。観察する人の美しいって何なのかしら❓️』


『それも含めて5人で相談するのよ』


『わかったわ、ところで下にいるお婆ちゃんどうしよう❓️』



『そうねぇ、あなたの書いた本でも渡しといたらいいんじゃないの、若返るヤツ。』


『わかったわ、じゃあね👋』


『さよなら👋』


小野ユキは一人に戻って老婆の元へ降りて本を一冊手渡した。

老婆は本を胸に抱き嬉しそうな顔をした。

その姿は年相応に若返っていた。

小野ユキはこのままでも美しいと思ったが観察者の目にどう映ったのだろか❓️


               つづく



 

 



 

 



 

 



 

 


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