磯の香りはお婆ちゃん❓️


久蔵は"磯の香りのお婆ちゃん"と透明な玉に書こうとしたが、"磯の香り"と書いたところで手が止まった。


イソノカオリ❓️どこかで聞いた人の名前のようだ。


ちょっと気になったのでまず"磯の香り"でコネコネしてみることにした。


コネコネしていると歌が聴こえてきた。

半世紀以上続いている波と笑いの家族アニメの主題歌だ。


あのおっちょこちょいな主人公の弟と

そのガールフレンドが 結婚したら

"イソノカオリ"になる。


あの写真の女性とどう関係あるのか

よくわからないがこの玉がなかったら気づかなかったに違いない。


そうか、わからないことがあったら言葉にして玉に書けばいいんだ。


"イソノカオリと赤い服のべっぴんさんの関係"と書いてコネコネしてみた。


また歌が聴こえてきた。

こんどは童謡だった。

歌に合わせて映像が見えてきた。


ウミガメの背中に乗った若い漁師風の男が砂浜に上陸するのが見えた。

手には箱を持っている。

若い男は辺りを見渡し途方に暮れているようだ。

歌の4番が終わり5番が始まった。

若い男は持っていた箱をじっと見つめていた。


『待て❗️開けてはならん‼️』


久蔵の声に驚いた若い男は箱を開ける手を止めた。歌声も止まった。


『あんたは誰じゃ❓️』


『途方に暮れている太郎さんに耳寄りな話を持ってきた者です。』


『なんでワシの名前知っとるんだね。』


『私の国ではあなたを知らぬ者はおりません。そしてあなたがその箱を開けるとどうなるか、誰でも知っていますよ。』


『箱を開けるとどうなるんだね❓️』


『あなたは煙に包まれて、たちまちお爺さんになりますよ。乙姫様に開けるなと言われませんでしたか❓️』


『あー言われたとも、乙姫様から預かった大事な箱じゃ開けるわけにはいかんぞな‼️』


『アレ、途方に暮れて箱を見つめていたのでは❓️』


『びっくりしただけじゃ、途方に暮れたりしとらん、村の様子がすっかり変わったからのぉ、乙姫様が言われた通り、ほんに、何百年も経ったんじゃと感心しとったところじゃ。それに陸に上がったら異国の服を着た男が待っとるからこの箱を渡してくれと言われた。ところで、おめえさんの名は久蔵か❓️』


『はいそうです。』


『やっぱりそうか、それじゃ受け取ってくだされ、煙が出て爺さんになったりせんから安心しなせぇ、ワシはこれから姫と祝言じゃから早う帰らんといかん、それじゃぁ達者でな👋』


太郎は久蔵に箱を渡すとウミガメに乗って手を振りながら嬉しそうに海中に消えていった。


自分が開けてはいけないといった箱を開ける羽目になるとは、爆破予告した爆弾を渡されたテロリストの気分で、恐る恐る開けてみた。


箱の中には


"ひとりでに浮かんでくるから、ほどいて差し上げなさい。よろしくね久蔵さん笑"


と書かれた紙切れが一枚だけ入っていた。


                つづく





 

 



 

 



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