創造主
『Кто ты❓️(フトー ヴィ)』
『何語❓️』
『ロシア語であんた誰❓️って意味』
『なんでロシア語❓️』
『オヤッて思ったろ❓️意識を揺るがしてるんだ、はい一言で答えてくださいあなたは誰ですか❓️』
『何のために❓️源蔵人です』
『後でわかるよ、源蔵人はあなただけですか❓️』
『同姓同名がいるかも知れません』
『ではあらためて一言でどうぞ』
『・・・』
しばらく目を閉じて考えたが
『難しいなぁ』
答えは出なかった。
『コケーケー』
『っていうんだったね』
杉井は「こっちへおいで」という意味の蔵人のお国言葉で円形のテーブル席へ呼んだ。目を開けるといつのまにかサっちゃんも席についていた。円を三等分するように配置された三つ目の椅子に蔵人は腰掛けた。
『毎朝オンラインでやってることをいまからやろうと思うんだけどいいかな❓️』
『あぁえぇよ』
『なんで情報を共有するのかわかるよ』
『是非お願いします🙏』
『はい、では始めますナマステ🙏』
『ナマステ🙏』
『ナマステ🙏』
『まずは現状から意識を切り離して別の意識状態に入ります』
『目を閉じてオデコを右手か左手のどの指か一本でトントンと軽くタップしてください』
『だんだんオデコが痒くなったり熱くなったりして後頭部がビリビリしてきます少しずつ現状から意識が離れていきます』
『手と手を合わせて右手で左手の温かさを左手で右手の温かさを感じてください』
『次に手と手の間に息を吹きかけてください息の中にはあなたの頭の中の情報が含まれています』
『息を吹きかけるたびに手の中に情報がドンドンたまっていって風船が膨らむように手を押し広げていきます』
『肩幅くらいまで風船が膨らんだら透明な玉に変わりますその玉にはあなたの頭の中の情報がすべて入っています』
『その玉を触ってみてください、少し反発を感じたり手がビリビリしてきます』
『玉の感触を味わいながら嬉しい楽しい気持ちいいと感じてください』
『今感じている世界が本当のあなたの世界です』
『そこではあなたが創造主ですなんでも出来ます恐れるものは何もありません』
『そして三人ともそれぞれの世界の創造主です』
『それではその玉に名前を書いてくださいクロちゃんはサっちゃんの名前をサっちゃんは僕の名前を僕はクロちゃんの名前を書きます名前を書くことによって三つの世界が繋がります』
名前を書くと三つの玉が人工衛星のように三人の間を周回し始めだんだん軌道を縮小しながら中心に吸い込まれるように近づいて溶け合うように一つの玉になった。
『その玉を自分の前に持ってきてくださいそして「私」と書いてしばらく嬉しい楽しい気持ちいい感情を出しながら玉の感触を味わってください』
『映像が見えたり音が聞こえたり硬くなったり柔らかくなったり感じ方は銘々違うでしょうがその感覚が三人の創造主が創った理想世界の「私」です、今の感覚をしっかり憶えていてください』

『はいそれでは玉を元の形に戻して額に埋め込んでください少し抵抗を感じながらゆっくり埋め込んでください』
『終わりますナマステ🙏』
『ナマステ🙏』
『ナマステ🙏』
『ゆっくり目を開けてください』
『どうだった❓️クロちゃん』
『大きな車を運転してた』
『なるほどサっちゃんは❓️』
『歌が聴こえてきた』
『僕は海の底だった』
『おいおい全然違うんだなぁ』
蔵人は驚いた。
『そう、でもそれはとても大事なことなんだよ』
そう言いながら杉井は円形のテーブルの中心に鮭をくわえた木彫りの熊を置いて
『例えばこれが「私」だとするとクロちゃんの席から見える「私」とサっちゃんの席から見える「私」と僕の席から見える「私」は見え方が違うよね』
『ここで共有するのはそれぞれ見え方感じ方が違いますよ、違って良いんですよ、違うのが本当なんですよっていう認識なんだ』
『車の運転、歌、海の底これだけ違うと全体像はとても想像出来ないけど
もっとたくさんの人たちの見え方や感じ方を集めたらだんだんわかってくると思わない❓️』
『思う思う思います』
蔵人はのほほん族のように頷いた。
つづく


