武蔵野三十三観音霊場は西武鉄道池袋線沿線に点在する霊場を中心に構成されています。
武蔵野とは東京都下西部および埼玉の大部分における都市化した部分にあたり、
江戸時代には農地に雑木林というのどかな風景が広がっていたと言われています。
霊場会の始まりは戦時中の昭和15年(1940)、
戦歿者を弔うため考古学者の柴田常恵先生により発案されました。
鎌倉古道を巡礼路とした中世武蔵野武士の菩提寺が組み込まれるなど比較的新しい観音霊場の割にはシブい寺院が札所に選定されていると思います。
令和2年は武蔵野三十三観音霊場の開創から80周年の記念年でした。
当初は春先から2ヶ月間を予定していた御開帳が新型コロナウイルス感染拡大防止にともなう緊急事態宣言が発令されたことで内容を大幅に縮小するとともに離諸疫病という新たなスローガンを掲げての年内開帳となりました。
記念年の御開帳とはいえ実際には観音像の特別開帳を行った寺院はほとんどなく、
観音堂に上がってのお参り不可、
堂の外からでも観音像とご縁が結べるはずのお手綱は柱の上に巻き上げられ、
中には既に角柱を撤去しているところも。
「今こそ観音巡礼」
公式の広告に書かれていたキャッチコピーに影響されたわたしは巡礼の続行を決意しました。
疫病鎮圧を起源とする国内の有名寺院が祭りや行事を中止される中、
まちなかで人とすれ違うこともなければ札所で職員と会話を交わすこともない、
信仰のゆらぎを抑えながらの三十三ヶ所巡礼とは非常に孤独で正直楽しいものではありませんでした。
そのような先の見えない状況下でも観音さまを少しでも近くで拝めるようお取り計らいくださった寺院には深くお礼を申し上げます🙏
当然、厳しい状況での御開帳には事務局もご苦労されたはずで、
外部SNSでは公式アカウントからの丁寧なフォローアップありがとうございました。
次の開帳こそ普通に巡れるよう世の中の動きを見守るばかりであります。
(以下、札所番号順に表示)
〈第1番札所〉長命寺(練馬区) 【発願】
〈第16番札所〉慈眼寺(狭山市) 【結願】
* 結願之証が出るのは竹寺だけ!
🙏