
英語講師、英日翻訳者の門田直樹です。
2025年の早稲田大学文化構想学部の英語の問題を解きました。
全体の構成は、長文が大問で3題(ただし大問に複数の長文がある)、会話文1題、英作文1題でした。
全体的に商学部、社会科学部の問題と比較すると解きにくかったです。
文化構想学部の英文の単語レベルもかなり高いです。
英検1級レベルの単語もバンバン出てきますし、解答にもなっていますので大変。
この単語集に載っている単語がたくさんありました。
予備校の講評を見ると、大問1,2が難で大問3が標準になっていましたが、個人的には大問3の空所に文章を挿入する問題が一番難しく感じました。
選択肢も紛らわしいので、何度も読みました。
設問別に簡単に感想を書きますね。
大問1は空所補充問題です。
選択肢の単語レベルは高いですね。
Aの問題でrepudiate(~を拒絶する)が答えになっている問題が印象に残りました。
しかもこの問題の他の選択肢の単語(coopt,enshrine)も難しかったので、消去法が使えません。
まあできなくても多分合否にはそこまで影響ないでしょう。
早稲田大学の入試で語彙力が必要なことはいうまでもありませんが、語法を問う問題も多いので、ただ単語を覚えるだけではなく、thatを取るのか、不定詞、動名詞をとるのかまでチェックするようにして下さい。
大問2は内容一致問題でした。
グラミン銀行のユニス氏の話が出てましたね。
最近の早稲田大学の問題は時事的なものが多い印象。
3つ長文がありましたが、最後の長文は少し読みにくかったですね。
文化構想学部だからか分かりませんが、随筆ぽい英文は少し読みにくく感じる受験生もいるでしょう。
大問3の空所に英文を補充する問題は文化構想学部、文学部の問題の中で一番特徴的な問題です。
空所が7つに対して、選択肢が8つあるので、不要な選択肢は1つです。
不要な選択肢はすぐ分かると思いますが、後の選択肢をどこに入れるかはなかなかやっかいです。
5年前くらい前の問題はそこまで難しくなかったのですが、ここ数年の問題は本当に難しくなりました。
対策としては先に選択肢を読んで、分かるところから入れていきましょう。
この手の問題は1問間違えると自動的に2問ミスになりますので、注意が必要です。
大問4の会話問題は全ての中で一番簡単です。
時間をかけずにサクッと終わらせましょう。
大問5の1行英作文は、与えられた長文は少し読みにくいですが、要約はそこまで難しくないと思います。
本文の表現をそのまま使えないので、パラフレーズ(言い換える)できる力が必要です。
文化構想学部の問題を解いてみて、時間は社会科学部、商学部と比較して、そこまで厳しいとは思いませんが、問題は全体的に解きにくかったです。
何と言えば良いのか分かりませんが、クセが強い。
特に大問3は時間をかけないと正解することは難しいので、大問4,5をなるべく早く終わらせて大問3に時間をかけるようにしたいですね。
今年の大学のデータを見ると、今年の文化構想学部の入試の平均点は英語が75点満点で36.788点、国語が75点満点で49.206点、日本史、世界史が50点満点でそれぞれ34.502点、30.265点となっています。
国語と社会の平均点が高いので、今年の入試は英語で決まっているでしょうね。
どこの学部も英語の平均点が低くなっています。
早稲田大学の入試では得点の標準化というのが行われていて、全体の平均点以下を取ってしまうと、得点調整で点数がかなり下がるので注意が必要です。
逆に平均点以上取ると上方修正されます。
3教科で極端に苦手な教科があると合格はかなり厳しくなるので、バランス良く学習することが大切です。
得意教科で苦手教科をカバーするという戦略は今の入試では通用しません。
今年の文化構想学部の入試では国語と社会で平均点以下になってしまうとかなり合格は厳しくなりますね。
文化構想学部の問題は文学部の問題と似ているので受験する人は文学部の問題を解いてみて下さい。
次は教育学部か文学部の問題を解きます。
ご意見、感想大歓迎です。