こんにちは
ご訪問ありがとうございます。



前回の続きです。

前回までのお話はこちら。







久しぶりに会った友達は、

多分心配で眠れていなかったのでしょう。

疲れた表情をしていました。


友人

「色々と迷惑かけたね。

 どうもありがとうね、mimiちゃん。」


「そんなことないよ。

 本当はおばちゃんのそばに付いてて

 あげたかったんだけど、コロナもあって

 身内しか面会はできないのよ。」


友人

「あ、でも面会は可能なんだ。

 mimiちゃんのお母さんの時は

 全然面会できなかったって

 言ってたじゃない。

 だから、もう会えないのかも…

 と思って…。」


友人はそこまでいうと、声を詰まらせて

しまいました。

ずっと泣きたい思いを

堪えていたのでしょう。


「私も全然会えていないし、

 身内じゃないから詳しい説明は

 して貰えていないのね。

 でも、多分うちの母の時ほど

 ひどくはないと思うのよ。

 脳のことだから絶対大丈夫とは

 言い切れないけど、

 でも差し迫った状態ではないって

 先生もおっしゃってたから。」


友人

「そうなんだ、良かった。」


ほっとしたのか、

友人は急に涙が溢れてきたようで、

ハンカチで目頭を押さえていました。

その後も車を走らせながら、

私は救急車を呼んだ時のおばちゃんの

状態について説明しました。


友人

「mimiちゃんにお願いしてて良かった。

 他の人なら、多分熱中症だと思って

 冷やしながら様子を見てるうちに、

 手遅れになってたかもしれないよね。」


そう言われ、私はまた

救急車を呼ぶのが遅くなってしまった

母の時のことを思い出していました。



私の母の話はこちら。




その後、友人は病院の中に入り、

私はその間車で待機していました。

どうしてもおばちゃんの様子が気になり、

面会を終えた友人の話を

聞きたかったのです。



2時間ほど経った頃でしょうか。

友人は入院の手続きや、

病状の説明を受け、

一旦車に戻って来てくれました。

友人の話によると、

おばちゃんは意識もあり、

少し麻痺があるようですが、

おおよそ会話もできたということでした。


良かった。

本当に良かった。


心からそう思いました。

自分の知識不足や判断ミスで

手遅れな状態にしてしまった母。

最後は誰にも看取られることなく、

夜中の巡回の時に気づいたら、

もう亡くなっていた母。

まるで孤独死のような状態で

逝かせてしまったことが、

いつまでも私の心に黒いシミとなって

残っていました。

だから、せめて友人には

そんな思いをさせたくなかった。

おばちゃんには、

絶対に助かって欲しかった。


私と友人は、また2人で

涙を拭いていました。



あれから半月が経ちました。

さすがに85歳を迎えるおばちゃんが、

リハビリで元のように歩くことは

難しいと思いますが、

大分言葉は話せるようになった

みたいです。

食事もペロリと平らげるとか。



これから自宅に戻るのか、

施設に入所するのか分からないけれど、

落ち着くまでは友人を支えてあげたい、

私はそう思っています。