肺がんぶっ飛ばし日記 -4ページ目

体重の変化

私は昨年10月26日に入院した。それ以来、病院食を残した事がない。むしろ、病院食では足りなくて、クッキーを食べたり、果物を食べたりして食欲を満たしてきた。そのせいかどうか、体重が減らない。むしろ、入院した頃に比べると1kgぐらい体重が増えたぐらいである。


その効果はてきめんに現れ、ズボンが入らないとか、ベルトが短くなったとか、切るものに不自由するようなことになってしまったのだ。だからせめて入院以前の体型に戻したいと考えている。病院食以外に間食はしないようにし、果物も節制する。


みんながん患者というとやせた人しか想像しないのではないか。私の場合は慎重174cmに対して体重は82kgある。若干太めである。特にお腹周りに肉がついているので、さっき書いたようにはくズボンに困る。でも、看護師さんからは、そのぐらい体重があるから体力もあるのですよ、などと諭されている。人のうわさ話やインターネットのがんサイトに行ったりすると、副作用の深刻な影響がつづられている。そういうことがないだけ私の場合は幸いなのだなあと素直に喜んでいる。


今日は外泊だ。外泊の楽しみは何かというと、好きな物を買って食べることができることだ。私はどちらかというと肉より魚が好きなので、刺身とか焼き魚を食べることができれば幸せだ。それにやっぱりラーメンだ。この病院では、そばとかうどんは病院食として食べることができるが私の好物のラーメンは出ない。麺が延びるという問題もあるだろうし、調理の問題もあるのだろう。だから、外泊した時のラーメンはうれしい。


TS1による肺がんの治療

TS1によるがんの治療について。TS1は何回も書くようにカプセルに入っていて、それを一回に3錠飲む。実際には朝食後に飲まなければいけない薬は後6種類位あるから、それを全部口に含んで一気に飲むのだ。薬の味はとくにない。


今日でTS1を飲み始めて2週間目。30日連続的に飲むことになっているのであと、約2週間だ。薬を飲み終わると10日間休憩する。薬を飲まないで体を休めるのだ。そうして必要があれば、2クール目を行う。すなわち、30日間薬+10日間休憩を行う。この間、レントゲン写真を撮ったり、血液検査をやったり、時にはCT写真をやったりするのだ。


今はかつてやっていた放射線の照射がないから、圧倒的に暇なのだ。これも事前にある程度わかっていたのだが、医師との相談で、TS1で副作用が出たときの対応ができるようにというもくろみがあったのだ。だから2回目のTS1治療は在宅でということになるかも知れない。


ただし、これは患者としての私の感想で医師のH先生が何を考えているかは私は知らない。そんな訳で時間をいかにつぶすかが肝心なことになる。この2日間はよかった。国会中継があったからだ。気に入ったテレビを見るのが一番楽な時間のつぶし方だ。家族が来ているときは色々、世間話をしているうちに時間が過ぎている。それが一番かも知れない。



カレンダーをめくる

今日は2月1日だ。病室においてあるカレンダーをめくる。カレンダーには、色々と世話を見に来る妻の予定が書かれている。途中までしか書かれていないのか、それとも仕事の見通しがそこまでわかっていなかったのか。新しいカレンダーをめくるのは楽しい。私の新しい人生がそこに詰まっているからだ。


何度も書くが、担当医師の書いた診断書によれば、私の入院は長くて3月末だ。それまで2ヶ月をきったのだ。それでも、一日一日を過ごすのはなかなか面倒だ。見舞いの人間がいなければ話相手はいないし、テレビも面白いことがあるとは限らない。インターネットサーフィンもやりつくすと興味がわかない。昼間寝てもいいのだが、色々な検査があるし、病室の掃除なんかもある。自分の部屋でぐっすりと眠るというわけには行かない。そういう毎日毎日を抗がん剤を飲みながら過ごす。


TS1に変わって飲み始めてから2週間になるが顕著な(私が感ずることができる)副作用は今の所ないようである。抗がん剤は強い薬だと聞いているから、これには少し驚いている。私の体質とTS1が相性が言いのだろうか。食欲も落ちないし、下痢も嘔吐もない。これからも、それが続くことを祈りたい。

長女の見舞い

昨日は長女Sが午後2時ごろ病院に現れ、午後4時ごろ帰っていった。夫のQちゃんが大学で授業があるのでそれに付き合って、一緒にでてきたという。私はパソコンに夢中だし、長女は小説を読んでいる。いつものパターンである。それでもだいぶ大きくなったおなかを抱えて、立派な妊婦だ。


5月が予定日だそうだから、私が順調に行けば、退院し仕事に復帰している頃だ。初孫か~~!と思う。これまで自分のことと妻、娘たちのことを考えて生きてきた。そして肺癌との闘いでも、家族のために長く生きたいという思いで治療を続けてきたし、これからも治療する予定だ。これからは、まだ見ぬ孫が加わるのかと思うと何かこそばゆい。


長女は、座っていると疲れるらしく、椅子を持ってきて足を上げたり、足を組んだり色々なことをしている。何気ないしぐさにもお腹が大きくなってそれがつかえているのがわかる。少し長いけれど、大事な子どもを生むのだから多少の時間がかかることは我慢しなければならない。


長女もQちゃんもそのほかの人もそうやって生まれてきたのだから。私たち夫婦が長女や次女を育てたように長女夫婦も自分の子供を育てたのだから。妻はあれやこれや教えなくても良いことでもアドバイスするだろう。私にできるのは子どもを風呂に入れることぐらいかな、ミルクを作って赤ん坊にやることかな、一応父親をやってのでそんなことはアドバイスできる。


宴のあと

友人は無事帰りました。予想通り、酒池肉林だったのは友人だけで、私は、ノンアルコールビールを呑んでいた。それでも大いに盛り上がり、酒がなくても雰囲気は酒池肉林ということはありえるのだなと思った。友人は手土産のアサリの佃煮もってきた。妻が寄せ鍋を作り、友人は日本酒を飲み、彼が持ってきたフォークソングのビデオを見ながらの大騒ぎだった。


娘夫婦もいたけれど、我々おじさんパワーに圧倒されたようだった。まあ、親とその友達とでは、経験が全く違うから仕方がないのだ。体調の方はどうかというと、多少太っているのが気にかかるぐらいで何も変化が起こらない。抗がん剤の副作用とはいったい何だったのだろうと思っている。それともTS1では副作用が緩慢なのかも知れないと思っている。


今日の看護師さんは新しい人だ。しかし、昨日夜私が別の人に言ったことがちゃんと伝わっている。やはり、プロだなあと思う。自分の仕事のプロらしいところはちゃんとできているのだろうか。不安になる。今日は風呂の日だ。また、ゆったりと風呂に入ろう。ぐっとリラックスするかも知れない。時間を選んで入れば、浴槽を独り占めすることもできる。これにはあまりこだわらないが。


今日は、N市は曇り、雪が降るかも知れない。まだそれほど雲は濃くはないが。TS1を飲み始めて12日目だ。そろそろ何かが起こるかも。今日は午前中ブログを書いて、昼過ぎからゆっくりとしよう。私も何もしていないように思えるかも知れないが体調管理は十分にしているつもりだ。風邪なんかひいたら、また、治療が先に延びる。


友人来る

今日は、東京から大学以来の友人H氏が見舞いに来る。お酒が好きで、上手いものが好きなH君に何を飲まそうかと考えて、スーパーで地酒を選んで買ってきた。私は酒を止められているから、彼の分だけでよいので4合瓶を買った。つまみは妻が腕を振るってくれるだろう。


私はTS1の治療に変わってからまだ副作用らしいものも体験していない。一見健康そのものだ。でも、完全に直るまで酒は飲まないと決め手いるから、今日のH市の相手もノンアルコールビールでしようと思っている。酒を飲まないからといってH氏も文句は言うまい。


H氏とは年に2回ぐらい会うぐらいである。でも付き合いは大学1年生時代からであるからその内容は重い。私も東京にいた頃は栄養失調気味のところを具沢山ラーメンで救ってもらった事が何回あったことか知れない。今回も入院してから頻繁にメールをくれる。この間DVDを送ってくれたのも彼である。


この前、H氏に会ったのは1年前かも知れない。東京でずいぶんと美味しいお酒を飲ませてもらったことを思い出す。まだ、あの時の酒の味を思い出すことができる。学生時代貧相な焼き豚屋で飲んだビールも懐かしい。今夜が楽しみだ。


病院食

今日の昼食について、説明しよう。メインディシュは、「すき焼き」。肉も豆腐もしっかり入っていた。味も濃くなく、淡すぎることもなく、まあ合格。これに「ひじきの煮物」と「きゅうりと白菜の酢の物」、それにヨーグルトだ。ご飯の量は、若い人は絶対足らないであろうという量で、私でも量的に物足らない時がある。


特にメインディッシュは、これまで一回も同じメニューだったことがない。そんなに大きな病院ではないが、管理栄養士は当然ついているだろうし、栄養的にも問題はないのだろう。それで、大体において、食事に文句はないのだが、サイドディッシュの味付けがワンパターンなので飽きてしまうのだ。


食事は朝7:30、昼11:50、夕17:50で規則正しい。ただ、夕食を食べてから朝食まで、睡眠時間を入れても時間がかなりあるため、おなかが空いてしまう。入院直後は、これがたまらなくて、朝食までおなかが空いているのをごまかすために、お菓子を食べていた。


このごろでは、病院の食事以外に何か食べると太るということがわかり、果物のようなものは食べるが、菓子の類は基本的に食べないことにしている。ダイエットに夢中な女の子の心情がよくわかる。入院するまでわからなかったのは酒を飲んでいたからだろう。酒とつまみで口はふさがるし、そのうち酔っ払ってしまうから、そういうことはわからなかったのだ。


酒を断って見ると甘いものが欲しくなる。が食べると太るので我慢だ。何故、我慢するかって。単純、着るもの(ズボン)がなくなるから。

利尿剤

TS1に切り替わって1週間になる。が、強い副作用もなく、これまできている。TS1のカプセルを包む容器をつくづく眺めて見るとTC442 20mgと書いてある。これが商品名なのだなと思う。これを1回3錠、朝食後と夕食後2回飲むのが今の治療なのだ。後は、基本的な脈拍数、血圧、体温などを1日につき3回づつぐらい測る。

後は、体調についての自己申告をする。熱いとか寒いとか、何処かが痛いとか。胸が病気になっているのだから1週間に一回程度のレントゲン写真撮影も欠かせない。それで私はといえば、暇な時間にこうしてブログなど書いているから、体重は増えるばかりだ。現在82.9kgある。さっき測ったばかりである。

病院の食事にはそろそろ飽きかけている。とにかく野菜が多いのだ。肉か魚が1とすれば野菜は3ぐらいある。野菜も調理法によっては上手いのもあるのだが、野菜の調理法には限りがあってそれで飽きてしまうのだ。私はもともと魚が好きだから、この病院の食事は嫌いではない。というのも、この病院は年寄りが多く、メニューが年寄り向けで、肉より魚が多いからだ。

今日からラシックスという利尿剤とレンベースという対心不全用の薬を朝飲むことになった。心臓に水がたまっていることに対する対処療法だろう。医師に言われているのだから飲もうと思っている。今日、薬がきたので、今日だけ特別に昼食後飲むということであった。

CT検査

今日は午後CT検査がある。久しぶりのCT検査だ。前やったときはいつだったろう。検査の名目としては、始めからやった点滴の抗がん剤と放射線治療が終わったところで、体の状態を把握したいということである。しかし、ちょうど前の治療が終わった時にCTが込んできたため、CTがあくのを待っていたためと推定される。


最近余り元気が出ないな、などと思っている。毎日眠たいし、昼間寝るから夜なかなか寝付かない。それで午前中はほとんど眠くなってしまう。始めは単なる眠気だけかと思っていたが、全身の倦怠感(ただしそれほど強いものではない)があるし、健康状態とはちょっと違うのだ。


どうして、午後のテレビはこんなにつまらないだろうと思いながらTVを見ている。こんなのを見て毎日を過ごしている人の気が知れない。今は黒柳徹子の徹子の部屋というのをやっている。バックグラウンドミュージックの代わりに鳴らしているだけでほとんど見ていない。

TS1 2日目

昨日から、TS1による抗がん剤治療を開始した。ちょうど1日が過ぎたばかりで、どんな副作用が出るのかが関心事である。副作用についてはパンフレットに書いてあるのだが、数が多すぎてどれが実際に副作用として出てくるかがわからない。要するに予想ができないのだ。


外泊はできるが、外出するのは最低限にしたい。今流行するといわれているインフルエンザに感染するのも怖いし、1年でもっとも寒い時期だ。がんの治療のためにも、あまり外出しないでおとなしくしていたほうが望ましいと思うから。


かといって消極的になっているのと違う。これまで行ってきた治療は何らかの効果があったという。いまやっているTS1が効力を発揮すれば、肺がんなんて何処かにぶっ飛んでしまうに違いないと信ずるのだ。


心配といえば、今体重が80kgをちょっと超えている。ズボンも入りにくくなっている。このままでは、単なる肥満になってしまうかもしれない。見舞いに来てくれる人への印象も悪いかもしれない。「太った肺がん患者」になってはいけないと思うのだ。ちょうど、見舞い品のお菓子もなくなったことだし、おなかが空いたらお茶を飲むことにしようと思う。