肺がんぶっ飛ばし日記 -14ページ目
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CT検査

2005年8月2日、私と長女は人間ドックと同じ施設に行き、CT検査をしてもらう。今回は胸に異常があることがわかっているから、CTも胸部分だけを行う。CT検査の器具は中空の円形の機械があって、横たわっている人間の周りにCTの機械が動いていき、その場所ごとの断面写真をとる装置で、レントゲン写真に比べるとかなり大型の検査装置である。


前にも書いたように私は別の箇所に異常があってCT検査をやったことがある。要領はわかっているし、痛くも痒くもないことはわかっているから、おびえる必要は全くない。ただし、通常のレントゲン写真と比べて多量のX線を浴びるから、妊婦などは行ってはいけないであろう。CT検査は何の問題もなく終わった。


別室で長女と待っている。CT検査も要はX線撮影を行うのであるから、結果がわかるのに多少の時間はかかる。まあ、病院で検査結果がすぐわかることの方が少ないだろう。CT写真ができて、医者の見立てができたようで、私の名前が呼ばれる。私と長女が聞いた医者の説明は以下のようなものだった。


レントゲン写真で異常が出た部分に対応して、CT写真でも異常が出ている。ただし、何が原因で異常が出ているかはよくわからないという。結核の可能性もあるし、肺炎の可能性もあるし、肺がんの可能性もあるとのこと。いずれにしても、これ以上のことはわからないから専門の病院で見てもらう(精密検査をしてもらう)ことを進めるとのことだった。次の日は会議の日程が入っていたので、その次の日指定された病院に行くことにし、紹介状を書いてもらう。


その夜の会話

私は若干釈然としないものを感じて家路についた。家に着いたのは午後3時ごろであったか、もうどこにも行くところはないから、発泡酒を飲んだ。長女が帰るのを待ったのだ。妻は海外出張でいない。長女には何と言おう。医者は異常があるといっただけで、詳しい病気名などは一切言っていない。だから、私も何を言っていいかわからないのだ。


長女が帰ってくる。今日、人間ドックに行くこと自体は知っていたから、その説明は行わない。ただ、医者に異常があると指摘されたこと、明日CT検査を行うように言い渡された事を伝える。長女も何がなんだかわからないみたいできちんとしたことを言わない。とにかく、明日のCT検査でもう少し詳しいことがわかるだろうということになった。心行くまで酒を飲んでその日が終わった。


まあ、肺結核かも知れないなあ、などと考える。とにかくCT検査を受けなければ何もわからないのだからと思う。肺がんだとは全く思わなかった。タバコは若い頃にヘビースモーカーだったが、やめてから10年近くなる。咳とか、痰とか、微熱とかの自覚症状が全くない。この「自覚症状」が全くないことは後々まで自分自身を病気だと納得させない理由になった。


CT検査というのはコンピュータを使った体の断層写真をとる検査である。通常の胸のレントゲン写真だと体を鏡で見たように体の前後方向の写真をとる。これは皆さんご存知の方も多いかも知れない。CT写真では体を横に切ったような断面の写真を順序良く撮るのである。何枚も写真を撮ればそれだけ詳しい情報が得られる。異常のある部分の断層写真をとって、より詳細に角度を変えて検討しようと言うわけである。とにかく、次の日、長女と一緒にCT検査を行い、その結果と医師の判断を待つことにした。

気まぐれの人間ドック

2005年8月1日私は人間ドックを受診した。毎年受診しているわけではない。この前受けたのは2年前か、3年前だ。気まぐれ人間ドックと自分で呼んでいた。人間ドックでは女性と男性がそれぞれの項目について、様々な検査を行い、異常がないかを判定する。検査結果をその日のうちに行ってくれることが多く。検査の詳細は後日郵送されてくる場合が多い。


私はその日一通りの検査を終わって、昼食が出るのを待っていた。人間ドックでは胃の検査を行うことから前日夕食から摂取することができない。検査が終わるまで飲まず食わずだ。だから、ひとおおりの検査が終わって昼食の時間になるのが至高の喜びなのだ。


このまま、昼食と思っていたら、館内の呼び出しで私の番号が言い渡され、どこそこの行くように指示されている。私が行ってみると、検査番号と名前の確認が行われる。私以外に間違いはない。そこで言われたのだが、胸部(むね)のレントゲン写真に異常があるというのだ。医者がレントゲン写真を見て、以上だという部分をさす。確かにその部分が白っぽくなっている。


何もわからず、ボーとしている私に医者が言う。明日CT検査をやるので、保険証を持って、もう一度ここに来るようにといっている。前に、突然声が出なくなったことがあってCT検査はやったことがある。あれをやれというのか。とにかくその日は昼食を食べて、そのまま家に帰る。

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