こんにちは、ふじおです。
今回はできたてホヤホヤの本本をご紹介します。


その本は、このブログでも何度もご紹介しているペアレント・サポートすてっぷ理事長の安藤希代子さんの単著『ひとりじゃないよ 倉敷発・居場所づくりから始まる障がい児の保護者支援』です。
3月8日すてっぷ主催のフォーラムで会場販売する予定でしたが、フォーラムが5月24日に延期になったのは以前ブログでお知らせしたとおりです。
ただ、同日同会場で本の販売 お祝い  はされました。
早速8日に会場のくらしき福祉プラザへ。
安藤さんをはじめ、すてっぷの方々と挨拶を交わし、本を購入させていただきましたグッ
実はその後、ねこぱんださんとまる子さんに会って、つな館の作業をしてたのですが。
帰宅して早速読ませていただきました。
一気に読み進め、翌日には読了しました。

まずは本書の章立て。
 第一章 団体設立から居場所にたどりつくまで
 第二章 居場所って何? 居場所の作り方
 第三章 私たちが出会ってきたお母さんたち
 第四章 私たちの考える保護者支援
 第五章 居場所と団体のつくり方、そしてお金のこと
 第六章 発災と、被災地復興支援から見えてきたもの
以上です。

第一章では、すてっぷの設立した経緯が紹介されています。
「自分たちも障がい児の子育て赤ちゃんで苦労してきた。先を歩く先輩親として、若いお母さんたちが、私たちしたような苦労をすることを、少しでも減らしたい」と、団体を立ち上げた思いを述べられた件は、私達つな館と同じだと感じました。
その一方で、設立時に3か年計画を立て、ガイドブックの製作居場所としてのカフェの開店を目標に掲げ、開設当初から倉敷市と連携ハート をとっています。つな館も団体企画時から行政との連携は目標としていたのですが、開設時(というか準備段階)から密に連携できていたのはスバラシイ!
第二章と第三章では、居場所としての「うさぎうさぎカフェコーヒー」について。 
このカフェの目的は、来てくれる保護者に「元気になってもらう爆  笑」こと。
特に、訪れた保護者の中でAさんのエピソードは印象的です。
Aさんの息子さんは、「自閉症スペクトラム障がいで、知的障がいがないタイプのお子さん」です。
息子さんの不登校に悩むAさんは、担任教諭とのすれ違いや息子との衝突でストレスを抱え疲れ切っていました。
Aさんは2年うさぎカフェに通い、スタッフに親としての苦悩や葛藤を語る内にストレスは解消され、落ち着きを取り戻したのでしょう。息子さんも落ち着き、Aさんも仕事復帰されました。
その後Aさんは「どっしりと落ち着いた、立派なお母さん」になっていき、カフェにいる後輩お母さんの相談に乗るまでになっていました。
その時の印象を安藤さんは「ああ、人って変わって行けるんだ。それはひそやかに、でも確かにそこにある、『美しい景色』キラキラだった」と綴っています。
人って変われるんですね。変わるか変わらないかは本人次第。でも、その子育てや家庭のストレスがあると余裕がなくなりガーン、変わりたくても変わることができなくなりますショボーン
すてっぷさんも同じだと思いますが、そういった方が少しでも息抜きができて、楽しく子どもと向き合える手助けおいでができればと思います。
よく考えてみれば、うさぎカフェでも、つな館の相談会でも、訪れて自分や子どもの話をしてくれることは大変貴重なことです。
自分や子どもの苦しく辛い話を誰が好き好んで他人に話すでしょう。
そんな至極プライベートでリアルな話(体験談)をわざわざ足を運んで聴かせてくれることはただただ感謝お願いしかありません。
そういった足を運んで話をしてくれる方々に、これからも真摯に向き合いたいと思いを新たにしました。
第四章では、安藤さん自身が自分の子育てを自戒を込めて振り返り、すてっぷの活動を思い返し、「今活動はきっと、過去に救えなかった自分のためにやっているのだろうと思う。誰かの力になろうとすることは、結局、過去に救われなかった自分を救おうとする行為なので」と述懐しています。
また、この章の中に「お父さんの役割」という項目があります。
「障がい児のいる家庭は、母子家庭の比率も、高い。お母さんたちが背負っている重荷はご主人が思うより大きく、重い」――安藤さんのこの言葉を父親は重く受け止めなければなりません。
私もこのブログ何度か書きましたが、日本ではまだまだ父親の育児参加が十分ではないショボーンのです。
参観日学校や運動会に行くだけでは不十分です。
子育てのこと、学校生活のこと、我が子の成長に関わるあらゆることを、常に妻と共有し協力していく実行力が必要だと思います。
そのためには、積極的に子どもに関わっていくことが必須でしょう。
第五章では、「団体の運営」についてすてっぷさんの実体験を通して解説されています。
つな館にとっても今後活動していく上で大変参考になる内容でした。活動経費のシビアな話についても書かれています。
第六章は、傘西日本豪雨波で被災した真備町にまつわる活動を通じて得た教訓が述懐されています。

長々と本書の読後感を書きましたが、障害者支援や子育て支援の団体活動を考えている方々にとっては非常に示唆に富んだ内容です。
また、本書を読んで、延期になった5月24日のフォーラムで安藤さんの生の声を直に聴いていただきたいと思います。
安藤さん、このような本を上梓してくれてありがとうございましたお願い