北海道の景気のよくない原因の1つ目
「経済にとってのお金」のことを「人間にとっての血液」に例えることが多いですが、その通りだと思います。
その場合「経済にとっての銀行」は「人間にとっては血管」に相当します。
実際にお金を供給している日銀はさしずめ「心臓」といったところでしょうか。
これを北海道に当てはめてみると、1998年(平成10年)に、北海道経済の大動脈を預かっていた拓銀という「血管」が破裂してしまっわたわけです。
北海道という経済生命体が「壊死」してしまうのはあたりまえだと思います。
そして、一度壊死してしまった組織を再生するのがどんなに難しいかということくらい、小学生だって判ります。
これが未だ長銀や日債銀の場合は全国展開している銀行でしたから、特定の地域が被害を被ることはありませんでした。
でも、拓銀の場合、北海道という特定の地域が被害を被ります。
しかも、拓銀はまがりなりにも都銀です。
地方を基盤とする唯一の都銀でした。
拓銀を見殺しにするということは、北海道経済を見殺しにすることと同義でした。
ということで、北海道の景気がよくないのは、決して産業が無いからではない(産業という点ではむしろ恵まれている)。
北海道の景気がよくない根本原因の1つ目は今から13年前に「拓銀を潰れるがままにしてしまった」ということに行き着くわけです。
貸し渋り・貸しはがしの根元
資金繰悪化が致命的である以上、アメリカ政府がなりふり構わずに自国の銀行を救済したのも当然です。
アメリカは、リーマンショックを機に、グローバルスタンダードとう名の下に日本に押しつけてきた「偏った時価会計」を恥も外聞もなく捨て去ってしましました。
でも、アメリカに言われるがままに日本の銀行と企業に「偏った時価会計」という足かせをはめた当事者は当然知らんぷりです。
偏った時価会計のせいで、どれだけ多くの企業が債務超過に陥って、銀行融資を受けられなかったことか・・・。
表向きは中小企業への貸し渋り・貸し剥がしを防ぐという建前論のもと、ちょうど二年前の2009年12月に金融円滑化法という代物が出来上がりました。
でも、私の目には只単に自分たちの過去の過ちを揉み消しにするための責任逃れにしか映りません。
行政府と立法府の皆さんが、自分の頭で考えずに、親分であるアメリカの言うがままに行動した結果が今の日本の有様です。
「貸し渋り・貸し剥がし」が発生したのだとすれば(しましたが)、その一番の原因は銀行ではなく、実は国(立法府・行政府)の政策判断ミス・舵取りミス(正確には政策判断放棄・舵取り放棄)に原因があったということになります。
そりゃそうです。
銀行の立場からすれば「貸し渋ったり、貸し剥がしたり」しないと、金融庁の定めたルール(偏った時価会計)上では回収困難な貸出という認定を受けてしまって、引当金が必要になってしまい、貸せば貸すほど赤字になって、只でさえ低金利の世の中なのに、預金者に利息すら払えなくなってしまうのですから。
利息が払えないだけならまだしも、融資先が倒産してしまったら、預金者に元本さえも返済できなくなってしまうんです。
「貸し渋ったり、貸し剥がしたり」してしまいますよね・・・。
サッカーに例えてみるとこんな感じになります。
審判(日本の銀行)やチーム(企業)にとって納得できない試合のルール(会計ルール「偏った時価会計」)を作って、審判(銀行)とチーム(企業)にそのルールを強要した結果、観客からブーイングが発生しまくって、サッカーファンは試合から足が遠のいてしまいました。
誰も試合を見たがらないのでテレビ放映もされなくなりました。
当然興行収入もスポンサー収入も何も入らなくなって、チームの運営費を維持できず、チームは解散。
審判も職を失っていきます。
それは大変だというので、観客が観ないような試合を招いた審判(銀行)に対して、罰則(金融円滑化法による裁き)を下すというのです。
「いくらなんでも、それは違うでしょ? おかしなルールを作って、それを強要した方が悪いにきまっているでしょ?」
なんてことは、どの銀行の経営者も所詮サラリーマン上がりで器が小さい「事なかれ主義者」が多勢ですので口が裂けても言えません。
企業サイドも銀行から融資が付かないことが一番怖いので、陰でグチを言って憂さ晴らしをするのが関の山です。
毒舌になってしまって、コメンなさいm(__)m
資金繰の大切さ
資金繰の大切さの続きです。
前回、住宅ローンを例にとって、私達の家計にとっても資金繰(キャッシュフロー)はとても大切という話をしました。
そして、銀行は、何百万人何千万人もの家計の資金繰、何万社もの事業会社の資金繰を預かっています。
皆さんの「資金繰」をあずかる銀行が破綻するということは、その銀行と取引のある全ての個人・家計・法人がとばっちりを喰らうということになります。
それくらい重大事なので、アイスランドもアイルランドも必死でした。
ECB(欧州中央銀行)も必死でした。
アメリカ政府がCiti bank(シティバンク)をなりふり構わずに救済したのも当然の帰結だったというわけです。
ギリシャ危機に端を発する欧州経済危機も、最終的にはヨーロッパ系金融機関を間違いなく直撃します。
そうなると、ドイツもフランスも背に腹は変えられません。
共通通貨ユーロは、結局は社会主義・共産主義と同じように、壮大な社会実験で終わる可能性が高いと思います。
最終的には、資金繰の問題として、各国の死活問題につながっていくのでしょうね・・・。
住宅ローンとキャッシュフロー
資金繰の話の続きです。
分かりやすい例で、年収1,000万円の高給取りのサラリーマン月寒さんの資金繰を覗いてみましょう。
月寒さんが月寒中央駅から徒歩10分の所に5,000万円の新築一戸建てを購入したとします。
自己資金は1,000万円で、住宅ローンを期間10年の4,000万円で借りました。
毎年の返済額は金利込みで500万円です。
年収1,000万円であっても、税金や社会保険料等を除くと手取りは650万円になります。
従ってローン返済後に手許に残る資金はたったの150万円です。
もし子供のいるご家庭であれば、150万円で1年間生活することはかなり困難です。
夫婦二人暮らしでも、車を持っていたらやはり無理です。
恐らく資金繰が破綻するでしょう。
余裕を持って20年ローンにしておけば、何とか乗り切れた筈なのに・・・。
実際の所、いくら年収が高かろうが、資金繰にしくじってしまうとそれだけでアウトなんです。
「資金繰」って、それくらい大切です。
本当は怖いキャッシュフロー
ハローワーク月寒東の話から始まって、どんどん話が脇道に逸れてしまいましたが、もう少しお付き合い下さい。
銀行が破綻してしまったら、どんなに大変なことになるのか、どこの国の政府もイヤってほど判っています。
金融立国に失敗したアイスランドや、ユーロを揺るがすアイルランドを見るだけでも歴然です。
それくらい大変なことなので国有化するしかなかったのです。
もともと、個人も企業も地方も国も、どんなに酷い「赤字」になったって、絶対にそれだけでは破綻しません。
破綻する原因はたった1つ。
「キャッシュフロー」
キャッシュフローが廻らなくなることです。
つまり資金繰がつかなくなることです。
昔から言われている日本語で言うと「金策が尽きる」ということです。
会社経営者の方や、財務・経理・会計ご担当の方にはお馴染みです。
自転車操業で腐心している中小零細企業の方も骨身にしみて判っています。
黒字倒産という言葉を聞いたことがあると思います。
どんな優良企業だって、いくら儲かっている企業だって、資金繰が付かなくなると確実に倒産します。
これは、一般家計でもよくある話です。
長くなりそうなので、続きは次回に。
最初の失敗は金融政策~元を辿ると橋本内閣??
最初の失敗は金融政策の失敗です。
思い出すのもおぞましい旧北海道拓殖銀行の経営破綻。
大元を辿るとここに行き着きます。
直接の原因は確かにバブルに踊った企業への融資が焦げ付いたからです。
当時の経営陣の責任は当然重いと思います。
でも、バブルに乗り遅れた三菱銀行と静岡銀行を除くと、日本の全ての銀行が似たような状況でした。
しかも、そもそもバブルのコントロールにしくじったのは日本国「政府」です。
拓銀破綻時の内閣は第二次橋本内閣でした。
大金融機関を潰さないと言い続けてきた政府が掌を返したように拓銀、山一、長銀、日債銀を潰しました。
日本の金融自由化に踏み切ったのも橋本内閣です。
そして、拓銀が破綻した前年の1997年に緊縮財政を強行したのも橋本内閣です。
あんな大変な時期に消費税増税と公共投資の大幅削減を行ったわけです。
その翌年1998年(平成10年)に景気が悪化して自殺者が急増しています。
橋本内閣の時にあらゆる不景気の条件が整ったわけです。
この辺の詳細については、鋭い各国経済考察で有名な三橋貴明氏の諸々の著書の中でも判りやすく指摘されていますが、まさに著者のご指摘通りだと思います。
しかし、実際に、不幸の種が蒔かれたのは、実は橋本政権以前でした。
細川政権でビッグバンを決定し、村山政権で消費税UPの法案が通過しています。
日本の失われた○○年を作った元凶は細川政権と村山政権(今の民主党政権の母体)にあったということですね。
そして、拓銀だけではなく、北海道の企業を、更には北海道の経済を瀕死の状態に追いやったというわけですね。
なんだか、今の政権の所業とオーバーラップして見えてしまいます。
私だけでしょうか?
(次回に続く)
本当は凄い北海道
北海道の景気が良くないのは、決して産業が無いからではありません。
むしろ日本中のどの地域よりもバランスが取れていて恵まれていると思います。
まず、北海道と言えば美味しい食べ物がたくさんあります。
日本全国、何処に行ってもデパートの物産展と言えば「北海道」。
北海道が一番人気です。
つまり、豊かな自然を背景にした農業と水産業があります。
そこから派生した食品関連産業もバッチリです。
それに、広い土地と豊かな水もありますから、工業地域としても充分な価値があります(苫小牧・石狩・室蘭・釧路etc)。
天然の良港にも恵まれています(函館・室蘭・苫小牧・釧路・石狩)。
しかも、札幌の皆さんは標準語に近い日本語を話しますので、コールセンターとしての存在価値も高い地域です。
おまけに、札幌バレーと呼ばれているように、IT関連も実は強い。
更に、日本人の誰もが憧れている人気№1の街「札幌」がある。
札幌の都市機能も素晴らしい。
碁盤の目で整備された計画的な都市。
広い道路。
地下鉄と地下街が発達していて生活も便利。
常に流行の最先端をいくファンションの街札幌。
人口も横浜・大阪・名古屋に次いで日本第4位の190万人です。
世界広しといえども豪雪地帯にある100万都市は唯一札幌だけです。
札幌だけじゃありません。
港町情緒が溢れる街「小樽」や「函館」もある。
美しい自然という「天然」の観光資源にも恵まれていて観光客も多い。
日本人で世界遺産「知床」を知らない人は滅多にいないでしょう。
富良野や美瑛や旭山動物園を知らない人もいないでしょう。
つまり、一次産業・二次産業・三次産業のどれを取っても恵まれている地域である筈です。
それなのに・・・なぜ・・・?
不思議ですよね。(続きは次回)
北海道の景気
前回はハローワーク札幌東のお話でした。
皆さんもご存知かも知れませんが、失業率が高い地域って、いつも相場が決まっています。
不名誉なナンバーワンは、だいたい沖縄県です。その次に悪いのは大阪と東北と「北海道」です。
沖縄の場合には、「ゆいまーる」という相互扶助の伝統が県民一人一人に染みついているので、路頭に迷うことは滅多にありません。
しかも、万が一路頭に迷ったとしても「暖かい」気候なので、死んでしまうこともないでしょう。
でも、東北と北海道については、失業は「生命の危機」に直結する可能性もあるので深刻な話です。
では、北海道の景気がいつまで経ってもなかなか良くならないのは何故でしょう?
皆さんはその理由をご存知でしょうか?
産業がないから?
いえいえ、まさか。
そんなことは無いと思います。(続きは次回)
月寒中央とハローワーク
札幌のハローワークは、中央区(南10西14)以外では、豊平区と東区の2ヶ所しかありません。
チョット意外です。
しかも、紛らわしいことに、豊平区にあるハローワークの名称は「ハローワーク札幌東」です。
そして東区にあるハローワークの名称は「ハローワーク札幌北」です。
うーん?・・・?(゚_。)?(。_゚)?
よく判りませんね・・・。
豊平区にあるハローワーク「ハローワーク札幌東」の本拠地は月寒東です。
場所は、このブログの初回でチョットだけご案内した「つきさっぷ郷土資料館」の斜向かいです。
ただ、庁舎建て替え工事のため、H22/10からは仮庁舎に移転しているそうです。
ということで、月寒地区には勤労者の味方ハローワークも近くにあって、公共施設の充実度も抜群だったんですね(^^)v(本当はあまり世話になりたくないですけど・・・)。
ブラザーサイトもヨロシクね(^^)v
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