貸し渋り・貸しはがしの根元
資金繰悪化が致命的である以上、アメリカ政府がなりふり構わずに自国の銀行を救済したのも当然です。
アメリカは、リーマンショックを機に、グローバルスタンダードとう名の下に日本に押しつけてきた「偏った時価会計」を恥も外聞もなく捨て去ってしましました。
でも、アメリカに言われるがままに日本の銀行と企業に「偏った時価会計」という足かせをはめた当事者は当然知らんぷりです。
偏った時価会計のせいで、どれだけ多くの企業が債務超過に陥って、銀行融資を受けられなかったことか・・・。
表向きは中小企業への貸し渋り・貸し剥がしを防ぐという建前論のもと、ちょうど二年前の2009年12月に金融円滑化法という代物が出来上がりました。
でも、私の目には只単に自分たちの過去の過ちを揉み消しにするための責任逃れにしか映りません。
行政府と立法府の皆さんが、自分の頭で考えずに、親分であるアメリカの言うがままに行動した結果が今の日本の有様です。
「貸し渋り・貸し剥がし」が発生したのだとすれば(しましたが)、その一番の原因は銀行ではなく、実は国(立法府・行政府)の政策判断ミス・舵取りミス(正確には政策判断放棄・舵取り放棄)に原因があったということになります。
そりゃそうです。
銀行の立場からすれば「貸し渋ったり、貸し剥がしたり」しないと、金融庁の定めたルール(偏った時価会計)上では回収困難な貸出という認定を受けてしまって、引当金が必要になってしまい、貸せば貸すほど赤字になって、只でさえ低金利の世の中なのに、預金者に利息すら払えなくなってしまうのですから。
利息が払えないだけならまだしも、融資先が倒産してしまったら、預金者に元本さえも返済できなくなってしまうんです。
「貸し渋ったり、貸し剥がしたり」してしまいますよね・・・。
サッカーに例えてみるとこんな感じになります。
審判(日本の銀行)やチーム(企業)にとって納得できない試合のルール(会計ルール「偏った時価会計」)を作って、審判(銀行)とチーム(企業)にそのルールを強要した結果、観客からブーイングが発生しまくって、サッカーファンは試合から足が遠のいてしまいました。
誰も試合を見たがらないのでテレビ放映もされなくなりました。
当然興行収入もスポンサー収入も何も入らなくなって、チームの運営費を維持できず、チームは解散。
審判も職を失っていきます。
それは大変だというので、観客が観ないような試合を招いた審判(銀行)に対して、罰則(金融円滑化法による裁き)を下すというのです。
「いくらなんでも、それは違うでしょ? おかしなルールを作って、それを強要した方が悪いにきまっているでしょ?」
なんてことは、どの銀行の経営者も所詮サラリーマン上がりで器が小さい「事なかれ主義者」が多勢ですので口が裂けても言えません。
企業サイドも銀行から融資が付かないことが一番怖いので、陰でグチを言って憂さ晴らしをするのが関の山です。
毒舌になってしまって、コメンなさいm(__)m