こんばんわ
今日は姪っ子たちがたくさんのお土産を持って
ランチに来てくれました。
小中学生のふたりに「学校では朝読する?」と聞くのを忘れてしまいました。
わたしの孫の学校では朝読の時間があるのです。
だからけっこう読書家です。
テレビ、ゲーム、パソコン、スマホ・・・、
この十数年、情報機器の本格的な普及によって、私たちの生活は激変した。
とりわけこうした電子機器が子どもたちに与える影響は議論となるところ。
とくに叫ばれているのは、
子どもたちが本を読まなくなっているのではないか、という疑問。
家庭においても、子どもがゲームばかりして本を読まない、
という保護者もいるかもしれない。
若者の本離れや、それに伴う学力低下といった言説に思わず頷いてしまう。
しかし実態はそうではないらしい・・・。
飯田一史著ー2023年6月発行ー。
10代の読書に関する調査
本離れは進行していない
教育関係者やメディアは「若者の本離れが進んでいる」と語るが、
その実態は知られているとは言い難い。
実際、書籍の平均読書冊数は
1980年代から1990年代にかけて低下するが、
2000年代にはV字回復を遂げ、
2010年代になると小学生は史上最高を更新、
中学生は微増傾向を続けている。
高校生は横ばいだが、全体として「本離れが進行している」とは言えない。
2000年代にV字回復を遂げたのは、
官民連携による読書推進の動きが本格化したためである。
各自治体が朝の時間に読書をする「朝読」を導入した結果、
2020年の段階で小中学生の8割は
学校で半ば強制的に本を読む時間がある。
こうした流れを受けて児童書市場は
少子化にもかかわらず堅調に推移しており、
子どもひとりあたりの書籍代も増加傾向にある。
高校生と大学生の不読率はおおむね50%程度となっており、
若者のふたりにひとりは本を読まない。
しかし大人に目を向けてみても、
日本人全体の不読率は高校生や大学生とほぼ変わらない。
高校生への読書支援が小中学生に比べると手薄であることを考えても、
高校生以降は大人と同じ読書率になっている、と考えてよいだろう。
それでは
小中学生にしているような半強制的な読書時間を設けることなしに、
人が読書をするかしないかを、
後天的にどれくらい変えられるのだろうか。
たとえば
生まれつき読み書きに難がある学習障害・発達性ディスレクシアの人だけでも、
人口の数%を占めると言われている。
また文字からよりも、人と話すことや動画から情報を得るほうが
学習効果が高いという認知的特性を持つ人もいる。
行動遺伝学の領域では、
人間のさまざまな好みや能力は、
遺伝によるものが5割、
生まれ育った環境の影響が3割、
それ以外の非共有環境が2割で決まるといわれている。
ある論文では、子どもの読書量は、
子ども自身の遺伝的影響のみが反映されるという結果もある。
読書に関する生得的なものは、
多くの人の実感やイメージよりもはるかに大きい。
本を読まない人が半分居ることそのものは、
問題視ではなくむしろ当然視すべきなのだ。
読まれる本の「3大ニーズ」と「4つの型」
中高生が求める三大ニーズ
中高生は、実際にどのような本を読んでいるのだろうか。
そもそも10代は、大人と比較して情動の揺れ動きが激しく、
衝動性が高いという発達上の傾向を持っている。
人間は「古い脳」とされてきた情動を扱う大脳辺縁系を先に発達させ、
「新しい脳」とされ理性や言語をつかさどる前頭前野は後から発達していく。
近年の神経科学の研究からすればおおまかな区分ではあるが、
おおむね生理的にそのような傾向があると言えるだろう。
これを踏まえて中高生が読んでいる本を眺めていくと、
以下のようなニーズがあることが推察される。
①正負両方に感情を揺さぶること。
泣ける、ときめく、笑える、切ない、スカッとする、
そういった感情に激しく訴えかける要素が顕著な本が好まれる傾向にある。
逆に言えば、情動を動かす以外の要素、
たとえば知的であるとか文体が流麗であるといった要素は必須ではない。
➁思春期の自意識、反抗心、本音に訴えるものであること。
大人が説教するようなきれいごと、正論、押しつけがましい話は好まれない。
普段、友人や家族に言えないようなモヤモヤ、イライラ、
不安や不満、反抗心、切実な想いなどをキャラクターが代弁し、
昇華してくれるものを求めている。
③読む前から得られる感情がわかり読みやすいこと。
読後感がすぐにわかるタイトルや設定、
あらすじ、カバーといったパッケージングが望ましい。
また語彙が平易で描写が少なく、
設定やストーリーラインがシンプルであるほうがよい。
孫の誕生日には本をつけて贈るのですが、毎回悩みます。
「こうであってほしい」「かくあれ」
と押し付けるような選書になっていないかと思ったりします。
若者文化の現在地を知り確認しやすい内容でした。
では、また明日^^