<人間と自然とAIと哲学> No. 5
今日もAI関連の話から。
私が知りたいのは、
・「意識とは何か?」
・「人(自身)を動かす根源は何か?」
・「愛とは何か? 愛するとは何か?」
・「人は何のために生まれてきたか?」
・・・・・
何故AI(人工知能)を取上げるのかと言えば、
AIから逆に「人間とは何か?」が見えてくるからです。
「生命とは何か?」が見えてくるからです。
「この宇宙とは何か?」が見えてくるからです。
技術的な、AI(人工知能)の実装の話をしたいのではありません。
< 「意識」 について >
■現代人は、「意識」 は頭の中で発生すると思っています。
体の五感で受信した、自分の今ある状態や、
周囲の状況などの認識と感情と空想の履歴であり、
思惟・思考を行う主体、つまり「私」だと思っています。
■ユングは意識を、
(意識) < (無意識) < (集合無意識)
の三階層で構成されると見ました。
集合無意識は、胎児の成長と共に、胎内で再現される、
地球誕生 ⇒ 細胞分裂 ⇒ 魚類 ⇒ 爬虫類 ⇒ 哺乳類 ⇒ 人
人類誕生から、その人が生まれるまでの、
遺伝子レベルで受け継がれた、祖先の苦難の歴史の記憶です。
また、地球の公転自転により発生する磁気と時間に同期する
地球(ガイア)上のすべての命と繋がる意識(気)ともいえます。
■古代人は、自然の全ての事象・物質に、
意識(=霊魂)が宿るとみました。
自然と八百万の神とが一体となった神道は、
16,000年前の縄文・弥生時代、
古事記・日本書紀の時代を経て、皇室と共にあります。
■西洋哲学の祖プラトンは、
世界を観察した結果、イデアこそが本当の世界・実相で、
現実だと思っているこの世は、虚仮の世界、イデアの影絵
だと説きました。
人の意識が知覚する世界(=目に見える世界)よりも大事な
世界(=目に見えない世界)があると言うのです。
そして、真の生き方とは、
魂がかつて暮らしていた真実在のイデアを想起し、
魂をイデアに向け変えて生きることであり、
その認識は人間のレベルから国家のレベルまで適用
されるべきだと説きました。
■現代科学の祖アリストテレスは、
事象・物質が持つ意識を「エイドス(形相)」と呼び、
エイドスによって現実化した個物を
「エネルゲイヤ(現実態:エネルギー)」と呼び、
現実化した最高の動者を「最高善(= 中世では「神」)」と呼びました。
■東洋哲学の一つ、仏教(般若心経:大乗仏教)では、
意識を含む六識(眼耳鼻舌身意)は無いよ、空だよ、と説いて、
個我のへ執着と石のように固まった概念を一度捨てさせます。
何故ここまでするかと言うと、人は生れてから生活のために、
世の中を自分に都合の良い善悪・好き嫌い・損得に分別し
固定化してしまうからです。
その分別がこの世をつくった神・仏の意に沿うものであったら何も
問題無いはずですが、たいていの人は「自分さえ良ければいい」
ために苦しみを味わっているからです。
分別の執着から離れ、
間違った考えや迷いや苦しみから解放されると、
全てのものは「縁」で繋がって「無分別」で、
全てが「一視同仁」な世界、
この世と繋がったあの世すなわち涅槃の境地に至ります。
この世だけしか知らない人は、
この世だけがリアルワールドだと思うのですが、
「昼」と「夜」の両方で「一日」と言うが如く、
「この世」と「あの世」を行き来して「一生」だと言うのです。
今日はこれまで。