<人間と地球と文明と哲學> No. 28
---「ガイア理論」提唱者ラブロック氏死去に想う ---
「ガイア理論」の提唱者ラブロック氏が亡くなりました。
ラブロック氏は、「我々人類のような種がこの地球に誕生したことに意味があるとすれば、それは母なる星地球が、自分がいかにはかなくも美しい存在であるかを、自分の目で確かめるためだ。」と述べました。
「ガイア理論」は、バックミンスター・フラー氏の「宇宙船地球号」とともに、人類の進むべき道程(目的)を啓示しています。
私なりに解釈した「人類の進むべき道」とは・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
45億年前に生まれた地球が、地球生命体(ガイア)として 37億年かけて生命(人類)を育てた目的は、地球が生命体として死を迎える(※1)前に、地球以外の星に生命の輪を継承してもらうためであり、人類は地球に育ててもらった恩返し(責務)として、地球環境が激変する前に、太陽系外の地球型惑星に地球環境を再生(テラフォーミング)し、命を未来に繋げ、宇宙に繫栄させる責務がある。
人類自身の目的(使命)は、あたかも一人の人間がこの世に生まれ、親(地球)の庇護の下成長し、親(地球)から自立する試行錯誤(思春期)を経て、公人として社会(宇宙)に貢献するに至るまでの、人間の人生の意識のレベルの向上と同じく、人類全体の意識のレベル(愛の広がり)を向上させて宇宙に貢献することが、37億年かけて地球に育ててもらった恩返しとともに、命を繋げてくれた人類自身(祖先)への恩返しであり、この宇宙に生まれた意義であり目的(天命)だ。
現代はちょうど、500年前からの科学革命と人間中心主義思想の頂点にあり、人類全体の意識のレベルは、「やっと親(地球)から自立出来た!」と喜び、好き放題危険な遊びをしている子供のようだ。
この地球の息子(人類)が、仲間同士・兄弟同士で喧嘩をして血を流したり、親(地球)の財産を食いつぶす前に、自分達がこの世に生まれた本来の目的(天命)を想い起し、善き方向に「魂の向け換え」をして、公人として社会(宇宙)に貢献する意識のレベルに立つことが急務だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2500年前もプラトンは『ソクラテスの弁明』『国家』『パイドロス』で、似たようなことを訴え、アカデメイアに学園を開設するに至ったのかも知れません。
<参照>
「ガイア理論」のラブロック博士が死去、いま振り返る成り立ちと意義|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)
[注釈]
(※1) もし地上に人類がいなくても、大陸移動や環境変化などで、地上の生物が生活(生命活動)できるのは、あと2~10億年が限界との推測から。