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短歌入門・僕の場合、アイキャッチ画像

 

この記事は5920文字です。(読破予想時間:約14分5秒)

 

■悪意と死つきまとわれし少女あり生きて必ず我と出逢わん

 

僕は、ミュージシャンであり音楽アーティストなのですが、最近、ほぼ趣味で短歌を始めました

 

今回は、そんな初心者アマチュア歌人の僕はこうして短歌をはじめましたと言う話を中心に展開していく予定です。

 

案外、僕の様なド素人のド初心者の入門の経緯や経験の方が、「短歌に何となく興味を持っているけど何処から始めていいか分からない」なんて人達の参考になるのかなって気持ちで書いてみる事にしたのですが、この記事がきっかけで短歌の世界へ入門される方が一人でも二人でも増えれば嬉しいなって思ってます。

 

 

僕自身、短歌そのものには随分昔から興味を持っていました。

 

しかし、学校の課題などで詠まされた以外、自分の意思で短歌を詠んでみたのは20代半ば頃だった様なそうでなかった様な、そこはいまいちはっきり思い出せませんが、とにかく滋賀県の水茎の里での陶芸体験の時でした。

 

自分で作った湯呑みに短歌を書き入れてみればどうだろうと言う発想がきっかけで短歌を詠んで、その場で作った短歌を湯呑みに書き入れたのが僕の本当の意味での処女作でした。

 

その時の歌は何を詠んだのかは覚えているのですが、どう詠んだのかは思い出す事が出来ません。

 

手元にその時焼いた湯呑みはもうありませんし。

 

そして、最近になるまで興味はあるものの全く詠まずに来たのですが、再び強く短歌を詠んでみたいと思う様になったのは、セーラー服の歌人・鳥居さんの歌集『キリンの子』を読んだのがきっかけでした。

 

キリンの子・鳥居歌集/セーラー服の歌人・鳥居

キリンの子 鳥居歌集/鳥居

 

ちなみに、冒頭の歌は僕の自作短歌なのですが、短歌を始めるきっかけになった鳥居さんへの思いを歌った歌です。

 

この歌の解説は改めて最後にさせて頂きますが。

 

もし、『キリンの子』を読まれるのでしたら、是非、作者である鳥居さんの人生を岩岡千景さんが取材して書かれた本である「セーラー服の歌人 鳥居・拾った新聞で字を覚えたホームレス少女の物語」とセットで読まれる事をお薦めします。

 

セーラー服の歌人 鳥居・拾った新聞で字を覚えたホームレス少女の物語/岩岡千景

セーラー服の歌人 鳥居・拾った新聞で字を覚えたホームレス少女の物語/岩岡千景

 

正直、『キリンの子』と言うこの歌集には衝撃を受けました。

 

内容もさる事ながら、短歌そのものの威力と鳥居さんの表現の魅力にです。

 

短歌とはこんなにも凄まじい破壊力を持って、物事を表現する力を持っているのか!」と言う思いが沸き上がってきて、更には「自分も詠んでみたい!」と言う思いも沸き上がってきたのです。

 

そしてそれと同時に、ただ単に知識も何もない素人が適当に詠んだって、鳥居さんの様に人の心を掴める様な歌は詠めないと言う事も悟ったのです。

 

それを何となく悟ると、短歌とはどう詠めばいいのかと言う事がとても気になり始めます。

 

そして、それが分からないと例え興味を持ったとて、もう一首も作れなくなるのが僕の性分なのです。

 

そこでやはり最初に頼ったのは、まず、ネット検索でした。

 

そうして、見つけたのがこのサイトです。

 

◇短歌入門部屋 - プラボットの異端児 -

 

そして、この短歌入門部屋と言うサイトが僕の最初の入門書でもあります。

 

本当の初歩の初歩から、丁寧に短歌と言う物を解説してくれています。

 

このサイトを書いて下さった黒路よしひろさんには今でも感謝していますし、とてもいいサイトだと思います。

 

短歌を始めたいとお思いの方は、まず、ここから攻めてみてはいかがでしょうか?

 

僕としてはオススメのサイトです。

 

そして、まずは一通りこのサイトを読んでみて、とにかく作ってみようと詠んだ歌がこのブログで初めて公開した四首の短歌でした。

 

◇短歌詠んでみました〜北のミサイル四連作

 

しかし、詠んでみて初めて感じたのですが、それは、「これだけでは何かが足りない」と言う事です。

 

空手などの武術や将棋や囲碁にも型があり、いろいろなセオリーや強くなる為に絶対に身につけておかなくてはならない基本があります

 

それが何かは分かりませんが、とにかく歌を詠んでみた事で何となく確信に近い形で、まだまだ、セオリーや型の様なものがきっとある筈だと感じたのです。

 

そして、手にした書籍がこれでした。

 

今はじめる人のための短歌入門/岡井隆

今はじめる人のための短歌入門/岡井隆

 

で、序盤の部分を読んでみたのですが、少し書かれている事が高度な様に感じたので、一旦別の書籍を探す事にしました。

 

後に、最後までこの本を読んでみて、書かれている事が初心者には高度だと言う事が間違いでとても初心者向けな入門書だと言う事が分かるのですが、その話はまた後に。

 

そして、岡井隆さんの本をひとまず中断して、次に探し当てたのが、古本ではありますが、かなり状態の良かった本で、この本です。

 

短歌始めました<百万人の短歌入門>/穂村弘・東直子・沢田康彦

短歌始めました<百万人の短歌入門>/穂村弘・東直子・沢田康彦

 

この本は凄く面白かったです。

 

そして、凄く参考になりました。

 

この本は、沢田康彦さんが主宰する短歌の会「猫又」に寄せられた短歌を沢田さんと東直子さんと穂村弘さんの3人の著名な歌人達がどんどん批評していく会話形式で進んでいくのですが、その会話が初心者にもとても分かりやすい解説になっていて本当に参考になるのです。

 

僕は、プレバトの俳句のコーナーが好きで毎週の様に観ているのですが、「短歌でも、夏井いつき先生の様に分かりやすく批評してくれてズバリとポイントを教えてくれるそんな番組があればいいのに」とずっと思っていたのですが、この本はその願いに近いものがありました。

 

当然、夏井先生の俳句コーナーとはまた違うと言えば違うのですが。

 

そして、この本には、僕の知りたい事がたくさん書かれていました

 

まさに、短歌のセオリー的な事や優れた短歌の共通点や言葉を発信する為のコツや短歌は練習すると上手くなるのかなど、3人の会話は多岐に渡ります。

 

その中でも穂村さんがおっしゃられていた「体験した事をそのまま歌っていくのでは五七五七七の形をとった日記にすぎない」と言うくだりがやたら印象に残っています。

 

これは、僕の作詞の理念にも近いものがあります。

 

◇歌詞で自分語りをしてはならない

 

そして、この本を読み終えた後で、先に読みかけていた岡井隆さんの『今はじめる人のための短歌入門』を読んだのですが、僕が途中まで読んでいたすぐあとの章、「初句と結句」と言う章から本格的な入門書へと突入していくではありませんか。

 

「初句と結句」と言う章は全222ページ中、僅か64ページ目から始まる章です。

 

もう少し読めば、この本がまさに自分が求めていた本だと気付いた筈なのですが。

 

この岡井隆さんの短歌入門では、僕がこの記事の序盤で書いた事と同じ様な事が書かれています。

 

つまりは、空手や将棋の型の大切さと同じ様に、短歌の型がいかに大切かと言う事と、その基本やセオリーやルールについてもとても分かりやすく丁寧に解説されています。

 

まさにこれこそ、入門書の王道と言った感じです。

 

そして何よりこの本で印象深かったのは「詩歌とは、いわば、紋切り型の日常語から断絶した世界。手あかのついていない、自分だけの言葉を探して歩く作業」と言う部分です。

 

この言葉にはけっこうワクワクドキドキされられましたね。

 

この本の中には「短歌の中でおはなしをしてはいけない」と言う事についても書かれていますが、実際には短歌の中で「おはなし」をしてしまったり、或いは、ちょっと意味は違うのでしょうけど物語を短歌の中に持ち込んでしまう詠み手は多いようです。

 

しかし、岡井隆さんはかけがえのない人生の一瞬として、三十一文字に焼き付けようとするべきで、その時にはじめて歌が生まれると短歌を説いています。

 

短歌の中に自分が伝えたい「おはなし」を詠み込んでみたいなって言う形で興味を抱いてた人にとっては、こう言った点からも、「短歌って自分が思っていたのと違う」となるかもしれませんし、そこで興味の対象から外れてしまう人もいらっしゃるかもしれません。

 

でも、僕は物語は物語で短歌ではなく物語そのものを書いたりもしますし、いくつかこのブログでも発表したりもしています。

 

そして、単に「おはなし」がしたい、或いは、伝えたい話があると言うのなら、このブログに書けば済む話ですので、短歌の中でおはなしをする事は特に望んでいません。

 

それよりも、自分だけの言葉を探す作業と言う定義の方にワクワクドキドキされられたのです。

 

なので、特に物語を持ち込むつもりも「おはなし」をするつもりもないのですが、それが案外難しいのです。

 

岡井隆さんは「事柄でなく感情を!」と説いておられますが、知らず知らずについ事柄を説明するだけのものになってしまいます。

 

ついつい、先程書いた穂村弘さんのおっしゃる「三十一文字の日記」になってしまうのです。

 

でも、今はそれでもいいと僕は思っています。

 

その事は後述しますが。

 

この岡井隆さんの本について、何より素晴らしいと思った点は、表現者とは何たるかを非常に分かりやすく全体を通して説明してくれている点ですかね。

 

ネット上で「自称・表現者」を名乗る人をたくさんみてきました。

 

ただ、何かを作ったり書いたりしてれば表現者と言う訳ではないと言う事がとてもよく分かる本ですので、今まで表現者と言う言葉の意味を深く考えずにその言葉を使ってたと言う人にもオススメの一冊です。

 

 

ここまで、『短歌入門部屋 - プラボットの異端児 -』と言うサイトと『短歌始めました(百万人の短歌入門)』と『今はじめる人のための短歌入門』の3つを読んだ訳ですが、その全てで共通した項目の1つに定型を守る事の大切さと言うものがありました。

 

僕は元々、字余りや字足らずの歌を読んで、あまり心地が良くないと感じる事が多く、そのせいか、定型を守る事の大切さの解説がとてもすんなりと自分の中に染み込んできたのです。

 

◇リズムが好き!

 

そして、僕が短歌を発表する時によく書いてる一言「今は、定型(五七五七七)を守る事だけを心掛けている」と言う、僕のやるべき第一歩が僕の中で生まれた訳です。

 

なので、今は取り敢えず、いちいち指折り数えなくとも定型で自然と言葉が出て来る様になるべく、まず定型を身につけようと言う課題だけを自分に課して実行しています。

 

なので、今は歌の中でおはなしをしてしまおうが、三十一文字の日記になろうが、とにかく、定型のみを守る事を意識しています。

 

じっくり数えながら、言いたい事をただ、五七五七七の定型の三十一文字に言葉を並べて詰め込むだけならそんなに難しい訳でもなく、少し時間をかけてじっくり考えれば必ずその型にははめ込めます。

 

でも、まだしばらくは、もう少し自然にこのリズムが出てくる様になるまではこの課題のみで詠んでいこうと思ってます。

 

次の課題へ移るのは、まだ少し先のつもりです。

 

ただ、この二冊の入門書に共通して書かれている点はいくつもあるのですが、そのうちの一つに、どんどんプロのいい歌を読んで、自分でもたくさん詠めと言うのがあります。

 

これは、きっと意識せずとも普通にやっていくでしょうから、これを課題だとは考えてません。

 

音楽とそこは同じですね。

 

たくさんの音楽を聴いてたくさんの音楽を知る事と作品を作り続ける事は課題でも何でもなく、それが自然に出来ないと音楽アーティストではないって話ですから。

 

要は興味の問題ですので、興味を持った歌人の歌集は普通に手にして自然に読んでいくと思います。

 

 

最後に一応、冒頭の自作短歌についてちょっとだけ解説しておきましょうか。

 

解説を読みやすくする為に、もう一度、その冒頭の短歌を記載しておきますね。

 

■悪意と死つきまとわれし少女あり生きて必ず我と出逢わん

 

途中でも書きましたが、この歌は短歌を始めるきっかけになった鳥居さんへの思いを歌っています

 

たくさんの悪意を受け、いくつかの悲しい死と出会い、そして自分自身も死のうとした結果、何とか死の淵から生還し、今でも「死にたいが止まらない」と呟く鳥居さん。

 

そんな鳥居さんといつかは会ってみたいと思う気持ちと、何とか生きていて欲しいと言う思いがこの一首に込められた意味です。

 

てか、そのままですね。(^▽^;)

 

僕が思うに、ここに紹介させて頂いた歌人の先生方の話を総合しますと、僕の詠んだ冒頭の短歌は、さしずめ「五七五七七の形をとった単なる手紙」と言った所でしょうか。(;^ω^A

 

まあ、先述の通り、今はそれでもいいと思ってはいるんですけどね。

 

でも別に力を制御していると言う意味ではなく、これが精一杯の実力なんですね。

 

五七五七七と言う定型を守る事だけを死守していると言っても、それ以外の事をしてはダメって訳ではないので、自分だけの素晴らしい表現が思いついたのなら、当然それを込めたっていい訳ですから。

 

要は、何も思いつかず、定型を守る事で精一杯と言うのが今の僕の実力と言う訳なのです。(T▽T;)

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

短歌を始めるきっかけだとか参考だとか、何か有益なものはこの中にありましたか?

 

誰かのちょっとした後押しになれば嬉しいのですが。

 

では、今回はこれにて。

 

 

【おまけの追記】

 

これも僕が読んだ入門のひとつです。(((o(*゚▽゚*)o)))

 

 

◇今までに発表した自作短歌集です。



☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*

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