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凶悪な殺人事件などがある度に、ニュースや各報道機関が「容疑者には、精神科への通院履歴がありました」ってよく言ってるけど、「だから何なんだ!?」って、僕は、いつも怒りを覚える。
以前にも書いた事はあるが、精神科の受診くらい僕もした事がある。
◇鬱病とは思わない、思えない。結局どうだか分からない。
だからと言って、僕は人を殺したりはしない。
僕が昔付き合ってた女性で、長年、精神科のお世話になっていた子もいたが、彼女は、とても優しくて、人を殺せる残虐性など持ち合わせていない。
他にも、パニック障害に苦しんだ身内や、適応障害、鬱、PTSDなど、様々な精神疾患を間近で体験してきたが、彼らは、何も頭がおかしいとか狂ってる訳ではないのだ。
今では放送禁止用語になってあまりつかわれなくなった言葉だが、敢えて使わせて貰おうと思う。
彼らは、「キチガイ」ではないのだ。
しかし、各報道も精神病院へ通ってた=キチガイであるかの様に報道するし、その報道を見てる人達も、完全にキチガイを見る目で報道を見ている。
その証拠に「容疑者は精神科への通院履歴がありました」と言う報道を見て、「やっぱり!」と、咄嗟に口に出す人は本当に多く、何度も僕は、その光景に立ち会っている。
そして、報道を見てわざわざ僕の所に「あの犯人、精神病院に通ってたんだって!」と言いに来る人も、過去多数いた。
そもそも、例えば、鬱になったからって、人を殺そうなんて事にはならない。
確かに、感情のコントロールが利かなくて、どんどん落ち込んでいったりする事があるのがこの病気の特徴だが、本来持ち合わせていない凶暴性が出てきて、制御不能になるなんて病気ではない。
本人は、自分がどんな状態か客観性もあるし、周りの人間が困っている事も十分に分かっていて、それでいてコントロールが利かなくて、周りにも迷惑をかけたくないのに落ち込んだままで、それがまた本人にとってはとても辛い事であると言う、そんな病気だ。
感情のコントロールが利かないと言う意味はそう言う意味なのだが、その言葉が、あまりにも、酷く誤解されて世の中に蔓延している様な気がする。
そして、人々は、ちょっと聞きかじった程度で、「自分だけはこの病気の理解者だ」とばかりに講釈を垂れるのだ。
でも、そんな人達のとる言動は、ほぼ間違いなく、先程話した報道を見た直後の「やっぱり!」と言う様な言動なのだ。
こういうのを見てると、理解してるつもりで善人ぶっている人が巷に溢れかえっている割に、精神疾患の理解は進んでいないと言わざるを得ないだろう。
もう一度、声を大にして言わせて貰うと、元々、優しかった人が、鬱になったからといって、大量殺人鬼に変わるなんて事は断じてない。
結局は、その人の人間性がものを言うのだ。
精神疾患がなくても、そういう奴は、例え風邪でも、「風邪引いてイライラしてたから」とか何とか言う理由で、凶器を持って誰かを撲殺したなんて事も起こりうる訳で、それは、風邪と言う病気のせいで殺人が起きた訳ではない。
その殺人犯のもともとの人間性なのだ。
精神疾患だってそれと同じで、精神疾患の患者が殺人を犯したとしても、結局は、病気が原因なのではなくそのほとんどの原因は、犯人の持つ人間性だ。
まず、精神疾患にも様々なものがあって、鬱病、適応障害、PTSD、統合失調症、パニック障害、双極性障害など、これ以外にもまだまだあって、一括りには出来る様なものではない。
最低限、この違いくらいは分かってないと理解してる様な顔をしないで欲しいと言いたくなる。
まぁ、言い方は悪かったが、とにかく、知らない場合、発言には気を配って欲しいと言う事である。
全部の病の症状を覚えろとは言わないが、分からない事を抱えている人に対する気配りは大切だと、そう思っている人はきっと多い筈だ。
ならば、その思いをこのケースにも当てはめてあげて欲しい。
マスコミの連中は、一体いつまで「容疑者は精神科への通院履歴がありました」などと言う個人情報を、事件との因果関係も証明されないうちから出すのだろう。
これは、個人情報保護法の観点からはOKなのか!?
人権の観点からはどうなのだ?
僕は、殺人犯を庇おうと思ってこんな話をしてる訳ではない。
殺人を犯した事と病気とは、ほとんどの場合、全く関係はない。
であるのに、そういった報道をする事で、精神疾患で苦しむ患者達への偏見が高まって、精神疾患の患者さん達が肩身の狭い、辛い思いをすると言っているのだ。
そもそも、殺人事件の犯人が逮捕されて、「容疑者は、風邪で内科への通院履歴がありました」などと報道しないだろう。
マスコミは毎回、それと同じ事をしているのだと言う事を、世間に是非知って貰いたいと思うのだ。
一人でも多くの人に知って欲しいのだ。
身体障害者手帳を目にした事があると言う人はけっこう多い事だろう。
僕も過去に何度も見せて貰った事がある。
しかし、精神障害者手帳を見た事があると言う人は、身体障害者の手帳に比べてかなり少なくなる筈だ。
僕も、精神障害者手帳を目にした事は過去に一度しかない。
これは何故かと言うと、精神障害者手帳を他人に見られるのが怖くて、つまり、精神障害者だと知られるのが怖くて、皆、見せたがらないからなのだ。
精神疾患があると言うと、誤解され、奇異な目で見られ、辛い目に遭う事が分かっているからだ。
子供と仲良く遊んでいても、精神疾患があると分かると親は、その患者のそばから子供を慌てて遠ざけようとする。
精神疾患があると言うだけで、近所で何か起きた時に、通報されたり、警察から職質を受けたりする。
そんな話を聞いた事もあるくらいで、世の中の偏見は本当にまだまだ酷い。
精神疾患に苦しむ患者にとって、精神障害者手帳は確かに役に立つし、その恩恵もあるのだが、人に見られると大きなリスクを背負う事になると言うのも、実情だ。
かと言って、このまま放置して置いても理解が深まる事もないし、何も解決しないだろうと言う事で、まず、僕が声を上げさせて頂いたと言う訳だ。
僕も、専門家程、精神疾患に付いて詳しい訳ではないけれど、あのマスコミの報道の仕方と世間の偏見が間違っている事だけは分かる。
僕が変えたいのは、まず、マスコミの報道の仕方である。
そして、マスコミのあり方を正す大きな力を持つのは、私達一般市民以外にはいないのだ。
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