~風の吹くまま、自由気ままな旅を~ -86ページ目

平和の象徴の橋・モスタル ~紛争の爪跡が残るボスニア・ヘルツェコヴィナ~


これまで旧ユーゴスラビアの国々をいくつかまわってきたが、



「紛争の爪跡が今も残る場所」というのは、あまりなかった気がする。



どの街も綺麗に修復されており、活気に溢れる街も多かった。



唯一挙げるとすれば、アルバニアのトーチカ(ザク)くらいか。



紛争から15年程経ち、僕はほとんどの街は復興されたんだなと感じていた・・・









アドリア海の真珠を後にした僕は、内陸に向かった。



ボスニア・ヘルツェコヴィナのモスタルという街がとてもよいと聞いたからだ。



ドブロヴニクからモスタルへは、1日4便ほど直行バス(103kn)が出ており、3時間半ほどで着く。



アドリア海を離れると、周りの景色は緑一色へと変わる。



豊かな川に、豊かな緑が生い茂り、畑が幾重にも繋がっていた。


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-道中
モスタルまでの道中



そんな美しい山間にある街が、モスタルである。









モスタルは南部最大の都市で、中心街は世界遺産に登録されている。



オスマントルコ時代より栄えた街は、美しいモスクが今も残り、どこか中東の雰囲気をかもし出す。



モスタルの街の象徴といえば、スターリ・モスト。


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-橋
スターリ・モスト


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-橋を下から
川から見上げたスターリ・モスト



石で作られた橋で、美しい渓谷にかかっている。


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-橋からの風景
橋から見た風景






その両岸にはお土産屋さんが立ち並び、橋の下を流れる川では、



魚釣りをしたり、川原遊びをしたりと、地元の人々が遊んでいた。


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-メインストリート
お土産屋さん


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-カフェ
石畳で綺麗に整備されたストリート


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-他の橋
スターリ・モスト以外にもいくつか綺麗な橋があった


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-魚釣り
魚釣り


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-子供たち
川原で遊ぶ子供たち


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-猫
ゆっくり流れる時間に、猫もこの通り



なんとも微笑ましい風景だ。









澄んだ川や綺麗な橋、両岸に立ち並ぶお土産屋さんやカフェ。



観光地化された中心街はとても綺麗だったのだが・・・









メインストリートから一歩離れると、僕の前には息を呑むような光景が広がっていた。


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-銃弾1


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-銃弾3


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-銃弾2


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-銃弾4
砲撃で倒壊寸前の建物とその前で遊ぶ子供たち






これは、もちろん銃弾や砲撃を浴びた建物である。



今も修復されずに残っているのは、



紛争を忘れないためなのか、直すことへの経済的負担からなのかは分からないが、



この建物たちは、たしかにここで激しい紛争が行われたことを意味していた。



街の至る所にある墓地には、真新しい墓石が多く、そのほとんどには1993年と記されていた。


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-お墓









旧ユーゴ解体時の紛争の中でも最も悲惨とされたボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争。



というのも、当時のボスニアでは民族間(ムスリム、クロアチア、セルビア人)の結婚が、



他の共和国より圧倒的に多く、それが何代にも続いていたためだ。

※当時のユーゴスラビアは「7つの隣国、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、
 3つの宗教、2つの文字により構成される1つの国」と言われていた



民族間で起こったユーゴスラビア紛争は、ボスニアでは家族や恋人を殺すことを意味した。

※ボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争の詳細はこちら







表向きだけでは分からなかったが、今もモスタルでは紛争からの影響で、



街に住むムスリム人とクロアチア人の居住区は完全に分かれている。



居住区を分ける線はあの澄んだ川で、あの美しい橋こそ両居住区を分ける中間点であった。









オスマン帝国時代の16世紀に建てられ、以来モスタルのシンボルとなったスターリ・モスト。



この橋は、多民族・多宗教間のまさに“架け橋”としての意味も持っていた。



だが紛争中の1993年、何者かの手によって爆破されてしまい、“架け橋”は破壊された。



戦後、ユネスコと市民の協力の下、



“もう二度と戦争を繰り返さない”



という民族融和の象徴として、橋と周辺地区は再建され、世界遺産登録に至った。









僕は始め、このような背景は知らなかったので、



綺麗な橋だな~、綺麗な街だな~、としか感じなかった。



他の旅人から「綺麗な場所だから行くといいよ」と勧められたモスタル。



こんな程度の情報しか得ずに、ここまで来てしまったが、訪れることが出来本当に良かった。






僕はこの光景を一生忘れないだろう。







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宿情報・ドブロヴニク ~旧市街の海側に位置する眺望抜群の宿~


『Fresh Sheets Hostel』
住所:Smokvina (Sv. Simuna) 15, Old Town Dubrovnik, Croatia
料金:4人ドミ 30€
備考:バス・トイレ付、ウェルカムドリンク・朝食付
ネット環境:フリーWi-fi、宿のPC無料(2台)
おススメ度:★★★★★ Great!!


ドブロヴニクではどうしても旧市街内に泊まりたかった。
その願いを叶えてくれたのが、ここ。この旅の最高料金30€。でも、大満足!!

バスターミナルからのバスが発着するピレ門からは10分強歩くが、
旧市街の中でも海側の高台に位置しているため、眺望抜群!!

この景色を部屋から眺められる安宿は、そんなに多くないと思う。
建物は4階建てで2~4階が客室になっているが、絶対4階を予約してください。
※4階の部屋は4人ドミEnsuiteと表記され、他の部屋より若干高い(6月は2€増し)

宿は、白と水色を基調にしており明るい雰囲気。
キッチンと冷蔵庫はあるが、大きさや設備から自炊するのはちょっと難しそう。
宿のスタッフは皆ホスピタリティに溢れ、安食堂まで一緒に行ってくれたり、とても親切。


★節約派の方へ
旧市街外には15~20€の安宿がけっこうありました。
SOBEなら、交渉次第でもっと安くおさえられるかも。


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-heya
4階ドミ(バックパックがそのまま入る個人ロッカー付)


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-space
共有スペース


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-kitchen
綺麗だけど、自炊には厳しそうなキッチン


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-宿からの朝景
4階のドミからの景色・旧市街側


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-宿から 海
4階のドミからの景色・アドリア海側





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宿情報・ティラナ ~宿自体は良かったが、トランジットの人には立地に難あり~


『Hostel-Albania』
住所:rr. Beqir Luga, Tirana, Albania
料金:12人ドミ 11.77€
備考:バス・トイレ共同、朝食付
ネット環境:フリーWi-fi
おススメ度:★★★★☆ Good!
※宿のHP


宿自体はとっても快適です。
半地下の12人ドミは、部屋というよりドアのない広い空間という感じで、風通しが良かった。
広い庭にはくつろげるスペースがあり、W杯の中継も見ることが出来る。

ただ、これはこちらの問題だが、立地に難あり。
もしトランジットのためだけに、1泊するなら他の宿のほうがいいかもしれない。
というのも、国内各地のバスの発着場は、だいたいが中心の広場より西にあるのだが、
この宿は、広場から東へ10分ほど歩いたところにあるからだ。


僕の場合、ベラットから入り、シュコダルに抜けるルートのトランジットで寄ったが、
双方のバス停からは45分程度歩かなければならなかった。
※市内バスに乗れば問題ないのかもしれないが・・・

バスターミナルがなく、発着場が街の中に点在するティラナ特有の問題ではあるが、
もし僕と同じようなルートの方は、中心の広場より北西~西に宿を取ることをお勧めします。




≪ティラナ市内の主なバス発着場≫ ※2010年6月現在

ベラット、ギロカスタル、サランダなどの南方面・・・広場から西へ30分強 Kavajes通り沿い
シュコダル(モンテネグロ)行き・・・広場から北西へ30分弱 Durresit通り沿い
ドゥラス方面・・・広場から北へ20分 鉄道駅の近く
マケドニア行き・・・広場から北へ5分ほどのところにあるチケットオフィスで確認


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-genkan
玄関


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-niwa



$~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-soccer
W杯観戦



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宿情報・コトル ~旧市街内にある立地サイコーな宿~


『Montenegro Hostel Kotor』
住所:Pjaca od Mlijeka b.b., Kotor, Montenegro 32000
料金:6人ドミ 12€
備考:バス・トイレ共同
ネット環境:フリーWi-fi、宿のPC無料(1台)
おススメ度:★★★★☆ Good!
※宿のHP


コトルの旧市街にある、立地サイコーの宿。
ミュージアム前の広場に面しており、飲食店が並んでいるため夜まで騒がしいが、
ホステル自体は、広場から奥まったところにあるため、それほど気にならなかった。

宿は部屋やキッチン、共有スペースなどどこも綺麗で、快適だった。
キッチンや冷蔵庫も使えるので、自炊派にもおススメ。スーパーはバスターミナル近くにあり。

唯一の不満点は、バス・トイレが1箇所しかないこと。
しかもユニットバスなので、だれかがシャワーを浴びているとトイレにすら行けない・・・。

15人程度収容できる宿で、これはきつい。
みんなの出発時間が重なる7時から9時までは大渋滞。
ここに泊まる場合には、シャワーは昼もしくは夜、トイレは早めに行かれることをお勧め。



~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-共有スペース
共有スペース


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-キッチン
綺麗なキッチン。冷蔵庫も使える。



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やっぱりここは別格!!アドリア海の真珠・ドブロヴニク ~その③ ドブロヴニクのあれこれ~


≪アクセス≫


まず、ドブロヴニクへのアクセスだが、



以前も書いたように、モンテネグロのコトルからは、一日2~3便。



所要時間は2~2時間半で、料金は11€+荷物代(トランクに入れる荷物一つにつき1€)。


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-コトル時刻表
コトルのバスターミナルで撮影した時刻表






クロアチア国内からのアクセスは、国内主要各都市からあり、スプリットからは頻発。



バスターミナルは、フェリー乗り場の隣にあり、旧市街までは市内バスで15分。



バス停はバスターミナルのすぐ前の道にあり、日中なら1時間に4~5本はあった(1a、1b)。



ちなみに、市内バスの料金は、キオスクで8kn、車内で10kn。

※1kn≒16円弱



あと、ドブロヴニク発の国際バスのスケジュールを写真に撮ったので、UPします。



2010年6月17日の情報になりますが、参考にしてください。


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-ドブ時刻表







≪物価≫


他のクロアチアの都市にまだ行っていないので、国内他都市とは比較は出来ないが、



噂どおり東・中欧の中では、けっこう高い。ただ、べろぼうではなかった。



当たり前かもしれないが、西欧の観光地と比べたらまだまだ安いし、



他の旅人から聞いていたような、目玉が飛び出るほどではなかった。



代表的なものの物価を記載すると、


水500ml 5kn

コーラ500ml 7~10kn

テイクのピザ1ピース 10kn

菓子パン 5~10kn

シングルアイス 7~10kn

~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-iau
10knの大盛りシングルアイス

絵葉書 2~3kn

安いレストランでの食事(メインと飲み物) 50~100kn

テーブルクロス付きのレストラン(メインと飲み物) 30€~
※行ってないが、メニューを見た感じで

教会などの入場料 40kn前後

安宿(ドミ) 旧市街内 30€~ 旧市街外 15€~
※SOBE(プライベートルーム)は参考外



イメージとして、安宿に泊まって最低限の食事でよければ、1日4000円程度。



旧市街内に泊まって、まともな食事をしたとしても、1日7000円あれば十分。



ドブロヴニクに1週間滞在する場合には、けっこうな負担になるが、



2日・3日の滞在なら、全く問題ない物価ではないでしょうか?






≪宿≫

僕は、どうしても旧市街内に泊まりたかったので、ドミで初の20€超え。



というか、ジャスト30€。



でもドブロヴニクなんて、そうそう来れるもんじゃないし、



食費を削ってでも旧市街内と思っていたので、予約が取れただけでも御の字。



しかも前評判どおり、宿もとてもよかったしね。

※Fresh Sheets Hostel



部屋や水周りが綺麗、朝食付き、フリードリンク、フリーWi-fiなどもよかったのだが、



何よりも部屋からの景色がサイコーだった。



旧市街の一番海寄りに位置するので、市内バスが発着するピレ門からは離れてるけど、



4階の部屋の窓からは、一つの窓からは旧市街とスルジ山、



逆サイドの窓からは、城壁とアドリア海、ロクルム島が見渡せる。


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-宿からの朝景
旧市街とスルジ山


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-宿からの夜景
夜景


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-宿から 海
アドリア海側






時間ごとに刻々と移り変わる景色は、ずっと見ていても飽きなかった。



ドブロヴニクに泊まる際は、なんだかんだで旧市街がやっぱりおススメ。



ちなみに、旧市街外にはYHをはじめ、20€以下の宿もけっこうありました。



まあ、何を優先するかだと思います。


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-おばちゃん
ドブロヴニク名物、バスターミナルでのSOBEの客引きおばちゃん


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-交渉
おばちゃん達の客引きの順番は決まっていると聞いていたが、かなり殺気立っていた






≪スルジ山≫

スルジ山は旧市街の裏側にそびえ、標高は412mある。



山頂からは旧市街やアドリア海、果ては沿岸の島々まで見渡すことが出来る。



滞在初日から行くか迷っていたが、行くには徒歩かタクシーしかないらしい。



どうしようかな~と迷いながら、山の斜面を見ていると、






!?!?






ロープウェーが動いてる!!!!






僕が持ってる歩き方・中欧版('09~'10)には、ロープウェーのことなんか載っていない。



もしや、最近オープンしたとか??



期待に胸膨らませ、ソッコーで麓まで行ってみると・・・


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-line


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-ro-puwe-









ガッデム・・・



まだ工事中だった。






さっき動いてたのは、どうやら試運転だったらしい。



工事現場のおっちゃんに聞いたら、来月完成するんだってさ。



ちぇっ、ちぇっ。



来月以降ドブロヴニクに行かれる方、朗報です!!



今夏からはスルジ山にロープウェーで行けちゃいますよ~。






いいなぁ。



ということで、これで完全にやる気を無くした私は、山には登りませんでした。









ざっと、情報としてはこんなもんでしょうか。



もしこの他に何か聞きたいこととかありましたら、連絡してください。



それでは、これからアドリア海に別れを告げ、内陸へ突入してきます。







★今日の一枚


宿の窓の外にあったこの滑車。

~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-宿の外の滑車


何のための滑車でしょうか??









正解は・・・



下からモノを上げるため。









ではありません。





本当の正解はこちら。


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-洗濯物1


~風の吹くまま、自由気ままな旅を~-洗濯物2



旧市街内の土地が狭く、洗濯物を干す場所がないため、


このようなスタイルになったそうです。


これぞ生活の知恵!!







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