※あまりにも纏まらなくてお蔵入り予定でしたが

 とりあえず供養として上げてみます 笑

 ほぼ会話文のみでストーリー性は皆無ですので

 ご了承の上温かい目で見てやってください。

 

 

夏休みのとある日。

某所の居酒屋にて。

 

「よし、皆揃ったわね。それじゃ…」

 

「「「「「カンパーイ!!!」」」」」

「カンパイ…」

 

「ちょっとぉっ 勝輝暗いんですけど!? 

せっかくのプチ同窓会なのにテンション下がるじゃないっ」

 

「いや、なんで俺呼んだんだよ…」

 

「勝輝が非番やから行く言うたんやろ。嫌なら断れば良かったやん。」

 

「葉月と森都から同時にメッセージ来たら俺に断る選択肢ねぇよ!!」

 

「フフッ、相変わらずかっちゃん、はーくんともりりんに弱いねぇ」

 

「人聞き悪いですねぇ。まるで僕らが無理矢理付き合わせてるみたいじゃないですか。」

 

「ほんとほんと。」

 

「いや実際そんなようなもんだろ…」

 

「いつも同じ代わり映えしないメンバーですから、

たまには新しい風を吹かせてみようという葉月の思い付きです。」

 

「やだ、葉月辛辣~ 悪かったわね、代わり映えしなくってっ」

 

「今のは森都の言い方に悪意あるよ 笑」

 

「まーまー、積もる話もあるやろ。俺は聞きたいでー。勝輝の高校時代の武勇伝!」

 

「それはマジで勘弁してくれ…嫌な思い出がセットでついてくる…」

 

「でもさぁ、かっちゃんって高1、2の時までは激ヤバ暴走族だったのに

なんであんないきなりおとなしくなったのー?」

 

「っ…海保お前なぁ…」

 

「プッ…ちょっと海保ドストレートすぎ!!」

 

「っていうかそもそも高1で暴走族ってなんやねん、バイクは17からやろ。」

 

「それは時効だろ。俺は運転上手いから捕まらなかったんだよ、ほっとけ。」

 

「それはそういう問題じゃないでしょー。勝輝。」

 

「うっ…スミマセン…」

 

「えっ、ほんとにはーくんともりりんから叱られただけでやめられたの?」

 

「海保…俺の話聞いてねーだろ…」

 

「おーおー、えぐるなぁ、海保。」

 

「それを思い出したくないって勝輝がさっき言ったばっかでしょ」

 

「いやー、でもあの頃のかっちゃんって校内一の札付きの不良!

怖いものなし!って感じだったからー」

 

「勝輝が誇張しすぎてる節もありますよ。僕らはちょっぴりお灸を据えただけです。

何なら僕は葉月を少し手伝っただけですし。」

 

「はぁ!!?? あれがちょっぴりだぁ!?」

 

「不良に憧れてるのは分かってたけど、

高校上がってその道に本格的に進んでから

未成年でのお酒・タバコ、無免許運転、さすがに危なすぎたからね。

何度言っても聞かないし。

高2になって途中で免許は取ったけど、バトってスピード超過してすっ転んで全身打撲、

病院にも行ってないって聞いて慌てて探し回って、

見つけたと思ったらタバコ吸ってた最中だったって時に、

俺は確かに堪忍袋の緒が切れたよね。」

 

「う、うわぁ…」

 

「あのー、葉月サン。思い出してキレるのやめてもらって…」

 

「今までの分も含めて徹底的に泣かせてやるって思った。」

 

「…。何、今日俺公開処刑のために呼んだのか?

俺最近はおとなしく真面目に警察官やってんだけど(泣)」

 

「んーん。そんなつもりないよ 笑 大丈夫大丈夫。

でもあの時以来勝輝、危ないことはやめてくれたよね。」

 

「そりゃあれだけ痛めつけられればな…。」

 

「言い方悪いなー。『愛ある厳しいお仕置き』でしょ?」

 

「葉月。お前もう酔ってんのか…?」

 

「フフッ どーかなー?」

 

「んなわけねぇな、お前ザルだった。」

 

「えー、でも実際どれくらいのお仕置きだったのー?

かっちゃんが泣いちゃうくらいって…」

 

「海保はどんなお仕置きでもすぐ泣いてたからなぁ。」

 

「光矢うるさいぃ…」

 

「それ話すには今から浴びるように日本酒飲んで、

話し終わったら即記憶飛ばすために追い日本酒しないと無理だな…」

 

「えっ、じゃあ日本酒頼も頼も!」

 

「葉月、森都止めろよ…」

 

「えー、でもあの時のこと勝輝がどんな風に話すか興味あるなぁって。

まぁ、体壊すような危ない飲み方したら

その時点であの日の一幕再現してあげるけど。」

 

「懐かしいですねぇ。3日目くらいには目が死んでました。」

 

「あー、もうやめろやめろ! 

大体その死んだ目したやつを更に痛めつけてきたのはどこの誰だ!」

 

「フフッ。必死に耐えてて可愛かったですよ。結局陥落させたのは葉月でしたけど。」

 

「最後はちゃんと素直な勝輝になってたもんねー。」

 

「あれは心折られてたんだよ…」

 

「巷で有名な暴走族ヘッドも、葉月と森都の前じゃ形無しねー。

あ、そういえば私、それを交換材料に葉月たちに

没収されたメイクポーチ取り返してもらったから実は陰ながら感謝してたのよ。

何されたかは知らなかったけど。」

 

「は? それ初耳だぞ?」

 

「勝輝がどんどん手ぇつけられなくなるって教員一同お手上げ状態だったところに、

はーくんともりりんが勝輝を更生させたってなってなぁ。

2人がそれを交渉材料に、今まで持ち物検査で地田とかに没収された諸々、

本来は卒業まで返してくれへんかったところを取り返してくれたんやでー。

俺も確かマンガ返してもらったわ。おおきにー。」

 

「ちゃっかりしてんなぁ…あんだけ引っ叩いた末に取引に利用しやがって…」

 

「でも、その結果生まれた腫れたお尻と涙涙の反省文のおかげで

貴方も退学処分免れて停学で済んだんですから、

僕らは感謝されこそすれ、非難される筋合いはありませんねぇ。」

 

「その停学中だって…」

 

「あぁ、それも退学処分免除の取引条件だったから。

ちゃーんと停学中の課題達成できるように、応援してあげてたんだよ。」

 

「だからって…」

 

「お陰でストレートで警察学校入学できたじゃない。よかったよかった!」

 

「あー、もういい、分かった分かった、今の俺があるのは葉月サマのおかげです!」

 

「分かればよろしい笑」

 

「その経験談を、あの子たちに伝えてあげればいいんじゃない?」

 

「酒に関しては若干名、手遅れおるけどな。」

 

「あー(苦笑) まぁ、でも、俺は二人を信じてるから。」

 

「…見当ついたわ。機会があったら言っとくわ。

これ以上の酒と、タバコと犯罪行為だけはマジでやめとけってな。」

 

「経験者は語る、だね。」

 

「俺が泣かされたことは言うわけねーだろ!」

 

「言わなくても、何人かにはバレるの時間の問題だと思いますけど。

意外とあの子たち聡い子もいますから。」

 

「な、なんでだよ?」

 

「気付いた方がいいですよ、勝輝。

貴方あの日からずっと、特に葉月に対して態度があからさまに違いますから。

葉月があの子たちに対してお説教モードの時とか顕著です。」

 

「…マジで?」

 

「自分のことを客観的に見るのってやはり難しいものですね。」

 

「ほんとだねぇ。」

 

時刻は夜8時前。

宴はまだ始まったばかりだった。

 

 

 

…数時間後。

 

 

紆余曲折あって結局逃げられず、

須王は詳細な当時の『愛ある厳しいお仕置き』について洗いざらい暴露させられることとなった。

 

酒が入って完全に出来上がった状態でそれを聞いた雲居と波江、氷村は

あまりの内容にからかうどころか涙ぐみ、

当の須王は数時間前の風丘の宣言をすっかり忘れて

話し終わるや否や記憶を飛ばそうと日本酒をぐい呑みで一気飲みし、

霧山の制止も聞かずに二杯目を手酌で注いでぐい呑みを持ち上げようとした瞬間、

隣に座る風丘に腕を引かれ強烈な一発を食らう羽目になった。

 

記憶を飛ばすどころか一気に酔いが冷め、

翌日朝、ベッドから起きて全てを鮮明に記憶してしまっている現実に直面し、須王は誓った。

 

(もう二度と行くか…。)

「はい、入ってー。」

 

風丘に促され、夜須斗はいやいや部屋に足を踏み入れた。

 

「吉野はお部屋久しぶりだね。 

1人はもしかして高校上がって初めてか。」

 

「…。」

 

夜須斗は高校に上がってから、実は一学期中ほぼほぼ風丘の部屋とは無縁で過ごしていた。

1、2回たわいもない理由で惣一たちとまとめて連行されたことはあるが、

1人で連れてこられたのは高校生になってこれが初めてだった。

 

「一応聞くけど、なんで連れて来られたか分かってる?」

 

風丘が、まぁ、あの様子じゃ分かってると思うけど、と夜須斗に問いかける。

夜須斗は諦めとイラつきでぶっきらぼうに答えた。

 

「…掃除当番、サボったからだろ。」

 

「そう。惣一君に聞いたよ。

夏休みの数学の課題、写させる代わりに掃除代わってもらったんだって?」

 

「そんなとこ。ってかいいじゃん、別に。押し付けたわけじゃないし。

惣一が自分で交換条件って言ってきたんだから。

課題写させたのだって、今の今まで気が付かなかったくせに。

他の教科の答え丸写しと大差ないじゃん。」

 

「まぁねぇ、確かに、課題の話は惣一君から聞くまで俺も知らなかったし、

たぶん今も数学の先生方は気付いてないけど。」

 

夜須斗の指摘に、風丘は苦笑いで頷きながら、でも、と続ける。

 

「吉野。なんでそれを惣一君が交換条件にしたの?」

 

風丘の問いに、夜須斗は苦虫を嚙み潰したような顔で吐き捨てるように言った。

 

「それは…っ…分かってるくせに。」

 

自分から説明もしようとしない夜須斗に、風丘は再び苦笑する。

 

「掃除場所が保健室で、昨日が光矢の勤務日だったからでしょ。

全く、分かりやすいったら。」

 

そう言いながら、風丘は徐にソファに腰掛けた。

 

「ま、人には好き嫌い、苦手な人はあるものだし、

吉野の性格的に光矢と相性悪いのも、

光矢の多少自業自得なところもあるのは分かってるけど。

だからってやるべきことから逃げるのはダメ。

一応掃除当番もチェックの担当教員がいるんだから、

急な欠席以外で交替するときは本人から事前に申し出るってルールがあるでしょ。

押し付けてるわけじゃなくても、ルール無視は良くないしね。」

 

「だからって…」

 

そんな細かいことをネチネチ言うな、と

風丘らしくない説教をされた夜須斗が不満を口にしようとすると、それを風丘は遮って言った。

 

「っていうことを口頭注意して、

その場で5発くらい叩いたらおしまいにしようとしてたのにさぁ。」

 

「え?」

 

「ちょうど吉野が日直で早く来る日だったから、教室でパパっと済ませようって思ってたのに、

吉野が意外とお子様ムーブするから結局部屋呼ぶことになっちゃったじゃん。」

 

「なっなん…え…?」

 

耳を疑う風丘の発言に、夜須斗は思わずぽかんとして聞き返す。

「お子様ムーブ」というのは恐らく、

逃げようとしたり黒板消し投げつけたりドアを蹴ったりということを指すのだろう。

だとすれば、それをする前、保健室の掃除当番について問われたあの瞬間は、

まだ部屋行きの運命ではなかったということになる。

知りたくなかった事実に、夜須斗がだって、と口を開く。

 

「俺のこと名字で呼んだじゃん!」

 

「いや、それなんか皆勘違いしてるみたいだけど、

お部屋でお仕置きする時「だけ」名字で呼ぶなんてルールにしてるわけじゃないし。

それに、何なら教室で何発かはお尻叩くつもりだったし。」

 

服の上からだけど、まぁ一応けじめってことでー、なんて

風丘はゆるーく答えているが、夜須斗はそれどころではない。

大きな選択ミスで、大ダメージだ。

 

「というわけで、予定変更でーす。はい、吉野お膝おいで。」

 

落ち込んでいる夜須斗にお構いなく、風丘は膝を叩いた。

 

「いや、ほんとそこは勘弁して…」

 

この展開で膝の上で叩かれるのは

痛みより何より恥ずかしさが限界突破しそうで、夜須斗は悲痛な声を上げた。

しかし、風丘はダメですー、と許してくれない。

 

「今日の吉野のお仕置きは、お膝の上でお尻ぺんぺんがピッタリでしょ。

叱られそうになって逃げる、物を人に投げる、物に当たる。

中学生の時…っていうか、ちっちゃい子のオイタと変わらないじゃない。」

 

「っ~~~~」

 

羞恥心を煽られ、夜須斗は下を向く。

改めて羅列されると、本当に小学生のような振る舞いだ。

 

「早くおいでー。それともお尻出すのも自分でしたい?」

 

「っ…」

 

再度膝を叩いて促してくる風丘が、どんどん追い詰めてくる。

夜須斗は唇を噛みしめ、ようやく風丘の元に歩み寄った。

緩慢な動作で、風丘の膝の上に腰のあたりが来るようにして何とかうつ伏せの体勢をとる。

 

「はい、よくできました。」

 

そう言うと、風丘は慣れた手つきで夜須斗の制服のズボンを下ろし、

次いで下着も膝まで下ろしてしまう。

抵抗はしないものの、耳を真っ赤にしている夜須斗を見て、風丘はフフッと笑った。

 

「久々だからよけい恥ずかしいねー。」

 

「っ!!!」

 

絶妙なタイミングで煽ってくる風丘に、夜須斗は拳を握りしめて、振り返って風丘を睨みつけた。

 

が、風丘はどこ吹く風で、むしろニッコリ笑って、

そんな顔をした罰と言わんばかりの遠慮ない1発がお見舞いされた。

 

バッチィィンッ

 

「うぁぁぁっ」

 

「そんな顔してないで反省しなさーい。」

 

バチィンッ バチィィンッ バチィィンッ バチィィンッ

 

「っあ!! ってぇぇっ…くぅっ…いったぁっ」

 

久々の膝の上で受ける平手は、果たしてしっかり痛さは高校生仕様だった。

こんなに痛かったっけ、と焦るほどだ。

 

バッチィィン バッチィィン バチィンッ バチィンッ バチィィィンッ

 

「うぁっ…いっ、、てぇっ…うぁぁぁっ」

 

先ほどは恥ずかしさと少しの怒りを耐えるために握っていた拳だが、

今はひたすら痛みを耐えるために握り、腕に顔を埋める。

そんな夜須斗の頭上から、風丘のお説教が降ってきた。

 

「お仕置きから逃げない。」

 

バチィィンッ バチィィンッ バチィィンッ

 

「うっぁ…!! やっ…うぅ…」

 

「物を人に向かって投げない。」

 

バッチィィン バチィンッ バチィンッ

 

「いぃぃっ! あぁぁっ」

 

「物に当たらない。」

 

バチィンッ バチィンッ バッチィィンッ

 

「くぅぅっ…っあっ…うぁぁっ」

 

「分かった?」

 

バッチィィィンッ

 

「ひゃぁぁっ!?」

 

突然の一発に夜須斗の体が跳ねる。

慌てて夜須斗がコクコクと首を縦に振ると、

じゃあ、と分かってはいたが夜須斗にとっては大きな試練の問いが投げかけられた。

 

「ごめんなさいはー?」

 

「っ…」

 

「言えたら仕上げね。」

 

そう言って、ペチペチと促すように軽くお尻を叩かれ続ける。

これまた恥ずかしい。

う~~と夜須斗が唸っていると、

風丘は言えないなら仕上げにいけないなぁ、困ったなぁ、と白々しく言う。

 

「言えるように手伝ってあげようか。」

 

「っ…は?」

 

「右か、左か、どっちがいい?」

 

とてつもなく嫌な予感がする。

夜須斗がいやっ…と口ごもると、

選べない? じゃあ俺が選んであげる、右ねー、と風丘が一方的にまくしたて、

次の瞬間には、数か月前に味わったあの嫌な痛みが夜須斗の右側のお尻を襲った。

 

「あぁぁぁぁっ いったぁっっ…ちょっ…いったぃてぇっっ」

 

風丘は思いっきり抓って離さない。

抓ったままごめんなさいはー?と迫ってくる。

これにはもう、降伏するしかなかった。

 

「あーーーっ ごめんっ ごめんなさいっ」

 

夜須斗が叫ぶと、風丘はあっさり抓っていた手を外してほらね、と笑う。

 

「言えたじゃない。偉い偉い。」

 

「っ…」

 

夜須斗は反論する気力もなく、肩で息をする。

心身疲れ切っている夜須斗だが、お仕置きはまだ終わっていない。

 

「よし、じゃあ最後ね。仕上げの道具、何にする?」

 

「今抓ったの仕上げになんないの…」

 

「んー? あれは吉野を素直な子にするための『お手伝い』。」

 

ダメ元で投げつけた提案はあっさり躱され、

夜須斗は項垂れて、ボソリと言った。

 

「…物差しで…。」

 

「フフッ、だと思った。」

 

夜須斗の答えを聞いて、風丘は笑ってソファの座面と背もたれの隙間に隠されていた物差しを引っ張り出す。

 

物差し選ぶ子が多いからさぁ、箱から出しちゃった、なんて

聞いてもいない笑えない理由を教えてくれた。

 

「はい、じゃあいくよ~~」

 

気の抜けた風丘の宣言と対照的に、夜須斗は身を固くした。

 

ビシィィンッ ビシィィンッ ビシィィィンッ

 

「んぁぁっ いった!! いぃぃったぁぁっ」

 

「おーしまいっ」

 

最後の3発は3発ともお尻の下の方を狙われ、

夜須斗は、最後結局恥ずかしさを忘れて悶絶する羽目になったのだった。

 

 

 

 

 

「あー、もう痛い…マジで余計なことしたし…」

 

気付けば、もう朝のホームルームまで数分になっている。

お尻を冷やす時間はなくて、早々に身支度を整えて風丘と二人、部屋を出た。

 

今もお尻はヒリヒリ痛み、抓られたところは特にジンジン痛みを主張している気がする。

 

「久々に子供っぽい夜須斗君見れたねー」

 

クスクス笑う風丘。

 

今日は最初から最後までこの調子で、お説教はされたものの、

風丘自身は別にそんなに怒ってなかったんだろうということが容易に想像できる。

大して怒ってないならこんなにすんなよ、と悔し紛れに噛みつくと、

そういうことじゃないでしょ、と頭をコツンとやられて窘められた。

 

「高校生にもなって膝の上で尻叩かれるとか…」

 

あり得ない、、、と言う夜須斗に、風丘は別にいいじゃない、と笑う。

 

「たまに軽くお仕置きされるくらい。大きなオイタは困るけど。」

 

「風丘…楽しんでるだろ。」

 

夜須斗がジトっと見つめるも、風丘はえー? そんなことないよー?と笑いながら言う。

 

「俺のお膝の上で必死にお仕置き耐えて、ごめんなさいって言ってるの、頑張っていい子になろうとしててかわいいなぁとは思ってるけど。」

 

そう言って、いい子いい子、と頭を撫でられた夜須斗はついに抑え込んでいた羞恥心が爆発した。

 

「それが楽しんでるんだろ!!!」

 

高校生になっても、多少お仕置きから離れても、結局風丘に振り回されてしまう夜須斗なのだった。

 

 

 

 

 

「惣一。お前何発叩かれたんだよ。」

 

「あー、服の上から10発。

朝練してたらいきなり呼ばれてさ。

それで焦って夜須斗にメッセージ送った後に、

体育器具庫でいきなりだったからびっくりしたけど。

部屋じゃないからわりとあっさりすんでよかったなー。

まぁ、結局痛いんだけど。」

 

「お前それも後追いでメッセージ送れよ!!!!!」

 

「え? あ、悪ぃ、終わったらすぐ朝練合流しちった…」

 

「……。もう二度と課題見せないから。」

 

「え゛っ」

※冒頭は惣一Sideですが、全体的には夜須斗Sideで話が進みます。

 

 

 

 

高校生ともなると、夏休みの宿題に追われる、なんてことはなくなるかと思いきや、

そんなことは全くなく。

 

惣一はリビングの壁に掛けられた無駄に大きなカレンダーとその上の時計を見つめ、

何度見ても間もなく0時を回って

残り一日となろうとしている夏休みを思ってうーうー唸っていた。

 

手元には遅々として進まない…というか、全く手の付けられていない数学の課題。

さすがの惣一も、この年になればある程度は急場しのぎの力はついていて、

他の教科は何とか粗方言い訳ができる程度には終えたのだが、

数学だけは全く進まなかった。

原因は、課題の内容にある。

 

「いや、ちゃんとした答え配れよ…」

 

配付されているのはA4プリント1枚につき

一番上に1行だけ問題文が書かれたプリントの100枚一束。つまり100問。

しかしこの課題のどこの質が悪いかというと、

単純な問題の多さではなく、

配られている答えは数字のみで、途中式がない、というところだった。

だがプリントの構成からして途中式は必須。つまり、答え丸写しが不可能なのだ。

分からなければ、参考書を使って自分で調べて途中式を作るしかない。

とはいえ、普段の授業をろくに聞いておらず

元々数学が大の苦手な惣一が、

参考書を使って自力でこの100問の途中式を作成するのは

時間的にも実力的にも到底無理な話だった。

 

悩んだ末、惣一はとっておきの切り札を胸に、一縷の望みをかけて電話をかけた。

 

トゥルルルル トゥルルルル

ピッ

 

「あ、夜須斗…」

 

“嫌だ。”

 

電話を取る音がして、すかさず惣一が口を開くと、

そこに被せるように電話の相手…夜須斗が一言冷たく告げた。

 

「まだ何にも言ってねぇだろ!!!」

 

“このタイミングで惣一が俺にかけてくるって課題のことしかないじゃん。

嫌だ。勝手にやって。”

 

「勝手にできないから頼もうとしてんじゃねーか…」

 

その惣一の返答から、数学の課題を指していることをくみ取った夜須斗は、

へぇ、と少し感心の声をあげる。

 

“数学以外はやったんだ。丸写しだとしても多少は人って成長するもんだね。”

 

いつにも増して辛辣な物言いだが、惣一は怯まず続ける。

 

「だろ!? だから…」

 

“嫌だ。”

 

「なんだよ~~ 別に見せてくれるぐらい良いだろ? 

俺が自分で写すからっ」

 

“そう言って巻き込まれて何度も叱られてるから嫌だ。”

 

「うっ…」

 

そう言われてしまっては反論できない。

中学時代から勉強面では大いに夜須斗に協力してもらい(利用させてもらい)、

助けられたことは数知れず。

…しかし、ズルがバレて叱られたことも同じくらい数知れず。

叱られ度合いは惣一のが大きいにしても、

夜須斗だって同じ回数大なり小なり叱られているのだ。

 

とはいえ、惣一だってそう簡単に引けない。

これで出さなければ、結局すぐに担任の風丘に連絡がいって、

良くて終わるまで居残り、悪ければいきなり部屋行きもあり得る。

ここまで(ほぼ答え丸写しとはいえ)頑張ったのに、

1教科できないからってそれはあんまりだ。

 

こうなったら奥の手、と、

惣一は隠し持っていたとっておきの切り札を切ることにした。

惣一も出来れば使いたくなかったが、背に腹は代えられない。

 

「なぁ、夜須斗。じゃあさぁ…」

 

 

 

夜須斗は惣一の提案を一通り聞いて、答えた。

 

“いいよ。それならのった。”

 

「よっしゃぁぁぁっ じゃあ夜須斗、明日昼前にお前んち行くから!」

 

惣一はガッツポーズをして電話を終えた。

これで、今年はどうにかなりそうだ。

 

 

 

翌朝、課題を持って夜須斗の家に押し掛けた惣一は、

夜須斗の解き終わったプリントを丸写しした。

夜須斗はプリントを渡したら全く手伝う素振りも見せず、

ベッドに寝転んで携帯を見たり、そのまま寝たり。

しかし、見せてもらっているのだから文句は言えない。

惣一はまさに怠惰の極みの夜須斗の隣でとにかく書き写した。

 

結局、丸写しでも夕飯の時間くらいまでかかり、

昨日の夜の時点で夜須斗との交渉に入った自分の判断を褒めたい、

と惣一は心から思ったのだった。

 

そして、同じくこちらは仁絵と洲矢にかなり早期の段階から泣きついて

何とか形にしたつばめと共に

どうにかやり終えた課題たちを夏休み明け提出し、

風丘から「明日は雪かなぁ」なんてベタなからかわれ方をしながらも、

この夏休みは乗り切った…はずだったのだが。

 

 

 

 

 

9月も終わりに近づいたある日の朝。

 

日直で仕方なく早く登校した夜須斗が教室に入ると、先客がいた。

 

「お、来た来た。おはよー。」

 

教卓横に置かれたパイプ椅子に座っていた風丘が、夜須斗に挨拶してきた。

 

「何。朝から気持ち悪い…」

 

風丘が朝から教室にいるなんて珍しい。

あからさまに変なものを見るように怪訝な表情をする夜須斗に、

風丘は少しムッとして繰り返す。

 

「おはようは?」

 

「…はよ。」

 

迫られて返したはいいが、やはり不自然さは拭えない。

今日は朝礼で何かあるのだろうか。

夜須斗は不審がりながらも、とりあえず黒板の日付と曜日を書き換えようと、

パイプ椅子に座る風丘の横を通り、教壇に上がる。

黒板消しで日付を消すと、昨日の日直が書き忘れていたのか

何かの拍子に消えてしまったのか、曜日はすでに消えていた。

改めて書こうとすると曜日感覚が抜け落ちて、

今日は何曜日だったっけ、となってしまった夜須斗は、

曜日を確認するために右手に持ったチョークを置いて、

ズボンのポケットから携帯を取り出す。

 

すると、珍しく朝っぱらから、惣一からのメッセージが届いていた。

そういえば、今日はバスケ部の朝練があると言っていた気がする。

夜須斗が深く考えずメッセージを告げる通知をタップすると、

その内容は「マジごめん!!! 風丘に気をつけろ!!!」という一文の後に、

ネズミのキャラクターが慌てている様子のスタンプが連打されている、

というものだった。

 

「え…」

 

メッセージを見た瞬間、夜須斗が振り返ると、

いつの間にか風丘は立ち上がって教室のドア付近に立っていた。

そして、ニッコリ笑って夜須斗に問いかける。

 

「ねぇ、吉野。昨日の保健室の掃除当番、どうしたの?」

 

「ゲッ…」

 

言われた瞬間、それか、と合点がいった。

 

逃げ場を探して目線を彷徨わせるが、前方ドアは風丘が完全に塞いでいて、

逃げるなら後方ドアしかない。

だが、立ち位置が微妙すぎて今走り出してもギリギリ捕まる気がする。

あれこれ悩んでいる間に風丘が迫ってきて、

夜須斗は咄嗟に左手に持ったままだった黒板消しを風丘の体に向かって投げた。

風丘の白いワイシャツにチョークの粉が色を付ける。

 

「わっ…と。」

 

風丘がそれに気を取られた一瞬で、夜須斗は風丘の横をすり抜けて、

風丘が塞いでいた教室前方のドアから脱出を試みる。

逃げてどうする、というところだが、これはもう条件反射的なものだ。

高校生になったとはいえ、最悪の結果がすぐそこに見えているこの状況で

おとなしく白旗を振れるほど、夜須斗もまだ大人ではなかったし、

仁絵ほどは躾けられているわけでもなかった。

 

引き戸の取っ手に手をかける。

 

ガシャンッ

 

しかし、ドアは開かなかった。

 

「ッチ…」

 

ガンッ

 

風丘がいつの間にか鍵をかけていたらしい。

メッセージに気を取られていてそこまで気が付かなかった。

ドアの鍵が音を立てて、

負けが確定した夜須斗が舌打ちして思わず苛立ちでドアを蹴ると、

不意に腕を取られた。

 

「もー、ワイシャツ汚れちゃったじゃない。しかもドアも蹴ったりして。」

 

バシィィンッ バシィィンッ

 

「いっ…ちょっ…」

 

ドアを蹴った右足の太ももの前と後ろ…お尻の付け根辺りを続けざまに打たれ、

夜須斗は目を見開く。焦って背後を振り返ったが、幸い誰もいなかった。

 

「久々に悪い子だねぇ吉野。はい、お部屋行くよー」

 

また腕を取られ、ここまでくればもう諦めるしかない。

 

今回も結局ダメだった。

 

事の発端となった惣一をちょっぴり恨みつつ、

それ以上に、このほんの数分で下らない罪状を2つも上乗せした

浅はかな自分が情けない夜須斗だった。

先日はTwitterでの

日程アンケートご協力ありがとうございましたビックリマーク

 

今回は初めて、Twitter(X)のスペース機能でやってみたいと思います!!

 

★詳細★

予定日時:12月29日 金曜日 

     21:00頃~(終了時間未定。人数等による)

主な内容:フリートーク(マシュマロに来た質問等)

     基本だらだらおしゃべり

     (無人だったら、

     この前突然の飲み会← で見られなかった

     Mステ見るかも笑)

参加方法:白瀬のTwitter(@tsubameshirase)

     をフォローしていただき、

     スペース中はタイムラインの一番上に

     白瀬のアイコンが出るので、それを押して

    「スペースに参加」をタップする。

 

初スペースなので、今のところアーカイブ残す予定はありません。

最初諸々調整時間頂くかもです。

そして、いつも以上にぐだぐだになるかも(←いつも言ってる)

 

なので、是非是非話題の提供をお願いします!!

いつもの質問箱でもよいですし、

匿名メッセージサービス「マシュマロ」で受付中です音譜

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「新堂― 太刀川― お部屋おいでー」

 

今日は1学期終業式の日。

 

かったるい式を終え、欲しくもない成績表を持たされ、

ようやく待ちに待った夏休み、という放課後に突然落とされた爆弾に、

惣一とつばめは顔を見合わせた。

 

「な、なんでぇ!?」

「そうだそうだ!! そんないきなりっ」

 

抗議の声を上げる二人に、風丘がニコッと問いかける。

 

「なんでだと思うー?」

 

「いやなんでって…」

「僕たちが思い浮かばないから聞いたんですけどっ」

 

正直、細々したことならいろいろありすぎていちいち覚えていない。

下手な墓穴を掘るくらいなら、何も言わない方がましだ。

二人がムッと口をつぐむと、

風丘がやれやれ、とため息をついて口を開いた。

 

「昨日の放課後、部活サボってどこにいたの?」

 

「「!!!」」

 

それか、と二人が腑に落ちた瞬間、

それは結構まずいやつだととりあえず駆け出すが…。

 

ガチャガチャ

 

「!? いつの間に!?」

 

用意周到にいつの間にか教室のドアにカギがかけられていて、

それを開けようと手間取っている間にあっさり捕まってしまったのだった。

 

 

 

 

 

ビシィィンッ ビシィィンッ

 

「いったぁぁぁぃっ」「ってぇぇぇっ」

 

揃って部屋に連行され、ソファの背もたれにお腹をのせる形で

仲良くお尻を突き出す姿勢で並んだ二人は、

風丘からの物差しのお仕置きに大騒ぎしていた。

 

 

部屋に着いた途端、

平手にしてあげるつもりだったけど、逃げようとしたからねー、と

いきなり物差しを持ち出され、血の気が引いたのは言うまでもない。

温情で下着は残されたままだが、

もう10数発受けてお尻は絶対に赤くなっているし、

この最初で最後の砦もいつ無情に降ろされるか分かったものではない。

 

「まったく…職員室から鍵盗んでパソコンルームに侵入して…」

 

ビシィィンッ ビシィィンッ

 

「あーーっ!!」「いぃぃぃぃっ」

 

「部活サボってYouTube見てたとか…」

 

ビシィィィンッ ビシィィィンッ

 

「いたぁぁぁぁっ」「うぁぁぁっ」

 

「またしょうもないことするんだからっ」

 

ビシィィンッ ビシィィンッ

 

「痛い痛いっ」「ぎゃぁっ」

 

 

風丘がこれを知ったのは、情報科の教員からのタレコミだったらしい。

 

元々昨日の放課後は高等部の職員会議で職員たちは会議室に集まっており、

パソコンルームのカギを貸した覚えもないのに、

パソコンルームのパソコンが動いた形跡があるのを

今朝その教員が気付き、

不審に思ってパソコンルーム前の防犯カメラを警備員と確認したら

惣一とつばめが映っていた、と。

 

情報科の教員は、風丘よりも若い気の弱そうな男性教員だから油断していた。

ご丁寧にログまでチェックして、

YouTubeでゲーム実況動画を見ていたことまで風丘に報告してきたらしい。

 

お仕置きが始まる前にそれを聞かされ、

プライバシーの侵害だ!と惣一が喚くと、

学校の備品勝手に使っておいて偉そうなこと言わない、と風丘に一刀両断され、

物差しの前に余計に平手を3発もらうことになった。

 

 

「部活サボったくらいじゃ俺もそんなに怒らないけどねぇ。

職員室でカギ盗んで、勝手に入って備品使うとか、

ほぼほぼ犯罪行為だからね?」

 

分かってるー?と、言いながら、風丘は容赦のない物差しを振り下ろす。

 

ビシィィンッビシィィンッ ビシィィンッビシィィンッ

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!」「いたいいたいむりむりむりっ」

 

いたーい足の付け根に左右的確に打ち込まれ、

二人して背もたれからずり落ちて悶絶する。

しかし、そんな二人を見る風丘の目は冷ややかだ。

 

「何やってんの。あとそこもう2セット。じゃなきゃ仕上げいけないよー?」

 

「いや無理だってマジでっ…」「いまのほんといたいぃ…」

 

お尻を抑えて蹲る二人だが、

風丘は物差しを持ったまま腕組みしてそんな二人を見下ろす。

 

「いつまでそうしてるつもりかなー。仕上げの回数どんどん増えてくよー。」

 

ちなみにもう仕上げは下着無し決定ね♪とはっきり宣言され、

何回かわからない仕上げがどんどん増えていくのも恐ろしくて、

二人は諦めてなんとか立ち上がり、元の位置に戻る。

 

なんだかんだ、ここで駄々を捏ねても絶対に良い方には転がらないことを

経験上嫌というほど知ってしまっている二人だった。

 

 

ビシィィンッビシィィンッ ビシィィンッビシィィンッ

 

「い゛い゛ってぇぇぇっ」「ほんといたいってばぁぁっ」

 

ビシィィンッビシィィンッ ビシィィンッビシィィンッ

 

「ぎゃぁぁぁっ」「い゛やぁぁぁっ」

 

足の付け根に左右を3セット、

声が嗄れんばかりの大絶叫で何とか受け終わった二人だが、

まだ終わりではない。

 

また崩れ落ちてお尻を擦る二人の目の前に、

いやーなボックスが引っ張ってこられた。

 

「それじゃ、選んでー。二人一緒のでもいいし、別でもいいけど。」

 

悲しいかなこの仕上げの道具を選ぶシステムにも

1学期の終わりともなれば慣れっこになってしまった。

まだ半分くらいは未知の道具だが、それらは恐ろしすぎて体験したくもない。

比較的選びやすい(それでももちろん痛いけど)物差しの選択肢を奪われてしまい、

二人はうんうん唸りながら、靴べらを選択した。

 

「はい、じゃあ下着おろして元の体勢に戻って。

回数は…どうしよっかな…」

 

靴べらをパシパシ掌に当てながら、わざとらしく風丘が呟く。

素直にお尻を出さなければ回数を増やすぞ、という脅しであることは

ここまでの付き合いになれば容易に伝わる。

二人は慌ててどちらからともなくお尻を出して、元の位置に戻る。

さっきの3セットが痛すぎて、

とりあえず少しでも少ない回数で終わってほしかったのだが…

 

「10回? 20回?」

 

「は、はぁぁっ!?」「なんで全然多いっ…」

 

いつもの仕上げは3回だ。さっき少し抵抗したとはいえ、

お尻も素直に出したのに、いきなりそんなに増やすなんて、そんな殺生な。

二人が抗議の表情を見せると、風丘はえー、だって、と続ける。

 

「痛い痛いばっかりで、まだごめんなさいも聞いてないしねぇ」

 

「っごめんなさい!」

「ごめんなさいっ ごめんなさいっ」

 

指摘されて二人して慌てて口にするももう遅かった。

 

「はいはい、じゃあ10回ね。」

 

ベシィィンッ ベシィィンッ

「「ごめんなさいぃぃぃっっ」」

 

渾身のごめんなさいも空しく、容赦ない10発が二人のお尻にお見舞いされた。

 

 

 

 

 

待ちに待った夏休み1日目は、

痛いお尻を庇いながらの散々な1日になりそうな二人なのだった。