※あまりにも纏まらなくてお蔵入り予定でしたが

 とりあえず供養として上げてみます 笑

 ほぼ会話文のみでストーリー性は皆無ですので

 ご了承の上温かい目で見てやってください。

 

 

夏休みのとある日。

某所の居酒屋にて。

 

「よし、皆揃ったわね。それじゃ…」

 

「「「「「カンパーイ!!!」」」」」

「カンパイ…」

 

「ちょっとぉっ 勝輝暗いんですけど!? 

せっかくのプチ同窓会なのにテンション下がるじゃないっ」

 

「いや、なんで俺呼んだんだよ…」

 

「勝輝が非番やから行く言うたんやろ。嫌なら断れば良かったやん。」

 

「葉月と森都から同時にメッセージ来たら俺に断る選択肢ねぇよ!!」

 

「フフッ、相変わらずかっちゃん、はーくんともりりんに弱いねぇ」

 

「人聞き悪いですねぇ。まるで僕らが無理矢理付き合わせてるみたいじゃないですか。」

 

「ほんとほんと。」

 

「いや実際そんなようなもんだろ…」

 

「いつも同じ代わり映えしないメンバーですから、

たまには新しい風を吹かせてみようという葉月の思い付きです。」

 

「やだ、葉月辛辣~ 悪かったわね、代わり映えしなくってっ」

 

「今のは森都の言い方に悪意あるよ 笑」

 

「まーまー、積もる話もあるやろ。俺は聞きたいでー。勝輝の高校時代の武勇伝!」

 

「それはマジで勘弁してくれ…嫌な思い出がセットでついてくる…」

 

「でもさぁ、かっちゃんって高1、2の時までは激ヤバ暴走族だったのに

なんであんないきなりおとなしくなったのー?」

 

「っ…海保お前なぁ…」

 

「プッ…ちょっと海保ドストレートすぎ!!」

 

「っていうかそもそも高1で暴走族ってなんやねん、バイクは17からやろ。」

 

「それは時効だろ。俺は運転上手いから捕まらなかったんだよ、ほっとけ。」

 

「それはそういう問題じゃないでしょー。勝輝。」

 

「うっ…スミマセン…」

 

「えっ、ほんとにはーくんともりりんから叱られただけでやめられたの?」

 

「海保…俺の話聞いてねーだろ…」

 

「おーおー、えぐるなぁ、海保。」

 

「それを思い出したくないって勝輝がさっき言ったばっかでしょ」

 

「いやー、でもあの頃のかっちゃんって校内一の札付きの不良!

怖いものなし!って感じだったからー」

 

「勝輝が誇張しすぎてる節もありますよ。僕らはちょっぴりお灸を据えただけです。

何なら僕は葉月を少し手伝っただけですし。」

 

「はぁ!!?? あれがちょっぴりだぁ!?」

 

「不良に憧れてるのは分かってたけど、

高校上がってその道に本格的に進んでから

未成年でのお酒・タバコ、無免許運転、さすがに危なすぎたからね。

何度言っても聞かないし。

高2になって途中で免許は取ったけど、バトってスピード超過してすっ転んで全身打撲、

病院にも行ってないって聞いて慌てて探し回って、

見つけたと思ったらタバコ吸ってた最中だったって時に、

俺は確かに堪忍袋の緒が切れたよね。」

 

「う、うわぁ…」

 

「あのー、葉月サン。思い出してキレるのやめてもらって…」

 

「今までの分も含めて徹底的に泣かせてやるって思った。」

 

「…。何、今日俺公開処刑のために呼んだのか?

俺最近はおとなしく真面目に警察官やってんだけど(泣)」

 

「んーん。そんなつもりないよ 笑 大丈夫大丈夫。

でもあの時以来勝輝、危ないことはやめてくれたよね。」

 

「そりゃあれだけ痛めつけられればな…。」

 

「言い方悪いなー。『愛ある厳しいお仕置き』でしょ?」

 

「葉月。お前もう酔ってんのか…?」

 

「フフッ どーかなー?」

 

「んなわけねぇな、お前ザルだった。」

 

「えー、でも実際どれくらいのお仕置きだったのー?

かっちゃんが泣いちゃうくらいって…」

 

「海保はどんなお仕置きでもすぐ泣いてたからなぁ。」

 

「光矢うるさいぃ…」

 

「それ話すには今から浴びるように日本酒飲んで、

話し終わったら即記憶飛ばすために追い日本酒しないと無理だな…」

 

「えっ、じゃあ日本酒頼も頼も!」

 

「葉月、森都止めろよ…」

 

「えー、でもあの時のこと勝輝がどんな風に話すか興味あるなぁって。

まぁ、体壊すような危ない飲み方したら

その時点であの日の一幕再現してあげるけど。」

 

「懐かしいですねぇ。3日目くらいには目が死んでました。」

 

「あー、もうやめろやめろ! 

大体その死んだ目したやつを更に痛めつけてきたのはどこの誰だ!」

 

「フフッ。必死に耐えてて可愛かったですよ。結局陥落させたのは葉月でしたけど。」

 

「最後はちゃんと素直な勝輝になってたもんねー。」

 

「あれは心折られてたんだよ…」

 

「巷で有名な暴走族ヘッドも、葉月と森都の前じゃ形無しねー。

あ、そういえば私、それを交換材料に葉月たちに

没収されたメイクポーチ取り返してもらったから実は陰ながら感謝してたのよ。

何されたかは知らなかったけど。」

 

「は? それ初耳だぞ?」

 

「勝輝がどんどん手ぇつけられなくなるって教員一同お手上げ状態だったところに、

はーくんともりりんが勝輝を更生させたってなってなぁ。

2人がそれを交渉材料に、今まで持ち物検査で地田とかに没収された諸々、

本来は卒業まで返してくれへんかったところを取り返してくれたんやでー。

俺も確かマンガ返してもらったわ。おおきにー。」

 

「ちゃっかりしてんなぁ…あんだけ引っ叩いた末に取引に利用しやがって…」

 

「でも、その結果生まれた腫れたお尻と涙涙の反省文のおかげで

貴方も退学処分免れて停学で済んだんですから、

僕らは感謝されこそすれ、非難される筋合いはありませんねぇ。」

 

「その停学中だって…」

 

「あぁ、それも退学処分免除の取引条件だったから。

ちゃーんと停学中の課題達成できるように、応援してあげてたんだよ。」

 

「だからって…」

 

「お陰でストレートで警察学校入学できたじゃない。よかったよかった!」

 

「あー、もういい、分かった分かった、今の俺があるのは葉月サマのおかげです!」

 

「分かればよろしい笑」

 

「その経験談を、あの子たちに伝えてあげればいいんじゃない?」

 

「酒に関しては若干名、手遅れおるけどな。」

 

「あー(苦笑) まぁ、でも、俺は二人を信じてるから。」

 

「…見当ついたわ。機会があったら言っとくわ。

これ以上の酒と、タバコと犯罪行為だけはマジでやめとけってな。」

 

「経験者は語る、だね。」

 

「俺が泣かされたことは言うわけねーだろ!」

 

「言わなくても、何人かにはバレるの時間の問題だと思いますけど。

意外とあの子たち聡い子もいますから。」

 

「な、なんでだよ?」

 

「気付いた方がいいですよ、勝輝。

貴方あの日からずっと、特に葉月に対して態度があからさまに違いますから。

葉月があの子たちに対してお説教モードの時とか顕著です。」

 

「…マジで?」

 

「自分のことを客観的に見るのってやはり難しいものですね。」

 

「ほんとだねぇ。」

 

時刻は夜8時前。

宴はまだ始まったばかりだった。

 

 

 

…数時間後。

 

 

紆余曲折あって結局逃げられず、

須王は詳細な当時の『愛ある厳しいお仕置き』について洗いざらい暴露させられることとなった。

 

酒が入って完全に出来上がった状態でそれを聞いた雲居と波江、氷村は

あまりの内容にからかうどころか涙ぐみ、

当の須王は数時間前の風丘の宣言をすっかり忘れて

話し終わるや否や記憶を飛ばそうと日本酒をぐい呑みで一気飲みし、

霧山の制止も聞かずに二杯目を手酌で注いでぐい呑みを持ち上げようとした瞬間、

隣に座る風丘に腕を引かれ強烈な一発を食らう羽目になった。

 

記憶を飛ばすどころか一気に酔いが冷め、

翌日朝、ベッドから起きて全てを鮮明に記憶してしまっている現実に直面し、須王は誓った。

 

(もう二度と行くか…。)